全方位統合セキュリティで
複雑化するITの課題を解決するHPE
4月15日、日本ヒューレット・パッカード(HPE)は、同社が提供する包括的なセキュリティイノベーションに関する記者発表会を行った。同社のネットワーキングやセキュリティの方針に関する説明と併せて、小規模拠点・省スペース環境向け次世代ファイアウォール「HPE Juniper Networking SRX400/440 Series Firewalls」の発表なども行われた本発表会の内容を、詳しくレポートしていこう。
Self-Driving Networkを
セキュリティ分野でも目指す

会見の最初はHPE 執行役員 HPE Networking事業統括本部 副事業統括本部長 石田浩之氏が登壇した。石田氏は、同社のセキュリティ事業を話すに当たってこう切り出す。「当社のネットワーキング事業は、人間の介入を最小限に抑える、もしくは介入なしにする『Self-Driving Network』を目指しています。本日お話しするセキュリティの分野でも、Self-Driving Networkのソリューション提供を行っていきます」
続けて石田氏は、HPEのSASE(Secure Access Service Edge)セキュリティ分野の導入実績について、次のように触れる。「まずは『コンパクトハイパフォーマンスセキュリティ』です。キャリアグレードNATや10Gbps以上の高パフォーマンスが求められる環境に対応してきました。中でも、次世代ファイアウォール『HPE Juniper Networking SRX Series Firewall』は、サービスプロバイダー、社会インフラ、官公庁、エンタープライズなど、業界を跨いでさまざまなお客さまに使ってもらっています。次は多拠点管理です。設定から運用までの細かな設定が可能なため、SD-WANソリューション『HPE Aruba Networking EdgeConnect SD-WAN』も多様なお客さまに利用してもらっています。多拠点になればなるほど、運用管理における共通のポリシー設定は難しくなります。ですが本製品であれば、運用管理が簡単に行えます。最後は『脱VPN』です。昨今はお客さまから、VPNから脱却しようという話が非常に多く挙がっています。これはネットワークセキュリティサービス『HPE Aruba Networking SSE』を提供することで、お客さまのVPNの脱却と、よりセキュアなリモートアクセスを実現することを支えています。この製品も多くの方に使ってもらっています」
五つの観点で考えられる
全方位統合セキュリティを展開

石田氏に続いて、HPE Networking シニアバイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャー SASEおよびネットワークセキュリティ デビッド・ヒューズ氏が登壇した。ヒューズ氏は同社のSASEおよびセキュリティ戦略を語るに当たり、まずはこう切り出す。「ITリーダーは、迅速にデジタル変革をしなければならなかったり、IT環境の複雑性と規模が拡大し続けていたりといった課題に接しています。加えてITリソースも限られており、セキュリティリスクも増大しています。またAIの登場により、AIを悪意を持って使う人が出てきたため、複雑なサイバーセキュリティの状況が生み出されています。当社のネットワーキングのビジョンでは、こうした課題をどう解決するかを考えているのです」
続けてヒューズ氏は、同社のネットワーキングにおけるセキュリティのコンセプト「全方位統合セキュリティ」について説明する。全方位統合セキュリティとはゼロトラスト原則に基づいており、「改ざん防止」「盗聴防止」「被害範囲の最小化」「横展開攻撃の防止」「マルウェア&ランサムウェア対策」の五つの観点で考えられるものだ。
大きな組織ではネットワークのチームとセキュリティのチームが個別に存在しており、各チームが別々に機能している場合が多い。そこで同社はそれらのチームを連携させ、より良い業務が行えるようにしていくという。具体的には、ネットワークをセキュリティセンサーおよび制御基板として活用することで、ネットワーク/セキュリティチームの連携を可能にしていく。そして同社では、全方位統合セキュリティのポートフォリオを「Unified SASE」「Hybrid Mesh Firewall」「Universal ZTNA」の3本柱で構成しているのだ。

RSA Conference 2026で
発表された新ソリューションとは
本発表会では、2026年3月23~26日にかけてサンフランシスコで行われたセキュリティカンファレンス「RSA Conference 2026」内で同社が発表した、三つの事柄についても説明された。
一つ目は、小規模拠点・省スペース環境向け次世代ファイアウォール「HPE Juniper Networking SRX400/440 Series Firewalls」だ。本製品は、セキュリティチップ「TPM 2.0」、起動時に信頼できるソフトウェアだけを動かす仕組み「Secure Boot」、信頼の基点をハードウェアに置く「Hardware Root of Trust」による耐改ざん設計になっている。さらに全てのポートでラインレートの、イーサネットの通信を暗号化する技術「MACsec」の暗号化を提供し、高い暗号強度による通信保護をパフォーマンス低下なしで実現する。加えて、AIネイティブなネットワーキングプラットフォーム「HPE Juniper Networking Mist」、またはネットワークセキュリティを一元管理できるプラットフォーム「Security Director」による柔軟な管理が可能だ。

二つ目は、AI脅威に対応するハイブリッドメッシュファイアウォールの機能だ。この機能は、具体的には二つある。まず一つ目は、可視化とアクセス管理に関するものだ。AIサイトやアプリの利用状況を可視化し、アクセスを自動的にブロックする。急速に変化するAIの利用環境を簡素化し、その変化に先回りして対応を行うのだ。
次に二つ目は、データ損失を防止するものだ。プロンプトレベルでの検査により、特定のキーワードや文書内容をチェックする。プロンプト送信やファイルアップロードを制御することで、機密情報・重要情報の流出を防止するのだ。

三つ目はシンプルなAIネイティブリスク低減ツールだ。IT運用担当者であれば誰でも使えるAIチャットボット「HPE Juniper Networking Security Director - Enhanced」や、リスクの高いアプリを一目で把握可能な「HPE Juniper Networking Security Director Application Visibility」を提供する。

また、同社のサイバー脅威調査部門「HPE Threat Labs」によるレポート「In the Wild」の公開も発表した。本レポートは、2025年1~12月にかけて世界全体で活動していた、1,186件の脅威キャンペーンを対象としたサイバー分析になっている。
最後にヒューズ氏は、HPEとジュニパーネットワークスの統合を踏まえて「統合によって、私たちはさらにビジネスを伸ばしていけるよう、価値を高めます。そして、自律型ネットワークとより高度なサイバーセキュリティをお客さまに届けます」と意気込みを語った。

