薄型、多機能、マルチデバイス対応と隙のないスペック

本製品は、フルサイズかつ薄型なスマートなデザインを採用したワイヤレスキーボードで、同社のフラッグシップキーボードのMXシリーズよりも価格は低めに抑えられています。

本体サイズは430×147.1×16.4mm、重量は705g。安定感とスリムさを両立したデザインです。キーレイアウトは日本語配列を採用。日本向けにデザインされた配列になっており、一部の海外ノートPCのように密着しているキーはありません。また、テンキーを装備しており、データ入力や事務作業にも適した実用的な配列と言えます。

厚さはわずか16.4mm、重量は705g。安定感とスリムさを両立したデザインです

接続方式はBluetooth Low Energy(BLE)と、ロジクール独自の「Logi Bolt」(2.4GHz帯)の2種類に対応。ただし、Logi Bolt対応USBレシーバーは別売りです。対応OSはWindows 10/11以降、macOS 11以降、ChromeOS、Linux、iPadOS 14以降、Android 9.0以降ですが、管理ソフト「Logi Options+」を利用できるのはWindows、Mac環境のみです。

キースイッチにはパンタグラフ方式を採用。キーピッチは実測19.1mm前後、キーストロークは実測1.8mm前後。適度な打鍵感が与えられています。また同社の上位キーボードと同様に、最大3台のデバイスとペアリングし、ボタンひとつで切り替え可能な「Easy-Switch」機能を搭載。PCとタブレット、スマホを並行して使用するマルチデバイス環境にも対応しています。

室内照明光対応の高効率ソーラーパネルを搭載

本製品最大の特徴は、本体上部に配置されたソーラーパネルによる電源供給システムです。このシステムは、太陽光だけでなく室内照明の光もエネルギーに変換可能な高効率タイプで、200ルクス以上で充電可能とされています。このソーラー充電機能により、電池交換や、USBケーブル経由による充電作業から解放してくれるわけです。

太陽光だけでなく室内灯でも発電。電池交換、充電の手間から完全に解放されます

機能面のポイントとしては、管理ソフト「Logi Options+」による「Smart Actions」が挙げられます。これは、特定のキー操作に対して、複数のアプリの起動や複雑なショートカット作業を割り当てられる、いわゆる「マクロ機能」です。面倒なルーチンワークを自動化できるので、作業の効率化を図れるわけです。

管理ソフト「Logi Options+」の画面。「Smart Actions」では、特定のキー操作に対して動作を割り当てられる

細かな点では、キートップが指先にフィットするようにくぼんだ「インカーブキー」や、接続先をワンタッチで切り替えられる「Easy-Switch」などが特徴。コンパクトな「MX Keys Mini」などでは「Easy-Switch」がファンクションキーの1~3に割り当てられていますが、本製品では完全に独立したキーとして配置されているので、誤操作せずに、ワンタッチで確実に切り替えられるのがメリットです。

中心が少しくぼんだ「インカーブキー」を採用。タッチタイピング時に自然とキーの中心がわかります

「まずは充電」というステップが不要、ソーラー充電対応デバイスの利便性を実感

実際に使ってみた感想ですが、やはり充電や電池交換を意識しなくていいというのが本当にストレスフリーです。今回新品を借用したのですが、本製品の場合は箱から出してすぐに使用可能。一般的なバッテリー内蔵デジタルデバイスのように、「まずは充電」というステップが存在しません。この出だしからして、ソーラー充電対応デバイスの利便性を実感できました。

室内灯で充電できるという点については偽りなし。「Logi Options+」でバッテリー残量を確認できますが、ずっと「100%」のままです。ただ本製品のバッテリー残量がまったく減らないぶん、マウスなどのほかのデバイスのバッテリーが地味に減っていっているのが、超気になるという副作用がありました。ソーラー充電対応のマウスもぜひ発売してほしいところです。

本製品は内蔵バッテリーが最長10年間使用できると謳われていますが、さすがにこれは検証できません。ただ、バッテリーが突然死する最大の理由は過放電です。実際、私も放置していたスマホや、携帯ゲーム機、デジカメのバッテリーがお亡くなりになっていた経験が何度もあります。その点、本製品はデスクの上に置いておけば、まず過放電の心配はないので、長期間利用できることを期待できるでしょう。

キーボードのバッテリー残量が減らないぶん、ほかのデバイスのバッテリーの減りが超気になります

前述のとおり、キーピッチは実測19.1mm前後、キーストロークは実測1.8mm前後。メカニカルキーボードが好みの方には向かない可能性はありますが、普段ノートPCを使っている方であれば逆にしっくりとくるでしょう。また、アプリやキーボードショートカットを割り当てられる「アクションキー」や「AI起動キー」が独立して設置されているので、これらの機能をワンタッチで呼び出せるのは使い勝手がいいと感じました。

最上段に設置されている「機能キー」も、最新OSの機能や、ビデオ会議用途を重視した構成となっており、特にカスタマイズしなくても便利に活用できるはずです。ブラウザーでNetflixを開く「Netflix休憩」というユニークなマクロも標準で用意されているので、いろいろカスタマイズすれば作業が効率化できる……いえ、非効率化されるかもしれません。登録するマクロ次第なので、最終的にはご自身でご判断ください。

キーピッチは実測19.1mm前後
キーストロークは実測1.8mm前後

ただ、いくつか不満点もあります。まずは角度調整できないこと。デザイン的な理由や、可動部を設けることによる破損のリスクを避けるためかもしれませんが、個人的にはキーボード奥のキーが遠く感じられました。まあ100円ショップでゴム足などを購入すれば解決する話ではありますが、もっとスマートに解決する付属品を用意してほしかったところです。

キーボード面の角度を調整できるような足は用意されていません

また、タイピングエリア、ナビゲーションキー&カーソルキーエリア、テンキーエリアの間にそれぞれすき間があり誤操作する心配がないのはよいのですが、半角/全角キーが小さすぎます。筆者自身は使用頻度が少ないので大きな問題はないのですが、現在多用している方は慣れるのに少し時間がかかりますね。

各キーのエリアが離れているのはよいが、そのぶん半角/全角キーが小さくなってしまっています

あと、これは要望ですが、最長10年利用できることを謳っているものの、最初に経年変化する可能性があるのはキートップです。キーの刻印がはげたら交換できるように、キートップを別途オプションとして販売してほしいですね。

究極のメンテナンスフリーを実現、ソーラー充電式マウスの発売も熱望

「Signature Slim Solar+ wireless keyboard K980」は、有線ケーブルだけでなく、電池交換や充電からも解放してくれる非常に合理的な入力デバイスです。室内灯で常に給電され続ける仕様は、バッテリーの天敵である「過放電」を防ぐという意味でも、公称10年という長寿命を期待できる安心感を与えてくれます。

「デバイスのメンテナンスから完全に解放される」というメリットは、想像以上の快適さをもたらします。ぜひともソーラー充電式マウスも続けて発売し、入力デバイスに対する充電ストレスという呪縛から我々を解き放ってくれることを切に願います。