昨今、企業規模を問わずDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が急務となっている。しかし、情報システム部門(情シス)担当者や経営層が直面する現実は厳しい。「長年運用してきた紙の帳票を変えると現場が混乱する」「システムに詳しい担当者が不足しており、専任者を置けない」「テレワークに対応したいが、ハンコを押すためだけに出社が発生している」――。

こうした課題は、単に高機能なシステムを導入すれば解決するものではない。日本の企業文化に根付いた業務フローを尊重しつつ、いかにスムーズにデジタルへ移行できるかが鍵となる。

そこで注目されているのが、エイトレッドが提供するクラウド型ワークフローシステム「X-point Cloud」だ。シリーズ累計導入社数は5,000社を突破し、市場で長きにわたりトップシェアを走り続けている。なぜ、これほどまでに多くの日本企業に選ばれ続けているのか。

今回は、同社の執行役員である鈴木洋平氏と、営業部の主任・粕谷直樹氏に、製品の強みや最新のAI機能、そして今後の展望について詳しく話を伺った。

ワークフロー専業メーカーとして培った信頼と実績

エイトレッドの執行役員兼営業部 部長の鈴木洋平氏

エイトレッドは2007年の設立以来、ワークフローシステムの専業メーカーとして、日本の商習慣に寄り添った製品開発を行ってきた。同社のビジネスモデルにおける最大の特徴は、直販ではなくパートナー経由での販売を主軸に置いている点にある。特にDISとの関係は深く、全国のあらゆる業種の企業へ製品を届けている。

「私どもは全国展開しているわけではありませんが、DISのようなパートナー様、販売店様経由で製品をお届けすることで、現在は導入社数が5,000社を突破しました。当社はワークフローしかやっていない『専業メーカー』です。製造業、流通・卸売業、情報通信業をはじめ、中小企業からエンタープライズまで、まさに日本の企業の縮図のような形で、業種・業態を問わずあらゆるお客様にご利用いただいています」(鈴木氏)。

業種を問わず、日本の業務フローにフィットするワークフローシステム

多くのDXプロジェクトが頓挫する原因の一つに、「現場の抵抗」がある。新しいシステムを導入したものの、操作が難しく定着しない、問い合わせが殺到して情シス部門がパンクする、といったケースは後を絶たない。「X-point Cloud」が選ばれる最大の理由は、こうした課題に対して徹底した「使いやすさ」と「紙の再現性」を追求しているところだ。

「お客様が製品を選定される一番の要因は、やはり『使いやすさ』です。Webブラウザ上の画面であっても、これまで慣れ親しんだ紙の帳票やExcelのフォーマットを、そのままのデザインで再現できる点が強みです。システムが変わっても見た目が変わらなければ、現場への教育コストや心理的なハードルを大幅に下げることができます。『フォーマットが変わらないから、実際のやり方は変わらないよね』という感覚で、スムーズに移行いただけるのです」(粕谷氏)。

現場のユーザーは、まるでいつもの書類に記入するかのように、Web画面上で申請を行うことができる。これにより、PC操作に不慣れな従業員が多い企業でも、抵抗感なくデジタル化を進めることが可能だ。

「ノーコード」で完結するフォーム作成

エイトレッドの営業部 第4パートナーセールスグループ 主任の粕谷直樹氏

情シス担当者にとっての懸念事項である「フォーム作成の手間」についても、強力な支援機能が備わっている。「X-point Cloud」は「ノーコード」での構築を前提としており、専門的なIT知識がなくても直感的にフォームを作成できる。

特筆すべきは、既存資産の活用機能だ。例えば「Excelファイルから変換」機能を使えば、現在使用しているExcelの申請書をベースにドラッグ&ドロップするだけで、システム上の入力フォームとして自動生成される。入力欄、チェックボックス、プルダウン、そしてハンコを押す欄までが、自動的に配置されるのだ。

また、1から作るのが面倒な場合は、メーカーが用意した1,000種類以上のサンプルフォーマット(テンプレート)を利用することもできる。

粕谷氏は「稟議書、経費精算、日報など、1,000種類以上のサンプルを用意しています。これらは実際にユーザー様から『使える』と評価していただいたフォーマットも含まれており、自社の業務に合わせて項目を微調整するだけで、すぐに運用を開始できます。もちろん、背景に紙の帳票画像を貼り付けて、その上に入力枠を配置していくことも可能です。管理部門の方が、プログラムを書くことなく、自らの手で業務改善を進められるのがメリットです」と語った。

用意されているサンプルフォーマットの一例。これらをベースに微調整するだけで運用できる

日本企業の複雑な承認ルートにも完全対応

ポータル画面では、承認の状況やクエリ機能による分析表示などもできる

見た目はシンプルだが、裏側のワークフローエンジンは極めて堅牢かつ柔軟だ。申請金額による条件分岐、部署ごとの経路設定はもちろん、「誰かが休んでいる場合の代理承認」や「合議」など、日本企業特有の複雑な承認プロセスにも対応する。

「よく『承認ルートは最大何人まで設定できますか?』と聞かれますが、過去には学校法人様で80名以上の承認ルートを組んだ事例もあります。一般的な企業で想定される承認フローであれば、ほぼ全て対応可能だと自負しています。この柔軟性があるからこそ、企業規模が拡大しても使い続けていただけるのです」と粕谷氏は胸を張る。

また、承認の停滞を防ぐ機能も充実している。スマートフォンアプリでの承認はもちろん、SlackやMicrosoft Teams、Chatworkといったチャットツールへの通知連携も可能だ。さらに、承認が滞っている場合はシステムが自動で督促メールを送る機能もあり、「上司に催促しづらい」という申請者の心理的負担も解消してくれる。

