利用者もIT管理者も使いやすいレッツノートに
モバイル性と作業性を両立した13.3インチを追加
パナソニック コネクトは3月16日、ノートPC「レッツノート」新製品発表会を開催した。本発表会では、モバイル性を重視した12.4インチモデル「SC7」、作業性を重視した14インチモデル「FC7」といった従来機種と同じサイズの製品に加え、モバイル性と作業性を両立した新サイズとして、13.3インチモデルの「NC7」の計3機種が発表された。記事ではこれら3機種の特長とともに、パナソニックコネクト・日本マイクロソフト・インテルの3社長が、AIと人間の未来をテーマに意見を交わしたトークセッションの内容についても紹介する。
ハイブリッドワークが定着する中
レッツノートの特長を研ぎ澄ます

執行役員シニア・ヴァイス・プレジデント
モバイルソリューションズ事業部
マネージングダイレクター
山本清高氏
パナソニック コネクトは2025年5月、12.4インチノートPC「SC6」、14インチノートPC「FC6」を発売している。今回発表されたSC7・FC7・NC7の3機種は、SC6およびFC6のコンセプトを継承した製品だ。
同社 執行役員シニア・ヴァイス・プレジデント モバイルソリューションズ事業部 マネージングダイレクター 山本清高氏は、SC6とFC6の製品コンセプトについてこう話す。「コロナ禍においては在宅勤務が推奨され、会議や商談のほとんどがオンラインで行われていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大が沈静化したことなどを背景に、2024年ごろから対面の価値が再認識され、オフラインへの回帰が進んでいます。これに伴い、企業では働き方やオフィスの在り方を見直す動きが活発化しています。デスクトップPCを置いて席を固定する従来型の運用は見直され、フリーアドレス制を採用する企業が増加しました。また、リモートワークの定着により、オフィス面積を縮小する動きも加速しています。その結果、どこでも仕事ができる環境を実現するため、メイン機をデスクトップPCからノートPCへ移行させるニーズが急速に高まりました。こうした変化により、働く場所を限定しないハイブリッドワークが定着し、働く環境はより複雑なものになっています。その中で当社がどのような価値を提供できるのかを考えたとき、『頑丈』『軽量』『長時間駆動』というレッツノートの特長を、あらためて研ぎ澄ますことが重要だと考えました」
続けて山本氏は、SC6とFC6の製品コンセプトとして「互換性」を追求していることも挙げる。「ハイブリッドワークが定着することで、IT管理者には多様な働き方を支援する役割が求められるようになっています。『営業には持ち運びやすい12.4インチを、事務には作業性を重視した14インチを』といったユーザーの多様なニーズに応えようとすると、ハードウェア構成の違いから、設定や検証にかかる工数が膨大になるという課題が生じてしまいます。加えて、従業員が自宅や外出先など異なるネットワーク環境でPCを使用するようになったことで、トラブルの種類も増加しました。多様な使い方や機器に合わせた対応が必要となり、IT管理者の負担が増加しています。こうした負担を軽減するために、SC6とFC6はモニターサイズの違いに関係する部品や筐体部品を除き、各種ハードウェアとインターフェース、デバイスドライバーを含む全てのファームウェアで互換性を確保しています。これにより、導入時のキッティング作業、検証業務の大幅な削減が可能です」
それではSC7・FC7・NC7の特長でもある、頑丈・軽量・長時間駆動・互換性について、その詳細を順に見ていこう。

頑丈・軽量・長時間駆動・互換性で
ハイブリッドワークに適したノートPCに
まずは頑丈だ。パナソニック コネクトの調査によると、PCに関する問い合わせの大半は、落下時に発生する人為的なトラブルで占められているという。こうした実態を踏まえ、SC7・FC7・NC7では、落下を想定した対策を徹底している。具体的には、デスクからの落下や移動中のアクシデントを想定し、動作状態のまま、76cmの高さから26方向に落下させる、米軍調達基準「MIL-STD-810H」に準拠した試験を実施し、正常に動作することを確認している。さらに、液晶を固定せずに浮かせることで衝撃を逃がす独自のフローティング構造に加え、筐体にはモニター側面全体をダンパーで保護する新篏合方式を採用し、側面からの衝撃耐性を高めている。
加えて、ハイブリッドワークの普及により、自動車や電車でノートPCを持ち運ぶ機会が増加していることを想定し、振動対策にも力を入れている。上下・左右・前後の3方向それぞれに対して、動作状態のまま1時間ずつ振動を与え続ける、MIL-STD-810H準拠の対振動試験をクリアしている。そのほか、内部のビスには一本ずつ緩み止め用の接着剤を塗布していたり、内部コネクターとケーブルの接続部をテープで補強したりするなど、激しい振動による故障を防ぐ工夫が施されている。
続いて軽量だ。SC7・FC7・NC7は、筐体素材にマグネシウム合金を採用したことに加え、Computer Aided Engineering(CAE)による動解析を活用し、天板など強度が求められる必要最小限の部分のみを補強している。こうした工夫により、頑丈さと軽量さを両立させているのだ。
そして長時間だ。SC7・FC7・NC7では、CPUに省電力性に優れた「インテル Core Ultraシリーズ 3 プロセッサー」を採用したことに加え、独自のCPU電力制御技術「Maxperformer」を組み合わせることで、駆動時間を大幅に向上させている。動画再生時の駆動時間は、SC7が約17.7時間と前モデルSC6の約12.7時間から大きく伸長し、FC7も約14.8時間と前モデルFC6の約11.5時間から確実な向上を果たした※。さらに、PCの作業を継続しながら30分の充電で約40%まで回復する「しながら30分充電」に対応し、バッテリー切れによる業務の停止といった事態を防げるのだ。


