圧倒的に強い頑丈PCで
現場を止めないタフブックの工夫

4月14日、パナソニック コネクトは同社の堅牢タブレット・PCブランド「タフブック」新製品発表会を開催した。1996年に誕生したタフブックは、2026年で30周年を迎える。過酷な現場や厳しい環境に耐えるPCを長年提供してきた同社は、一体どのような新製品を発表したのだろうか。堅牢性、長時間駆動、柔軟な拡張性などの特長を併せ持つ、新たなタフブックの詳細に迫っていく。

1分1秒も止められない現場を
あらゆる環境に耐える頑丈PCで支援

日本の現場の課題を語るパナソニック コネクト 執行役員 ヴァイス・プレジデント モバイルソリューションズ事業部 マネージングダイレクター 青木秀介氏。

 会見の最初にはパナソニック コネクト 執行役員 ヴァイス・プレジデント モバイルソリューションズ事業部 マネージングダイレクター 青木秀介氏が登壇し、日本の現場における課題をこう語る。「日本に目を向けてみると、PCが動かないために止まっている現場がまだまだあります。例えば、予期せぬ衝撃による破損、粉塵や水による故障、高温・低温下の動作不良、充電ができない場所でのバッテリー切れなどが、現場を止める原因になっています。ビジネスPCでは耐えられない現場が、私たちの周りにはたくさんあるのです」

 そうした現場の課題を解決するのがタフブックだと、青木氏は強調する。「ビジネスPCでは耐えられなくても、私たちが世界に誇る堅牢PCのタフブックなら耐えられます。現場を止めない、それがタフブックのミッションです。圧倒的な堅牢性、安心の長時間、柔軟な拡張性。これら三つの特長を組み合わせ、研ぎ澄まし、磨き上げてきた別格の信頼性で、お客さまの期待に応えます」

 この信頼性を踏まえ、さらなる進化を遂げた新しいタフブックが、14インチ堅牢PC「FZ-56」と14インチ堅牢PC「FZ-40」だ。FZ-56は2026年6月、FZ-40は2026年4月より発売する。

新製品のFZ-56とFZ-40。堅牢かつ機動的なFZ-56と揺るぎない信頼性を持つFZ-40は、どちらも現場を止めない安心感を提供する。

 まずFZ-56は、過酷な現場に耐える上、オフィスワークでも高い業務効率を発揮する製品になっている。予期せぬ衝撃が加わりやすい工場、粉が舞う食品製造の現場、土ぼこりが発生する建築現場、急な雨や水しぶきが懸念される貨物ターミナル、炎天下のスポーツ取材、食品を保管する冷蔵倉庫など、ビジネスPCでは耐えられない環境においても力を発揮する1台だ。本体上部には滑りにくい加工を施したハンドルが付いているため、移動の際も簡単に持ち運べる。14インチ WUXGAの大画面かつ高解像度の液晶と、「インテル Core Ultra 5プロセッサー」を、現場でもオフィスでも活用できるのだ。

FZ-56

 次にFZ-40は、極限の環境でも現場を止めない、揺るぎない信頼性を持つ製品になる。警察、消防現場、災害現場など、1分1秒を争うミッションクリティカルな環境下でも安定して動くのだ。FZ-56よりもさらに堅牢で、高い防塵・防滴性を備えている。過酷な現場を耐え抜くPCで、絶対に業務を止められない場所において、安定して動き続ける1台になっている。

FZ-40

 最後に青木氏は、タフブックの性能を以下のようにアピールした。「日本にはさまざまな過酷な現場があります。そしてそんな過酷な現場が、私たちの暮らしを支えています。1分1秒も止められない現場では、デバイスの停止が社会の停止につながりかねません。止められない日本の現場に、いつでもどこでも止まらない安心感をお届けするのが、FZ-56とFZ-40です。圧倒的な堅牢性、安心の長時間、柔軟な拡張性を持つタフブックを、日本のさまざまな現場に届けていきます。そして現場を止めないミッションを果たし、社会の歩みを力強く支えていきます」

相反する要素を両立することで
堅牢性・長時間・拡張性を全て実現

開発のポイントを語るパナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 共通技術総括部 プロジェクトマネジメント部 プロジェクトマネージャー 西村俊郎氏。

 青木氏に次いで、パナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 共通技術総括部 プロジェクトマネジメント部 プロジェクトマネージャー 西村俊郎氏が登壇した。西村氏はまず、タフブックの開発のポイントについてこう語る。「バッテリーを大きくすれば、その分駆動時間が長くなります。しかしその分、落下耐性が弱くなる可能性があります。また拡張性のために空間を設ければ、強度を保てなくなる危険性があるのです。この一見して相反する要素をどう両立するか、ここが今回の新製品のポイントです」

 続けて西村氏は、タフブックの特長である圧倒的な堅牢性、安心の長時間、柔軟な拡張性について、一つずつ説明を行った。

 まずは圧倒的な堅牢性からだ。工具などと共にPCを持ち運ぶ現場では、常にPC落下のリスクがある。そこでタフブックは、FZ-56には90cm、FZ-40には180cmの落下に耐える堅牢性を備えたのだ。この堅牢性を実現するために同社は、筐体構造シミュレーションを徹底的に活用し、落下試験を何度も繰り返した。筐体そのものにはマグネシウム合金を採用し、筐体の内部には衝撃を吸収する「フローティング構造」のコネクターを採用するなど、さまざまな面から堅牢性を高めているのだ。

