コンタクトセンターソリューション市場は今後も伸長

Contact Center Solution

 民間企業では、生産年齢人口の減少、労働力不足、人件費高騰などの国内経済を取り巻く厳しい外部環境や、チャット、ソーシャルメディア対応といった非コール業務が増加している状況だ。これらを背景に、コールセンターのアウトソーシング需要は引き続き拡大している。そうした状況を受けて、矢野経済研究所は国内のコールセンターサービス市場およびコンタクトセンターソリューション市場を調査した。

 2024年度の国内コールセンターサービス市場は、前年度比3.5%減の1兆517億円となった。背景としては、前年度に引き続き、これまで続いてきたコロナ禍を背景とした大型スポット案件(公共分野や官公庁案件)の規模縮小があり、これに伴って市場が減少した。2024年度で同市場の大型案件はほぼ終了したと矢野経済研究所は分析している。

 コールセンター業務の中でも特に人材不足は業種・規模を問わず多くの企業が直面する構造的課題となっており、人的資源の最適配分を図る観点から社内業務の外部委託に対するニーズが一層高まりを示している。2024年度の国内コンタクトセンターソリューション市場は、前年度比5%増の4,190億円だ。市場拡大の要因としては、先に述べたコールセンター事業者の人材不足や働き方改革による勤務形態の柔軟性が広がっていることがある。これを踏まえ、コンタクトセンターの効率化を求めるニーズが高まり、それと関連するコンタクトセンターソリューションが伸長する結果となった。

 本調査では、生成AIが業界に及ぼす影響についても焦点を当て、重点的に情報収集を行っている。コールセンター業界において、生成AIは極めて大きな変革をもたらす技術として認識されている。特にLLM(大規模言語モデル)は音声のテキスト化やチャットサポート業務との親和性が高く、積極的な導入が進められている。具体的には定型業務の自動化、24時間365日対応体制の構築、顧客対応チャネルの高度化などに活用されており、オペレーターは、より複雑かつ高度な業務への対応が求められている。将来的に生成AIは「人の仕事を奪う」のではなく、「人の能力を補完し、新たな価値を創出するツール」としてベンダー各社が位置付けており、AIと人が共存する次世代コンタクトセンターの構築を目指している。

 国内コンタクトセンターソリューション市場は、2025年度以降も着実に伸長していく見込みだ。労働人口の減少に伴うオペレーター不足が深刻化し、従来オペレーターが担ってきた業務がシステム化されていく。そのため、電話以外のチャネルやCRM(Customer Relationship Management)などデータ活用の領域も含めたシステム投資を前提に、同市場は拡大していくと予測している。

※コールセンター・コンタクトセンター向けに、コンタクトセンターソリューションを提供する事業者(ソリューションベンダー)の売上高ベースで算出した。
※2025年度以降は予測値。