Copilot+ PC の性能やビジネスシーンで活用するメリット、そして日常的に使っていて便利な、Copilot+ PC ならではのAI機能の使い方について、初めて Copilot+ PC の情報に接する方にも分かりやすく紹介していく。
もちろん、AIを使えるだけが Copilot+ PC の良さではない。
そうした「ビジネスに使うPC」ならではの Copilot+ PC の良さを解説していこう。
Copilot+ PC って?
Copilot+ PC とは、マイクロソフトが提唱するAI時代向けの次世代 Windows PC のカテゴリです。高度なAI機能をインターネットを介さずにPC内部で高速かつ安全に使うことができるのが最大の特徴です。
NPU(AI 専用チップ)搭載
ローカル上でAI 処理を高速・省電力で実行できる
独自のAI機能
リコールや画像生成、翻訳などの高度なAI機能を標準搭載
高いセキュリティ
セキュリティプロセッサー「Microsoft Pluton」搭載でチップレベルでセキュリティを強化
戸田覚イチオシ!
Copilot+ PC のこの機能がスゴイ!
1|リコール
リコール機能は、数秒おきに自動的にスクリーンショットを記録してくれる。これによって、作業の内容が自動で保存される。そのスクリーンショットを時間軸で並べることで過去の作業にさかのぼれる。さらに、テキストをOCRするなどして、検索できるのも重要なポイントだ。
まだ、プレビュー版の機能だが、過去の作業やファイルを探せるのは間違いなく便利だ。完全に削除したファイルやメールが読める可能性もある。


2|強化されたWindows 検索

強化されたWindows 検索では、いわゆる「自然な言葉」でファイル検索ができるようになった。「来期のシミュレーションを解説したスライド」「製品マニュアル」といったキーワードで書類ファイルを探したり、「ヨーロッパの町の風景」「茶色い犬」といったキーワードで写真を探すこともできる。確実に見つかる保証はないが、まず試してみてソンはないだろう。
3|AIを活用した画像編集

