ビジネスを支える安全・長寿命なモバイルバッテリー

リチウムイオン電池が原因となる火災事故が社会問題になっている。こうした問題を受けて航空機内での使用や充電が禁止され、持ち込みの数も2個までに制限された。電車や家庭での発火事故も相次ぐものの、モバイルバッテリーがビジネスの必需品であることに変わりはない。そこで注目されているのが、エレコムが提供する安全性を高めたモバイルバッテリー「半固体リチウムイオンモバイルバッテリー DE-C86-10000」シリーズだ。

エレコム
半固体リチウムイオンモバイルバッテリー
DE-C86-10000シリーズ

可燃性成分の揮発を抑える

エレコム
商品開発部
コンダクション課
スーパーバイザー
田邉明寛

 多くのモバイルバッテリーに採用されているリチウムイオン電池は、電解液として可燃性の有機溶剤を使っている。そのため、衝撃などにより内部の正極板と負極板が短絡し、急激に加熱すると、揮発した有機溶剤に着火して出火する恐れがあるのだ。

 エレコムはこの発火の原因を踏まえ、安全性を改善するために、電解液をゲル状にしたモバイルバッテリーを製品化した。それが「半固体リチウムイオンモバイルバッテリー DE-C86-10000」シリーズ(以下、半固体リチウムイオンモバイルバッテリー)だ。

 エレコム 商品開発部 コンダクション課 スーパーバイザー 田邉明寛氏は、本製品を開発した背景を次のように話す。「モバイルバッテリーの発火事故が年々増えていたため、安全な製品の開発が急務になっていました。そこでリチウムイオン電池の電解液をゲル状にして安全性を高めた、半固体リチウムイオンモバイルバッテリーを開発しました」

 同社によれば、電解液をゲル状にすることで液漏れがしにくくなるだけでなく、可燃性成分の揮発も抑えられるという。これによりガスが放出されにくくなるため、安全性が向上する。

 また本製品は、買い替え目安時期をLEDの色で伝える「Health Monitor」機能を搭載する。同社製品として初となる機能で、充電回数を基準に、消灯(〜250回)、青色点灯(約251〜約500回)、橙色点灯(約501回〜)でモバイルバッテリーの状態を知らせてくれるのだ。劣化が進んだバッテリーを使い続けてしまうことがなくなり、発火リスクをさらに抑えられる。加えて、使用温度範囲が充電時は0〜35度、放電時はマイナス15〜45度と広いため、猛暑や極寒の土地でも安心して使える。

 安全性の高い素材を使用していることも、本製品の特長だと田邉氏は語る。「本製品を構成する部品は、国内外の取引先から調達しています。そのため、常に品質を維持するための抜き取り検査や、取引先の監査を行っています」

電池残量は1%単位で確認できるため、外出先でも残量が一目で分かる。ちなみにHealth Monitorは、電池性能が低下してくると、%の上に表示される。

約2,000回の長寿命を実現

 半固体リチウムイオンモバイルバッテリーの魅力は、ゲル状の電解液による高い安全性に加えて、一般的なリチウムイオン電池のモバイルバッテリーと変わらない携帯性の良さもある。しかしながらサイクル寿命は約2,000回と、一般的なリチウムイオン電池のモバイルバッテリーより長いのだ。

 また、今回レビューしたDE-C86-10000シリーズは、容量が10,000mAh、最大出力が35Wのため、iPhone17であれば約1.8回の充電が可能だ。筆者の愛用している12.5インチノートPC「ThinkPad X280」も余裕で充電できた。

 さらに本製品は、USB Type-Cポート×2、USB-Aポート×1を備えている。三つのポートで合計最大20Wに対応した充電が行えるのだ。例えば、スマートフォン、ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチならば、問題なくまとめて充電できる。スマートフォンと本製品をまとめて充電可能な「パススルー充電」にも対応するため、バッテリー本体の電池を介さずに、スマートフォンへ直接給電が行えるのだ。この機能によって電池の劣化を抑えられるだけでなく、出張の際に持ち歩くAC電源が一つで済むようになる。これがもし二つしかポートがないモバイルバッテリーであれば、充電しなければならないデバイスが多いと、複数のAC電源を持つ必要が出てくる。

 田邉氏は「三つポートがあると自分たちも便利に使えると思い、こだわって設計しました」とポートの設計の裏話を語る。

4色の本体カラーを展開

 半固体リチウムイオンモバイルバッテリーは、ブラック、ホワイト、ブルー、ピンクの4色を展開する。コンシューマー市場も意識した明るい色により、個人で購入しているユーザーも多い。SNSでは、リチウムイオン電池モバイルバッテリーの発火事故を知って、半固体リチウムイオンモバイルバッテリーに買い替えたという声もあるそうだ。

 約2,000回の長寿命、USB Type-Cを二つ備える三つのポート、ゲル状の電解液による発火リスクの低減、製品寿命を確認できるHealth Monitor機能といった設計により、ビジネスで活用する際の安全性と利便性に応える半固体リチウムイオンモバイルバッテリー。充電電流の小さい小型電子機器を最適な電流で充電可能な「低電流モード」といった高性能さも備えており、ビジネス用途にフィットしたモバイルバッテリーになっている。2026年6月時点では航空機内への持ち込みも可能なため、出張の際に持って行くモバイルバッテリーとしても活躍するだろう。