 防塵・防滴の面でも、タフブックは高い堅牢性を発揮する。FZ-56は「IP53」、FZ-40は「IP66」に対応する防塵・防滴性能を持っているのだ。FZ-56は筐体の嵌合部を階段型の構造にし、水や粉が内部に侵入しないようにする「階段型嵌合構造」、キーボードに水が入った際、外部に排出する「水抜き穴構造」によって、防塵・防滴性を高めている。一方でFZ-40は、筐体の嵌合部に特殊なシリコンを立体的に塗布し密閉することによって、水や粉塵が内部に侵入しないようにしている。I/O端子部には特殊なクッションを装備し、水や粉塵が入らない密閉構造を実現しているのだ。

記者会見後に行われた防塵性能のデモンストレーションの様子。粉塵が激しく舞い飛ぶ中に置いても、タフブックは問題なく動作していた。
防滴性能のデモンストレーションの様子。バケツ一杯の水をかけた後でも、タフブックは問題なく業務が行える状態になっていた。

 高温/低温への対応について、タフブックはマイナス10度~50度の環境で使用可能だ。高温時は熱源を分散する部品レイアウトと筐体への拡散により、局所的な高温を避ける構造にしている。そして低温時はヒーターを搭載したSSDパックによって、常に安全な温度でSSDが稼働するようにしているのだ。

 次に長時間駆動については、タフブックは同社のモバイルPC「レッツノート」に倣って、大容量のバッテリーを搭載した。その上でインテルCPUの省電力機能や、同社独自のチューニングを加えるなどの工夫を行い、FZ-56は約13.5時間、FZ-40は約13時間の駆動時間を実現している。さらにタフブックは同じバッテリーを最大2個搭載可能なため、バッテリー2個搭載時はFZ-56で約27時間、FZ-40で約26時間の駆動が行えるのだ。そのほか、電源をオンにしたままバッテリーを交換可能な「ホットスワップ」機能、使用環境に合わせて充電量をコントロールする「バッテリーチャージングガード」機能も搭載する。

 最後は拡張性だ。堅牢性をキープしながらも、FZ-56は拡張エリアを3カ所、FZ-40は拡張エリアを4カ所設けている。アタッチメントオプションはVGA/シリアル/LAN/USBといった各種I/O、DVDドライブなどをそろえ、あらゆる作業環境で活用できるようにした。

 また西村氏は、タフブックがさまざまな現場で役立つ工夫についてもこう話す。「まずは視認性です。屋外作業では画面に太陽光が映り込んで、画面が見えづらくなることがあります。そこでタフブックでは、1,000cd/㎡の高輝度液晶にARフィルム(低反射処理)を採用し、太陽光の下でも高い視認性を保つようにしています。次に操作性です。タフブックは手袋をしたままや、雨や水滴が画面に付いたままでも操作可能なタッチモニターを備えています。さらに今回は、操作状況に応じて『手袋モード』『水滴モード』『タッチモード』『ペンモード』を自動で切り替える『オートモード』を新たに搭載しました。これにより作業を中断して、画面の操作モードを切り替える必要がなくなりました」

ビジネスPCから堅牢PCまで
ワンストップで製品を提供

自社のPC事業について話すパナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 国内営業総括部 ダイレクター 重野敬人氏。

 会見の最後はパナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 国内営業総括部 ダイレクター 重野敬人氏が登壇し、タフブックの販売方針を説明した。

 重野氏は同社のPC事業について、まずはこのように強調する。「当社はレッツノートとタフブックという、二つのモバイルPCブランドを有しています。お客さまの現場環境に応じて、ビジネスPCから堅牢PCまでワンストップで提案できるのです。お客さまのPCの使用環境には、主にオフィス、半屋外、屋外があります。この中で高温/低温環境だったり、粉が舞う環境だったりする半屋外には、堅牢性と機動性を併せ持つFZ-56を提案していきます」

 続けて重野氏は、ここ最近のPCの引き合いについて、以下のように説明する。「国内のお客さまの中では、半屋外での使用用途の引き合いが増えています。例えば空気中に粉が漂う製菓工場、もしくは食品工場でビジネスPCを使っていると、粉末がPCの内部に入り込むことがあります。そのせいでPCに障害が起こり、作業が止まってしまう課題を把握していました。そうしたお客さまに対して、我々はタフブックを提案しました。ビジネスPCからタフブックに置き換えることで、PCが止まることがほとんどなくなり、業務が円滑に進むようになったという喜びの声をいただいています。このように当社は、ミッションクリティカルな現場に対する提案から、粉塵などで悩んでいる半屋外への提案まで、裾野を広げていきたいと考えています」

 最後に重野氏はタフブックの新発売に当たり、以下のように意気込みを語った。「タフブックは『現場をもっとタフに。』をコンセプトに、最大の特長である堅牢性・長時間・拡張性、そして別格の信頼性で、過酷な現場業務を支えていきます。日本国内ではまだ堅牢PCが浸透していないと感じますが、堅牢PCといえばタフブック、タフブックといえば堅牢PCというように、これからも当ブランドをよろしくお願いします」