次期学習指導要領では、児童の情報活用能力を育成するため、小学校の総合的な学習の時間に新たに「情報の領域(仮称)」が新設される。関西教育ICT展で開催された「探究的な学びの基盤となる情報活用能力の育成 −『情報の領域』を体験してみよう!(小学校模擬授業)−」では、小学校の模擬授業を実施。参加者は児童の視点に立ち、情報の収集・整理・分析のプロセスを追体験した。
冒頭、コーディネーターを務めた放送大学 教養学部 准教授 小林祐紀氏からは今年度末に改訂が予定される学習指導要領において、小学校では、情報活用能力の基礎的な部分を「情報の領域」として体系的に学ぶ枠組みが設けられること、また中学校では「技術・家庭科」から「技術」が独立する方向で検討されていることが説明された。
「私たちが一番危惧しているのは、『情報の領域でやっているから各教科は関係ない』という誤解が生じることです。しかし、この情報の領域は各教科等につながります。情報の領域で学んだことをベースにしながら、各教科の探究の基盤として生かすことが重要です」と指摘する。
この情報の領域では「ミニ探究ユニット」という小単元を通じて探究活動と結びつけて情報活用能力の育成を行うことが予定されている。今回の模擬授業ではこのミニ探究ユニットをベースに、日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)が開発した「情報活用能力ベーシック」における五つの探究の学習プロセスに基づき、ミニ探究ユニットの学びの一例を体験した。
模擬授業では宮代町立須賀小学校 教諭 小内慶太氏が模擬授業担当者として登壇し、「見つけてびっくり!その特技 クラスタグラムで友達のいいねを広げよう」をテーマに授業を実施した。模擬授業では参加した教員同士でペアを組み、自身の特技を自己紹介し合いながら、互いの意外な特技を発見し、教育向けのコラボレーションツール「Padlet」にスライドでまとめた。その後グループ内でスライドを発表し合い、それぞれの参加者の意外な一面を共有した。学習の最後には振り返りとして、授業で得られた学びや感想などを入力した。コメントを確認した小内氏は「今回のミニ探究ユニットは新学期の子供たちを対象にした授業でしたが、新学期に子供たちに持ってもらいたい感想そのものでした」と締めくくった。
千葉県柏市立大津ケ丘第一小学校 校長 佐和伸明氏がコメンテーターとして登壇し、模擬授業を終えた後の協議を主導した。佐和氏が「今日の模擬授業のエッセンスを自分の教科・単元にどう転嫁するか」という問いを投げかけると、参加者からは理科や社会、国語などの授業における活用例が挙げられた。
最後に小林氏は「ミニ探究ユニットは教科の探究に生かされることで初めて花が咲きます。単独で完結させるべきではありません」と強調し、ミニ探究ユニットと教科の学びを接続する上で、情報活用能力ベーシックを活用してほしいと述べた。

放送大学
教養学部
准教授
小林祐紀 氏

宮代町立須賀小学校
教諭
小内慶太 氏

千葉県柏市立大津ケ丘第一小学校
校長
佐和伸明 氏


