エレコムからは現在4モデルを販売
現在、市場で販売されているモバイルバッテリーには、大きく分けて「従来型リチウムイオンバッテリー」、「半固体リチウムイオンバッテリー」、「ナトリウムイオンバッテリー」の3種類が存在します。
「従来型リチウムイオンバッテリー」は最も一般的な方式で、内部に液体電解質が使われています。容量、サイズ、出力などの設計自由度が高いというメリットがある一方、落下や圧迫、劣化、内部短絡(ショート)などが発生した場合には、発煙・発火のリスクが高いという弱点があります。
一方、今回レビューする「半固体リチウムイオンバッテリー」は、その名のとおり半固体状(ゲル状)の電解質を採用したリチウムイオン電池の一種です。半固体状態のため、ショートの原因となる電解質の流出が起きにくいという特性を持っています。

もうひとつの選択肢として、商品化が進み、注目を集めているのが「ナトリウムイオンバッテリー」です。リチウムのかわりにナトリウムを使用しており、材料の調達のしやすさや安全性の高さがメリットとされています。ただし、現時点ではナトリウムイオン電池が「航空危険物」に分類されているため、飛行機内への持ち込みができません。これはあくまで現在の分類上の問題であり、従来型リチウムイオンバッテリーや半固体リチウムイオンバッテリーより危険性が高いわけではありません。今後、規制や扱いが見直されれば、機内持ち込みが可能になる可能性は十分にあります。
さて、今回エレコムより「半固体リチウムイオンバッテリー」を借用しました。主なスペックを比較すると、下記のようになります。
| 型番 | DE-C83-5000WH/BK | DE-C84-10000WH/BK | DE-C85-5000WH/BK | DE-C86-10000WH/BK/BU/PN |
|---|---|---|---|---|
| カラー | ホワイト、ブラック | ホワイト、ブラック、ブルー、ピンク | ||
| 電池種類 | 充電式半固体リチウムイオン電池 | |||
| 容量 | 3.7V / 5000mAh、18.5Wh | 3.7V / 10000mAh、37Wh | 3.85V / 5000mAh、19.25Wh | 3.85V / 10000mAh、38.5Wh |
| 充電時間 | 約2時間10分 | 約2時間 | 約1時間40分 | 約2時間 |
| 入力端子 | USB Type-C端子×1、本体一体型USB Type-Cケーブル×1 | USB Type-C端子×1 | USB Type-C端子×2 | |
| 定格入力電力 | 最大13.5W | 最大30W | 最大18W | 最大35W |
| 出力端子 | USB Type-C端子×1、本体一体型USB Type-Cケーブル×1 | USB Type-C端子×1、USB Type-A端子×1 | USB Type-C端子×2、USB Type-A端子×1 | |
| 出力 | 単独接続時:最大20W、同時接続時:合計最大15W | 単独接続時:最大30W、同時接続時:合計最大15W | USB Type-C:最大22.5W、USB Type-A:最大22.5W、同時接続時:合計最大15W | USB Type-C:最大35W、USB Type-A:最大22.5W、同時接続時:合計最大20W |
| サイズ | 約74×114×9.2mm | 約74×116×15.2mm | 約68×110×11.4mm | 約70×114.6×19mm |
| 重量 | 約120g | 約195g | 約135g | 約220g |
| 使用回数 | 2000回 | |||
| 付属品 | 絶縁シール×2 | USB Type-C - USB Type-Cケーブル(約0.1m)×1、絶縁シール×1 | ||
| 使用温度範囲 | 充電時:0~40℃、放電時:-15~45℃ | |||
| 保証期間 | 1年間 | |||
大まかに分類すると、容量は5000mAh(18.5Whまたは19.25Wh)と10000mAh(37Whまたは38.5Wh)、ケーブルは一体型と別体型、容量を表示するLEDパネルは搭載と非搭載、端子は「USB Type-C端子×1・本体一体型USB Type-Cケーブル×1」、「USB Type-C端子×1・USB Type-A端子×1」、「USB Type-C端子×2・USB Type-A端子×1」、そしてカラーはホワイトとブラックが用意されています(DE-C86-10000のみブルーとピンクを加えた4色展開)。利用スタイルに応じて、4シリーズから選択できるわけです。


容量:5000mAh(18.5Wh)
ケーブル:一体型
LEDパネル:非搭載(4段階表示のLEDインジケーターを搭載)
端子:USB Type-C端子×1・本体一体型USB Type-Cケーブル×1


容量:10000mAh(37Wh)
ケーブル:一体型
LEDパネル:搭載
端子:USB Type-C端子×1・本体一体型USB Type-Cケーブル×1


容量:5000mAh(19.25Wh)
ケーブル:別体型
LEDパネル:搭載
端子:USB Type-C端子×1・USB Type-A端子×1


容量:10000mAh(38.5Wh)
ケーブル:別体型
LEDパネル:搭載
端子:USB Type-C端子×2・USB Type-A端子×1
利用スタイルに合わせて選びたい
今回の4つのシリーズで最も注目すべきはケーブルです。接続型である「DE-C83-5000WH/BK」と「DE-C84-10000WH/BK」は、ポーチから取り出せば、すぐスマホなどに接続可能です。繊維でカバーされているケーブルは耐久性も高そうですね。スマホや携帯ゲーム機への充電に使用する際の使い勝手はよいでしょう。

一方、ケーブル別体型の「DE-C85-5000WH/BK」と「DE-C86-10000WH/BK/BU/PN」は自由にケーブルを選べるというメリットがあります。特に「DE-C86-10000WH/BK/BU/PN」は3つのケーブルを接続できます。同時充電可能なデバイスが多いのは他シリーズに対する大きなアドバンテージです。

毎日携帯することを考えているのであれば、サイズや重量も重要です。特に重量については一番軽い「DE-C83-5000WH/BK」が約120g、一番重い「DE-C86-10000WH/BK/BU/PN」が約220gと100gの差があります。
もちろん重さの大部分はバッテリーが占めているので、充電可能な目安の回数については「DE-C83-5000WH/BK」が約1.6回、「DE-C86-10000WH/BK/BU/PN」が約3.3回と約2倍の差があります(どちらも1800mAhのスマートフォンを想定した場合)。1日でどのぐらいモバイルバッテリーから充電するかを振り返って、慎重に容量を選ぶべきです。

バッテリー残量を示すLEDパネルは数値で表示するので正確に把握できますが、4つのインジケーターで示す「DE-C83-5000WH/BK」でも実用上の問題はないと考えます。いずれにしてもバッテリー残量が25%を切った時点で、継ぎ足し充電を検討すべき状況です。運用上の大きな差はないと筆者は感じました。

安全性の高い製品へ切り替えていきたい
モバイルバッテリーの発火事故や航空機内持ち込みルールの厳格化を受け、製品選びでは容量や出力だけでなく、安全性も重要な判断材料となっています。信頼できるメーカーの製品を購入したばかりであれば急いで買い替える必要はありませんが、長年使い倒していたり、落下などで強い衝撃を与えたことがあるなら、従来型より液漏れしにくいと謳われる半固体リチウムイオンバッテリーは有力な買い替え候補です。
今回のエレコム製品は、ケーブル一体型と別体型、5000mAhと10000mAh、LEDパネルの有無など選択肢が用意されています。容量、重量、同時充電数、残量表示なども考慮したうえで、最適な1台を選んでください。個人的には大は小を兼ねるという言葉がもっとも当てはまるのは、モバイルバッテリーだと考えています。

