バッテリーを内蔵したキーボードPCで、Copilot+ PC規格に対応

HP EliteBoard G1a Next Gen AI PC」は、メーカーの製品カテゴリーとしては法人向けのデスクトップPCです。一見すると薄型のキーボードにしか見えませんが、ワークスペース間を手軽に持ち運び、ディスプレーなどに素早く接続して使用するデスクトップPCとして位置づけられています。

キーボードは105キーの日本語配列
底面には大型の通気口を装備

OSはWindows 11 Pro、CPUはRyzen AI 5 330 / Ryzen AI 7 350 PROを採用。メモリーはDDR5-5600 16GB/32GB(SO-DIMMスロット×2、最大64GB)、ストレージは256GB/512GB(PCIe Gen4 x4接続SSD)が選択したCPUによって決まります。

CPUのRyzen AI 300シリーズは最大50TOPSのNPUを内蔵しており、AI PC「Copilot+ PC」の要件をクリア。マイクロソフト製のAIツールや、サードパーティー製アプリのAI機能を高速かつ省電力で動作させられます。

背面には通気口、充電状態ランプ、USB Type-C(40Gbps)×1、USB Type-C(10Gbps)×1を用意
左側面にはセキュリティロックスロットを装備。物理的な盗難防止が可能です

インターフェースは、USB Type-C(最大40Gbps、USB Power Delivery、DisplayPort 2.1、最大5V/1.5A充電対応)と、USB Type-C(最大10Gbps、USB Power Delivery、DisplayPort 1.4、最大5V/1.5A充電対応)を各1基装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 7/Bluetooth 6.0をサポートしています。

パッケージには専用ケース、本体、ACアダプター、給電用USB Type-Cケーブル、ディスプレー用USB Type-Cケーブル、マウス、マウス用ポーチ、マウス用電池×2、説明書が同梱されます
ACアダプターのサイズは実測32×32×65mm
ACアダプターは最大65W出力に対応。5V/9V/15V 3A、20V 3.25Aの出力が可能です

本体サイズは358×118×17mm。重量はバッテリー非搭載モデルが676g、32Whバッテリー搭載モデルが768gです。バッテリー駆動時間は標準的なオフィス業務で最大3.5時間、休止状態で平均3日間。充電時間は30分で50%まで可能と謳われています。

ACアダプター用USB Type-Cケーブルの長さは実測200cm
ディスプレー用USB Type-Cケーブルの長さは実測100cm
マウスはUSBドングルとBluetooth接続に対応。上面にはCopilotボタンを配置しています
32Whバッテリー搭載モデルの実測重量は758.5g
キーピッチは実測19.2mm前後
キーストロークは実測1.7mm前後

基本的にはビジネス用途をメインに活用すべきPC

今回の貸出機は、AMD Ryzen AI 7 PRO 350、メモリー32GB、ストレージ512GBを搭載しています。定番ベンチマークの結果は以下の通りです。

貸出機のシステム情報
CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は13032pts、CPU(Single Core)は1694pts
3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは4896(普通)
3Dゲームベンチマーク「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(1920×1080ドット、標準品質、フルスクリーン)のスコアは1997(動作困難)
ストレージはKIOXIA製のPCIe Gen4 x4接続SSD「KBG60ZNV512G」を搭載
ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は4975.51MB/秒、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4374.77MB/秒

ウェブ閲覧やオフィスアプリなどはオーバースペックと言えるほど快適に動作する一方、動画編集についてはフルHDであれば実用的ですが、4K動画は簡易的な編集に留めておくのが無難です。また3DCG処理については、比較的軽めのゲームタイトルをフルHD解像度の低~中画質に設定にするならプレイ可能なレベルです。ストレージが高速なためOSやアプリの起動は速いですが、基本的にはビジネス用途をメインに活用すべきPCと言えるでしょう。

最大の売りはシンプルさ、個人的オススメはARグラスとの組み合わせ

本製品最大の売りは、やはりPCとしてのシンプルさです。キーボードにディスプレー以外の主要パーツが組み込まれているため、本体とマウスさえ持参してUSB Type-Cケーブルでディスプレーに接続すれば、即座にPCワークを開始できます。ディスプレー側がUSB Type-C経由の給電に対応していれば、ACアダプターを携行する必要もありません。この軽快さは非常に快適。ディスプレーのみが設置された共用スペースで利用する端末として、重宝するはずです。

今回はモバイルディスプレーに接続してみました。本体からディスプレーへの給電も可能です

個人的にオススメというか、私自身がぜひ実践したいのがARグラスとの組み合わせです。ARグラスを接続すれば目の前にデスクトップが広がるため、物理的なディスプレーを設置する必要すらありません。これこそ「最強のモバイルPC環境」と言えるのではないでしょうか。

ARグラス使用時はマウスがちょっとジャマに思えます。ポインティングスティックやトラックパッドを搭載してほしいところです。当座は小型マウスと組み合わせるとよいでしょう
バッテリー搭載モデルにARグラス「XREAL One」を接続し、YouTube動画を1時間連続再生したところ、バッテリー残量は100%から78%に減少しました。単純計算で、0%まで約4時間32分動作することになります

個人向けにも手ごろな価格でリリースされることを強く期待

久々に登場したキーボードPCは、共用スペースで使うビジネス向けPCとして申し分ない完成度です。また、筆者のような新しもの好きには「ARグラスとの組み合わせ」という新たなスタイルをもたらしてくれます。現状は法人向けですが、ぜひ個人向けにも手ごろな価格(法人向け価格は23万2800円から)でリリースされることを強く期待したい1台です。