「ペイント」アプリに搭載された「コクリエーター」機能は、簡単な手描きのラフイラストからイラストを生成できるため、頭の中のイメージを再現しやすい。また、地味な機能に感じるが、実は相当に便利でコスパが高いのが「フォト」アプリの「超解像度」機能で、写真の解像度を上げて高画質化できる。
しかも、NPUによる処理で高速なのがポイントだ。ぼんやりした写真をクリアにしたり、拡大した際のざらつきを軽減できる。古い写真を美しくしたり、ぼんやりしているスマホのズーム写真を改善できるのだ。
仕事がサクサク進む!
実際に使って分かる Copilot+ PC の良さ
Copilot+ PC の要 「NPU」
そもそも「Copilot」とは、マイクロソフトが提供するAIの総称だ。Copilotと聞くと、Windows 上のアプリから利用していると思う方が多いだろう。スマホにも同様にCopilotアプリが提供されている。また、「Microsoft 365 Copilot」というサービスも提供されており、こちらは原則としてMicrosoft Officeに組み込んで使うので、サブスクリプションが必要になる。
どれもCopilotという名前が付いているのだが、今回紹介するCopilot+ PC は、これらとは別物だ。Copilot+ PC は、PCの種類を示すキーワードだと考えてもいいだろう。Windowsが動作するPCの中で、一定の条件を満たしたモデルがCopilot+ PC として認定され、特別な機能が使えるようになる。その条件はNPUの性能が40TOPS 以上で、16GB 以上のメモリー、256GBのストレージなどだ。ここで注目したいのが、NPUだ。NPUは従来から使っていた計算を司るCPU、画像処理のGPUに加えた第3の処理を受け持つ機能で、AIの処理を担当する。ニューラルプロセッシングユニットの略で、NPUと呼ばれている。では、一定の性能のNPUを持っていると何が良いのだろうか。
現在のAIは、多くがサーバーで処理されている。例えば、CopilotやGeminiなどにプロンプトを書き込むと、インターネット経由でAIサーバーに命令が送られて、しばらく待っていると結果が提示される。どうしても待ち時間が必要な上に、情報がインターネットを経由して流れていく。ところが、このAI機能をローカルにまかせることで、処理が早くなる。実はNPUを搭載していなくても、ローカルでのAI処理は可能だ。ところが、CPUやGPUに処理をまかせると、他の作業に影響をきたす。つまり、PC 全体が重くなってしまう可能性があるのだ。ローカルでのAI処理を受け持つNPUを独自に搭載することで、CPUやGPUのパフォーマンスを下げることなく、AIの処理ができる。この性能を持つ最新のPCが Copilot+ PC というわけだ。
AIというとチャット形式でプロンプトに入力するおなじみの作業を想像しがちだが、実は、ローカルでのAI処理はインターネットを介さないことで、ハードウェアと密接に連携した作業ができるようになる。詳しくは後述するが、例えば、ローカルのファイルの検索機能を強化したり、自分が過去に行った作業に遡ることもできるのだ。これは、自分の作成したファイルや作業をAIが把握しているからできることだ。
高性能なPCの代名詞だ
現時点で多く使われているインターネットを経由したAIは、多くのPCで問題なく利用できているだろう。だが、これからはローカルでのAI利用が追加で重要なテーマになってくる可能性が高い。Copilot+ PC の機能も順次増えており、日々便利さが増している。AIがローカルで動き、OSと密接に関わることでWindowsそのものとの付き合い方が変わるのだ。
また、Copilot+ PC を選ぶことは、一定以上の性能のPCを選択することに他ならない点も重要だ。つまり、将来性を踏まえたPC 選びの目安になる。昨今はメモリーやストレージの高騰から、PCの価格も上昇傾向にあるが、必要にして十分なスペックのモデルを選択することが、適切なサイクルで利用できわけで、長期的に見ると、買いかえサイクルが長くなり、コストの面からも妥当な選択と言えるだろう。
書類探しが快適になる
毎日忙しく仕事をして、大量の書類を作成していると、作ったはずの資料が見つからなくなることがあるだろう。確実に作成したのだが、保存したはずのフォルダーにない——思い当たるフシがあるのではないだろうか。
こんな時には、「強化されたWindows 検索」を使うと自然な言葉でファイルを探せる。例えば、「金融に関する企画書」とか「時間管理についてのセミナーのプレゼンのスライド」のような、自分が記憶しているファイルの内容で検索できる。これらの言葉がファイル名に入っていなくても検索できる可能性が高い。また、写真も同様で「ヨーロッパの景色の写真」「茶色い犬の写真」といった形で探し出せる。
PCの検索機能は、ファイル名や時間、ファイルの種類から進化して全文検索ができるようになり、さらにAIによって自分の頭の中にある情報で探せる日が来たのだ。もちろん、100%ピックアップできるとは限らないが、試してみる価値はある。これでファイルが見つかればしめたものだ。なお、少々処理時間は掛かるが、OneDrive 上のファイルも対象にできる。
さらに、過去のファイルを探したいなら、リコール機能も非常に有効だ。先にも紹介した機能だが、Copilot+ PCが数秒おきにスクリーンショットを記録して自動保存してくれる。つまり、PCでの作業のほとんどを記録してくれるのだ。その上で、日時で遡って作業を探せる。いつ頃ファイルを作成したり保存したのかを覚えていれば感覚的に調べられるのだ。また、スクリーンショットの中に含まれるテキストなどを対象に検索ができる。プレゼンのスライドや分析したスプレッドシートなども探せるのだ。運がよければ、その時点の作業に遡ってアプリケーションからファイルを直接開くことも可能だ。直接開くことができなくても、記憶を頼りに作業内容や保存したファイルをあぶり出せる。
過去に作成したファイルを探す作業は、時間の無駄の極みだ。Copilot+ PC ですぐさま見つけ出すことができたなら、相当なタイパ向上になることは言うまでもないだろう。
初心者にも便利な「Click to Do」
Copilot+ PC は最新のPCにおけるAI機能だ——と説明すると、ベテランのユーザー向きだと思うかもしれない。だが、初心者にも簡単に使えるのが大きな特徴だ。
例えば、「Click to Do」という新機能は誰にでもすぐさま使いこなせるはずだ。利用はとても簡単で、Win+Qのショートカットキーをまず押す。すると、Windows の画面が少し変わって、画像や文字列が選択できるようになる。この状態でマウスポインターを動かして画像をクリックすると、イメージでWebを検索したり、コピーできる。画像はWeb上にあるものでも、書類に含まれるものでもかまわない。要するに、ほとんど何でもよいのだ。
この機能はテキストにも有効だ。例えばスクリーンショットのテキストや、選択できないPDFファイル上のテキストを選択してコピーしたり、直接Web 検索できる。ショートカットキーを押した時点で、画面上のテキストや画像をOSが認識して、選択しやすくしてくれるのでとても作業性が良い。さらに、アプリケーションのメニューのテキストさえ選択可能なので、分からない機能があったら検索することもできる。初心者の方でも5分で使えるようになる機能だ。



