Network/Security
AI活用が進む中、企業ではネットワーク、サーバー、クラウド、セキュリティなどのICTインフラの見直しに着手する動きが広がっている。この状況を受けて、MM総研は国内企業における通信ネットワークやセキュリティ運用の動向に関するWebアンケート調査を実施した。
ICTインフラの見直し状況について、「すでにICTインフラの見直しを進めている」と回答した企業が15%、「近いうちに見直しを検討する」が27%と、見直しに向けて動き出している企業が4割を超えた。
続いて、AI活用を進める上で懸念されるネットワークの課題について見ていく。いずれの従業員規模の企業においても、上位3項目は「セキュリティ対策への不安」「情報漏えい・データ取り扱いに関する不安」「トラフィック(通信量)の急増」で共通していた。この背景には、AI活用の拡大に伴い、データの送受信が飛躍的に増加することに対する懸念がある。加えて、機密情報や個人情報を扱う機会が増えることで、通信インフラへの負荷や情報管理体制への懸念が高まっているとMM総研は分析している。AI活用の推進には、ネットワーク基盤の強化とセキュリティ対策の高度化が不可欠だといえるだろう。

出所:MM総研
NaaSへの期待が高まる
ネットワーク基盤の強化とセキュリティ対策の高度化が求められる中で、AI時代の次世代ICTインフラとして注目されるのが、ネットワークをサービスとして利用する「NaaS(Network as a Service)」である。NaaSはセキュリティ機能とネットワーク機能を一体化し、クラウド型で柔軟に拡張できる。サービスプロバイダーのポータルを通じたネットワークの帯域拡張や設定変更に対応するほか、ルーターやスイッチ、ファイアウォールといった機能をクラウド経由でオンデマンドに利用可能だ。個別設定が必要な従来型ネットワークとは異なり、需要に応じた柔軟な最適化を実現する。
NaaSについて、「非常に関心/期待がある」「関心/期待がある」と回答した企業は53%に達した。特に、ネットワークとセキュリティの統合運用の意向がある企業ではその割合が71%と、NaaSへの関心が高い結果となった。企業はネットワークとセキュリティを統合的に制御し、需要に応じて柔軟に運用できるモデルを求めているのだ。企業が抱える「増え続ける通信量」「高度化するセキュリティ要件」「運用負荷の増大」という三重の課題に対し、NaaSは解決策となり得る。AI時代において、ネットワークは単なる通信基盤ではなく、企業の競争力を左右する「戦略インフラ」であるとMM総研は指摘している。
MM総研の執行役員研究部長である渡辺克己氏は、NaaSについて次のようにコメントしている。「AI活用の拡大は、帯域の可変性やクラウド接続、セキュリティ統合を含めたネットワーク全体の再設計を企業に求めています。従来型サービスとNaaSの二者択一ではなく、既存基盤を生かしながら段階的にサービス化・高度化していく移行戦略が重要であり、その実現手段の一つとしてNaaSの活用が現実的な選択肢となるでしょう」

