eSIMや5Gに対応したモデルがスタンダードに

テーマ 仕事用のスマホ選びの条件とは

仕事に必要なスマホの性能

 スマホは個人で用意しているケースと会社で用意されているケースがあるだろう。だが、仕事メインに使うスマホなら個人用のスマホと基本的な選び方は同様だ。性能が高いに越したことはないのだが、その分価格も跳ね上がる。頃合いのモデルを選んで、2〜3年で買い替えるのがベストだろう。

 例えば15万円のモデルを5年使うより、4万円のモデルを2年半で買い替えて5年間使う方が理にかなっている。

 実は、スマホが陳腐化する要因の多くがバッテリーの劣化だ。どんなに高性能なスマホでも、2年以上使うとバッテリーは劣化して交換が必要になる。修理に出して交換してもらっている間に使えないと仕事が止まってしまう。ならば、バッテリーの寿命を2年程度と考えて、そのタイミングで買い替えた方が賢いわけだ。なお、iPhoneなら短時間でバッテリーの交換ができる可能性が高いが、それでもAppleStoreや修理店に持ち込まなければならないので、面倒だ。

 ゲームに注力しない仕事用のスマホなら、性能は中の中か中の下程度で十分だ。Androidスマートフォンのチップは、Snapdragonを採用しているモデルが多い。最上位モデルは、Gen 8もしくは800番台で、その下が700番台、600番台、400番台となる。お薦めは、600番台か700番台だ。数年前なら、間違いなく700番台以降がお薦めだったのだが、最近の600番台は性能が向上して、十分なパフォーマンスになっている。

 特に、今買えるスマホが搭載しているSnapdragon 695 5Gは、普通に使うには全くストレスのないパフォーマンスだ。仕事用になら、3年以上は間違いなく使える。これを2年半程度で買い替えていくのがお薦めだ。

 前の機種を手元に置いたまま買い替えれば、一つ前のモデルがまんいちのバックアップになることも見逃せない。落とすなどしてスマホが使えなくなっても、前の機種を一時的に利用できるのだ。一番重要なのは仕事が止まらないことだ。

Reno 7 Aは、4万円程度で買える仕事にもお薦めのスマホだ。

 今回例として紹介するOPPOの「Reno 7 A」もSnapdragon 695 5Gを採用している。RAMは6GBで、こちらも仕事に使うには十分だが、さらに仮想メモリーで11GBまで強化できる。複数のアプリを切り替える使い方でも不安は少ないだろう。

 さらに、Reno 7 Aは、3年間使ってもシステムの劣化は5%以内に抑える機能を搭載する(使い方による)。メモリーなどをリフレッシュすることで、スマホが遅くなるのを防ぐ機能だと推測するが、より安心に使い続けられるのはうれしい。

 ストレージ、つまりROMは128GB。大量の動画を撮影するなどしなければ余裕だ。見逃せないのが、microSDカードスロットを持っていること。最近の上位機種は、多くがmicroSDカードを採用していないのが気になる。

 microSDカードが使えれば、いざというときはストレージを拡張して写真などを保存できる。仕事で使う価格表などのデータを大量に保存する際にも、microSDカードに入れておけば運用が簡単だ。データを更新する際には、SDカードの内容を書き換えれば良い。機種を交換する際もSDカードを差し替えればデータはそのまま移行できる。

おサイフケータイや5Gは当たり前

6.5インチとサイズの大きなディスプレイは、OLEDで見やすい。

 Reno 7 Aの画面サイズは、6.4インチなのでちょうど頃合いだろう。大きすぎることはないし、小さすぎて画面が見づらいと感じることもないはずだ。これから仕事用のスマホを買うなら、6〜6.5インチがお薦めだ。今や、格安モデル以外のディスプレイは、有機EL(OLED)が当たり前になっている。黒が締まっていて表示も見やすいので当然お薦めだ。また、リフレッシュレートが90Hzだが、こちらもゲームをしないなら十分だ。ただ、ブラウザーを使っていても120Hzの方が見やすいのだが、このあたりは妥協してもいいだろう。

170グラム台と軽量なので、ポケットに入れてもスーツのフォルムが崩れない。
おサイフケータイ対応なので、会社の入館手続きなどにも使える。

 Reno 7 Aには、おサイフケータイ機能が搭載されている。仕事でも利用するケースが多いので搭載されているのは前提だ。また、最近のスマホはほぼ全て5Gに対応している。会社の周囲が4Gでしかアクセスできないとしても、数カ月後には5Gが欲しくなる可能性は十分にある。今から買うなら、5G対応モデルにするべきだ。

 注目したいのは、デュアルSIMが使えることで、さらに、うち一つはeSIMを採用しているモデルをお薦めする。eSIMなら海外出張の際にオンラインでSIMを設定できる可能性がある。販売店に出向いて現地のSIMを買う必要がないのだ。今後、eSIMはどんどん普及してくるだろう。会社契約もeSIMで使えるようになる可能性も高い。メンバーがSIMの出し入れで紛失するようなトラブルもなく、管理しやすいのだ。

 防水機能も見逃せない。仕事が止まらないためには、少しでも壊れる可能性を排除するべきだからだ。

生体認証は二つあると便利だ

eSIM対応のモデルは今後便利に使えるはずだ。
最近のスマホはバッテリーを節約する機能が充実している。

 いよいよ新型コロナウイルスによるマスクも外せるような気配が漂ってきた。とはいえ、まだまだマスクをする場面は多いだろう。スマホの生体認証は、顔認証と指紋認証がダブルで搭載されているのが便利だ。Reno 7 Aも、もちろん両方搭載している。

 スマホの電源ボタンを押して、顔で認証しなかったら指紋での解除を試みればいい。レスポンス良く使えること間違いなしだ。

 なお、指紋センサーは画面内蔵がベストだ。特に車でナビ代わりに使う際には、車載アダプターを使うだろう。すると、側面や背面の指紋センサーは使いづらい。

 バッテリー容量は多いほど好ましいが、4,500〜5,000mAhあれば良いだろう。容量よりも、長期間へたらない工夫がされている機種がお薦めだ。このあたりはAQUOSなどに優れた機能が搭載されている。Reno 7 Aは、18Wの急速充電対応だが、最近は120W充電などの製品も登場している。今後は急速充電がトレンドになってくるだろう。

 なお、本体の軽さも重要で、Reno 7 Aは、175gで合格だ。200gを超えるモデルはポケットに入れても負担が大きい。さらにケースを付けて使うのが普通なので、より重量が増してしまう。スーツのポケットに入れてフォルムを崩すような重いスマホは仕事向きではないのだ。

 Reno 7 Aは、本記事執筆時点でSIMロックフリー版が4万円程度で購入できる。コスパに優れたお薦めの製品だ。2万円台で買えるモデルもあるが、ディスプレイの画質が落ちたり、指紋センサーが背面や側面になったりするなど、どこかでコストダウンが見受けられる。

 なお、個人で利用するスマホ選びでは重視されるカメラも、仕事で使うならホドホドで十分だ。Reno 7 Aの約4,800画素なら仕事中のスナップ撮影には文句なし。QRコードも問題なく読み取れるだろう。