イメージを視覚的に指示できる「コクリエーター」
もうひとつ初心者にお勧めしたいのが、前記のペイントコクリエーターだ。何らかのイラストを作成したい場合、一般的な生成AIだと、プロンプトに詳細に情報を書き込むのが普通だ。例えば、「かわいらしい茶色い犬」と入力しても、思い通りに犬のイラストは作れないだろう。
ところが、ペイントコクリエーターなら、自分である程度手書きのイラストを描くことで、イメージを視覚的に伝えられる。手書き対応のモデルでないと少々書きにくいがマウスでもある程度のイメージは伝わるだろう。一発で自分が考えているイラストを生成したいなら、ぜひ試してみたい。しかも、うまく生成できなかったとしても、再チャレンジするのがとても早い。生成の待ち時間がほとんどないのが驚きだ。
なお、従来は専用のソフトが必要だった画像の高画質化処理にも対応する。解像度の低い昔の写真や、Web上にある画質の悪い写真の解像度を上げられる。
Windows標準アプリのフォトから利用可能で、ほとんど待たされないのでしかもNPUの力が実感できる。しかも、アップスケールの倍率を変更しても瞬時に処理してくれるから恐れ入る。
ちなみに、一般的な写真編集アプリのAI機能で高解像度化するとかなり待たされるので、使うのにちゅうちょしてしまうし、そもそもアプリケーションを使うのに費用がかかる。写真の高画質化(アップスケール)だけでも、Copilot+ PCの実力が明確に感じられるはずだ。



日々進化する Copilot+ PC
今回は、Copilot+ PC について解説した。機能は個人的に気に入っているものをかいつまんだが、他にもリアルタイムで字幕を入れたり翻訳する「Live Captions」やオンライン会議で画像を処理する「Windows Studio Effect」なども用意されている。しかも、機能は日々追加されるのが素晴らしい。
おそらく、まだ見ぬ便利な機能もこの後に待ち構えていることだろう。これからPCを購入するなら、Copilot+ PC を選んでおくことで、それらの機能の取りこぼしがなくなるはず。Copilot+ PC に対応しているPCでなければ使えないのだ。もちろん、Copilot+ PC に準拠しているPCなら、基本性能が高いので仕事もサクサク進むことは言うまでもない。Copilot+ PC はその世代最新のフラッグシップSoCが搭載されているため、導入するだけでPCでの作業時間の高速化や時間短縮ができるからだ。
ビジネスでのアプリケーション利用は、PC 単体で動作するローカルアプリケーションと、クラウドにアクセスして使うクラウドアプリケーションというハイブリッドユースが定着している。こうした流れは今後AIにも起こりえることが予想できる。PC 本体のローカル上でAIを利用するオンデバイスAIと、クラウド上でAIを利用するクラウドAIというハイブリッドなAI活用が一般化すると考えられるのだ。
今回のCopilot+ PC で紹介したAI機能も、オンデバイスAIの機能が中心であり、今後はサードパーティ製のオンデバイスAIアプリケーションも増加することは想像に難くない。またクラウドAIの場合も、PC のバッテリーは多く消費されるため、長時間バッテリー駆動を実現できる Copilot+ PC はAI時代のビジネスPCにマッチしているといえる。
ビジネスシーンにおいては人手不足や人材不足も深刻化しているだろう。一人ひとりの従業員に、生産性やスキルの高さが求められる今、高い性能で生産性をアップしてくれる Copilot+ PC はこれからのビジネスシーンにマッチしている。

Copilot+ PC は各PCメーカーから多様なデバイスが登場していることに加え、インテル製CPU 搭載PCからは「インテル® Core™ Ultraシリーズ 2」「インテル® Core™ Ultra シリーズ 3」という二つの選択肢がある。シリーズ 3は、AI処理性能やCPU性能ともに強化されており、より高度な処理をスムーズに実行できるというメリットがある。一方でシリーズ 2を搭載した Copilot+ PC も、AI活用を前提とした基本機能はしっかりと備えているため、コストパフォーマンスに優れた Copilot+ PC という選択肢として有力だ。
変化の激しいビジネスシーンに求められる従業員の“相棒”として、 Copilot+ PC を選択することをおすすめしたい。
この Copilot+ PC がイイ!
今回例として紹介しているのはDynabook の Copilot+ PC だ。「dynabook X94」は、14 インチの携帯ノートPC で、953g(モデルによる)と薄型軽量ながらインテル® Core™ Ultraプロセッサーのシリーズ 2を搭載する。
また、「dynabook X83」は13.3インチとさらにコンパクトなモデルで、950gと軽量で薄型ながら、最新のインテル® Core™ Ultraプロセッサーシリーズ 3を搭載している。特にこちらのモデルは、アイドル時で32時間と駆動時間が長い。最新の携帯ノートPCは、処理性能が高いだけでなく、微細化によるCPUの進化で、電力消費も抑えられているのが特徴なのだ。
なお、dynabookの両モデルは、ユーザーによるバッテリーの交換ができる点が見逃せない。これによって、3 年以上使い込んでバッテリーがへたってきても、修理に出して交換する必要がない。仕事が止まることなく、自分でバッテリーを交換できるわけだ。実際に僕自身も何度も交換のテストをしているが、ゆっくり作業しても5 分程度で完了した。