モバイルソリューションズ事業部
共通技術総括部
プロジェクトマネジメント部
プロジェクトマネジメント1課
堀 直樹氏
最後に互換性だ。SC6とFC6と同様、SC7・FC7・NC7はモニターサイズの違いに関係する部品や筐体部品を除き、内部ハードウェアからデバイスドライバー、ファームウェア、さらにはBIOS/ECまで互換性を確保している。パナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 共通技術総括部 プロジェクトマネジメント部 プロジェクトマネジメント1課 堀 直樹氏は、互換性がもたらす効果について次のように説明する。「SC7・FC7・NC7を導入することで、一つのマスターイメージで全機種に対応できるため、機種ごとの作成・検証が不要になります。さらに、一つの機種で発生したトラブルの解決策がほかの機種にもそのまま適用可能なため、サポートが容易になります。互換性のない3機種を導入する場合と比べると、導入準備の工数を約4人月、運用時の工数を約9.5人月/年削減できるのです」
さらにIT管理者の負担を軽減するツールとして、「Panasonic PC Control Suite」と「Panasonic PC Navigator」を用意している。Panasonic PC Control Suiteは、法人向けレッツノートの導入から運用、保守までを一貫して支援するIT管理ツール群だ。導入時のキッティングでは、BIOS設定やドライバーのインストールなどの各種設定をまとめて実行可能だ。これにより、手作業による工数や設定ミスを抑制し、複数台にわたるキッティング作業の標準化と高速化を実現する。さらに運用フェーズにおいて、セキュリティ対策などで必要となるBIOSやドライバーの更新も、リモートから一括配信し、自動で適用できる。

Panasonic PC Navigatorは、Panasonic PC Control Suiteの各ツールや機能へアクセスできるランチャーアプリだ。2026年4月のリリースを予定している。IT管理者は、実施したい作業を選択するだけで、関連するツールや機能へ迷うことなく到達できる。また、生成AIによる質疑応答機能の搭載も予定されており、必要な手順や情報を迅速かつ簡単に確認可能だ。
「『働き方をもっと自由に。IT管理者も自由に。』をキーメッセージにSC7・FC7・NC7を訴求していきます」と山本氏は締めくくった。
※ JEITA測定法 3.0に基づく計測。
3企業の社長たちが対談
未来におけるAIと人間の役割分担
本説明会では、パナソニック コネクト CEO 樋口泰行氏、インテル 代表取締役社長 大野 誠氏、日本マイクロソフト 代表取締役社長 津坂美樹氏の3名が登壇し、「AIが人間の作業をどこまで担い、どこで人間が価値を発揮するのか」をテーマに、トークセッションが行われた。

まず津坂氏は、AIの最新状況と企業における活用の実態について、次のように語る。「日経225企業の94%がすでに『Microsoft Copilot』を導入しており、AIは個人や部門レベルで生産性向上を実感するフェーズから、イノベーションを加速させる存在へと着実に変化しています。一方で、AIの活用状況には企業ごとに違いが見られます。AIを積極的に活用している企業の特徴としては、経営トップ自らがAIを利用していること、既存のプロセスにAIを部分的に加える『AIふりかけ』にとどまらず、AIファーストでプロセス全体を設計していることが挙げられます。さらに、AIをたまに使うのではなく、ジムに通って筋肉を鍛えるように、継続的にAIに向き合い、使い込みながら進化させていく『AI筋トレ』を実践している点も重要です。この3点に取り組んでいる企業は、規模を問わず、AI活用の進展が速いと感じています」
AIの浸透と活用が進む一方で、樋口氏は「事務系の仕事が置き換わることは想定されていましたが、近年ではクリエイティブな作業もAIに置き換えられつつあります。またコンサルティング会社がAIを活用することで人員を削減したり、AI開発の現場そのものがAIに置き換わったりするといった現象も見られています」と現状を指摘する。この指摘に対して津坂氏は、「AIは人をアシストするものであり、AIによって人の仕事が完全に奪われる世界は、まだ訪れていません。コスト削減や生産性向上に加え、人のイノベーションを加速させ、2倍、3倍のスピードで新製品を投入できるといったメリットが生まれている段階です。人が担う仕事を、より良いものにするためにAIが支援してくれるのです」と応じた。
続いて樋口氏は、「AIが普及しても、人が職を失わないためにはどうすればよいのか」と問いを投げかけた。これに対し大野氏は、「デジタル技術と人が協調することで、これまで以上の成果を生み出せるようになる『ヒューマンオーグメンテーション』という考えが、AIが登場する以前からありました。AIも同様に、人が持つ潜在能力を引き出す役割を果たすと考えています。人はAIにはない『五感』というセンサーを持っています。これを磨き、AIと協調しながら、より力を引き出していくことが重要です」と述べた。