データ活用とシステム連携で「業務のハブ」へ

「X-point Cloud」の真価は、申請・承認が終わった「後」にもある。単にハンコを電子化するだけでなく、蓄積されたデータを二次活用することで、経営判断のスピードを上げることができるのだ。

申請されたデータは自動的にシステム内で台帳化(リスト化)される。管理者は「クエリ」機能を使い、必要な項目を抽出して一覧表示したり、CSVで出力したりすることが可能だ。さらに「クロス集計」機能を使えば、「どの部門が・何に・いくら使っているか」といったデータをグラフ化し、ポータル画面に表示させることもできる。

「ワークフロー単体で完結するケースは少なく、会計や人事給与、顧客管理など他のシステムとの『つなぎ』が重要になります。当社では、決裁が終わったデータを会計ソフトに渡して消し込みを行ったり、逆に基幹システムから取引先情報を参照したりといった連携を強化しています。API連携とCSV連携はもちろん、kintoneや電子サイン連携、Microsoft SharePointなどとの連携オプションも豊富です。コストパフォーマンスを高め、データの価値を最大化する製品設計になっています」と粕谷氏は語った。

「AI機能」がもたらす新しいワークフロー体験

AIエージェントの搭載により、意思決定を加速させることも

2025年8月にAIエージェント機能を実装したオプションをリリースした。これにより、申請者と承認者、双方の「考える時間」や「読む時間」といった、システム化だけでは解消しきれなかった業務負荷(思考の無駄)を削減する。

例えば、申請者が稟議書を作成する際、製品資料や見積書などのPDFをAIエージェントに読み込ませる。するとAIが内容を解析し、「申請の起案文」を下書きとして自動生成してくれる。

承認者にとってもメリットは大きい。大量の添付資料を読み込む時間がない場合、AIに「この書類を要約して」「重要なポイントは?」と問いかければ、即座に回答が得られる。

鈴木氏は「従来、ワークフロー製品は業務プロセスの無駄を省くことに主眼を置いていました。しかし、まだ残されている『人が文章を考える時間』や『内容を理解する時間』も削減できるはずです。このAIエージェントは、申請・承認業務における人の思考プロセスをアシストし、意思決定をさらに加速させる役割を担っています」と語った。

「継続率99.86%」を支える手厚いサポート体制

高機能なシステムであっても、使いこなせなければ意味がない。エイトレッドが高い評価を得ている背景には、徹底した顧客サポートがある。同社の製品継続率は99.86%という驚異的な数値を誇るが、それを支えているのが「顧客の声」を製品に反映させるサイクルと、伴走型のサポートだ。

「当社では2ヶ月に1回のペースでバージョンアップを行い、お客様からのご要望や改善点を製品に反映させ続けています。また、サポート面では、お客様ご自身でWeb会議を予約していただき、画面を共有しながら運用相談ができる無償のミーティングサポートが好評をいただいています。『やりたいこと』を実現するために、弊社のエンジニアが二人三脚でサポートします。一度導入したら終わりではなく、長く使い続けていただくための体制には自信があります」と鈴木氏は力を込めて語った。

また、DISとのパートナーシップも強固だ。DIS主催のイベントや販売店向けの勉強会などを通じ、全国のユーザーに適切なソリューションが届くよう連携を深めている。2024年の実績では、DISにおける「パートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、販売面でも高い信頼関係が構築されている。

「iKAZUCHI(雷)にも掲載していただいており、販売店様にとってもエンドユーザー様にとっても、安心して導入いただける体制が整っています」と鈴木氏は語った。

あらゆるシステムの「入口」を目指して

中小企業から大企業まで、幅広く対応する「X-point Cloud」。スタンダードプランでは、基本サービス料が2万円で、1ユーザーあたり500円となっており、比較的低料金で始められるため、中小企業でも導入しやすいはず。最後に、今後の製品の展望について伺った。

「ワークフローは、企業の意思決定の基盤となるものです。今後はさらに他製品との連携機能を拡張し、あらゆる業務システムの『入口』であり、ハブ(中核)となるような存在を目指していきたいと考えています。DISとも連携し、様々なSaaS製品をつなぐ役割を担うことで、日本企業のDXを支えていきたいですね」(鈴木氏)。

「APIやCSVでの連携だけでなく、DIS側でも色々な製品との連携ソリューションを用意しています。『X-point Cloudがあるからこの業務ができる』と言っていただけるよう、システム全体の輪の中心になれる製品に育てていきます」(粕谷氏)。

現場に優しい操作性と、経営に資するデータ活用・連携機能を兼ね備えた「X-point Cloud」。「紙をなくしたいが、どう進めればいいかわからない」「現場が使いこなせるか不安だ」と悩む企業にとって、本製品はDXの第一歩を踏み出すための、有力な選択肢の1つとなるだろう。

今回紹介した製品

X-point Cloud

電子帳簿保存法にも対応したワークフロークラウドサービス。紙の帳票イメージをそのままWebでの入力フォームにできるため、利用者の違和感や学習コストも少なく、スムーズかつスピーディーに導入できます。サポートも充実しており、トライアルサポートチームが導入前の検証・検討を支援。導入後は直接の問い合わせ対応はもちろん、チャットボットやサポートサイト、Webでの個別相談も可能です。

iKAZUCHI(雷)

「iKAZUCHI(雷)」はサブスクリプション管理ポータルです。DISの販売パートナーは、「iKAZUCHI(雷)」をご利用いただくことで、多様化するサブスクリプション型のクラウドサービスの注文工数が削減され、月額や年額の継続型ストックビジネスの契約やご契約者様の一元管理が可能になります。