
パートナー事例:SDCソリューションズ
佐賀県に根ざしたIT企業として、地域密着型のサービスを展開してきたSDCソリューションズ(旧 佐賀電算センター)。
地域の医療・福祉・文教・流通分野を中心に、自治体や民間企業の課題解決に取り組みながら全国展開を果たしてきた同社は、創立50周年を機に社名変更し、次の100周年に向けてAIやCopilot、Copilot+ PCといった次世代のITビジネスへの挑戦も始めている。
SDCソリューションズの現在地と未来についてお話を伺った。
創立50周年を機に社名変更
ビジネスの全国展開を加速

教えてくれる人
SDCソリューションズ
営業本部 公共事業部
企画営業2部 部長
副島茂樹 氏
MOEKO●今日は2025年7月に創立50周年を迎えられたSDCソリューションズさまの佐賀県佐賀市にある本社に伺っています。創立50周年を機に社名を佐賀電算センターからSDCソリューションズへ変更しました。地元の「佐賀」という名称がなくなっていますが、いいんですか。
澄川さん●旧社名の佐賀、電算、センターのそれぞれの頭文字を並べて「SDC」とし、お客さまのあらゆる課題の解決をお手伝いするサービスを提供という気持ちを込めて「ソリューションズ」と命名しました。確かに社名から「佐賀」はなくなりましたが、これまで通り「佐賀愛」は誰にも負けないくらい強いですよ。
当社のビジネススタイルはお客さまに伴走してあらゆる困りごとの解決をお手伝いすることを目指していますが、当社には佐賀をはじめとした地域のお客さまと、全国にもお客さまがいらっしゃいます。
全国のお客さまが当社に相談いただく際、社名に「佐賀」が目立つことであたかも佐賀地域だけでビジネスを展開しているかのような印象を与えてしまっているのではないかと懸念していました。そこで地域密着のビジネスを大切にしつつ、全国のお客さまにも貢献したいという思いから、佐賀の表現を「S」にしました。
ですから「SDCソリューションズのSDCって何」と聞かれたときには、胸を張って当社は佐賀の会社で「S」は「佐賀」ですと説明します。
MOEKO●きちんと佐賀愛が伝わってきますよ。御社は当初、佐賀県内の企業のITパートナーとしてビジネスを展開し、その後、佐賀県と共同で社会福祉分野のパッケージソフトを開発したと伺っています。そのパッケージソフトを全国の自治体にも提供し、地方発のソリューションが全国で注目される実績を築き上げました。地域密着のビジネスを全国展開して成功させた秘訣は何ですか。

教えてくれる人
SDCソリューションズ
経営管理本部 経営管理部
企画室 室長
澄川慎一朗 氏
副島さん●当社のビジネススタイルは単なる受託開発ではなく、お客さまに寄り添いながら現在の課題と、その一歩先の要望を捉えて、解決に向けて伴走型で支援するというものです。このスタイルは創立時から変わっていない、当社の伝統であり文化です。
お客さまと長期にわたってお付き合いさせていただき、お客さまと一緒になって課題を解決していくことで信頼していただいた結果が、現在につながっています。そうしたお付き合いの中で多いのが「ニッチな課題」なんです。
世の中にはたくさんのソフトウェアやサービスがありますが、それらが対応していない業務や作業があります。それをシステム化したいという要望に、当社はソフトウェアを自社開発してソリューション提供しています。
MOEKO●既存のソフトウェアやサービスでは、レアケースに対応できる機能が提供されていないということですか。
副島さん●その通りです。ニッチな課題なので利用するお客さまが少なく、開発にコストや手間をかけられないという事情があります。しかしお客さまは困っていますし、狭い地域ではレアケースですが、全国規模で見ると非常に多くのお客さまがいます。
そこでニッチな課題に向けて開発したソリューションに、ほかのお客さまのケースで得た知見を加えることで、より多くのお客さまのニッチな課題に対応できるようパッケージ化し、全国展開しています。
PC選びはセキュリティ強化と
業務効率向上を指標に検討
MOEKO●2025年は御社の創立50周年に加えて、Windows 10のサポート終了を10月14日に迎えました。お客さまのPCのリプレースは順調に進みましたか。
副島さん●当社のほとんどのお客さまがEOS(サポート終了)の1年半前には計画策定に着手されていましたので、Windows 11搭載PCへのリプレースはスムーズに進みました。今回のPCのリプレースは単にWindows 10のサポートが終了するからという理由だけではなく、新しいOSやPCでセキュリティを強化したいという需要も多かったのが特徴的でした。
地域の中小企業のお客さまにもサイバーセキュリティのリスクが深刻化していることへの認識が浸透しており、リスク回避を目的にWindows 11搭載PCへリプレースしたいという相談が多かったですね。
MOEKO●昨今はビジネスでの生成AIの活用も課題となっていますが、PC選びに変化はありますか。
副島さん●変わりましたね。以前は価格優先でPCを選ぶ傾向が強かったですが、今回(Windows 10 EOSに伴うPCのリプレース)は業務効率や生産性の向上に効果のあるスペックという要望が求められる傾向が強かった印象があります。その観点でCPUやメモリーなどのスペックが、従来よりもワンランク上のPCを選ぶお客さまも少なくありませんでした。
ビジネス拡大への準備も完了

教えてもらう人
MOEKOさん
ダイワボウ情報システム(DIS)に勤める入社2年目の営業職。顧客の課題に親身になって向き合う姿勢が評価されている伸び盛りの若手社員。次々と出てくる新しいテクノロジーの理解に苦戦している。
MOEKO●Windows 10 EOSに伴ってリプレースされたPCの活用方法の一つとして、CopilotやCopilot+ PCへの関心の度合いはいかがですか。
副島さん●佐賀県のお客さまは新しいものに関心を持ち受け入れる傾向があります。生成AIも普及が始まった当初よりお客さまからの問い合わせが多くありました。現在はCopilotを業務でどのような活用ができるのか、どのような課題解決に有効なのかといった相談が増えており、実際の活用に向けた検討が進んでいる印象です。
生成AIのビジネスは単にサービスをお客さまに販売する導入支援だけではなく、ユースケースの提案からガバナンスやセキュリティの強化に向けたガイドラインの整備、ユーザーの教育支援など、当社の強みである伴走型での対応が求められるようになると考えています。
お客さまの支援に向けて当社自身も生成AIのユースケースを実践するために、社内で生成AIを活用しています。またAI活用も含めた新しい視点のビジネスを創出するために、ビジネスプランコンテストを継続的に開催しています。社員の創意工夫によって生まれたアイデアが、お客さまに提供するサービスとしてリリースされた事例もすでにあります。こうした成果もパッケージ化して全国展開したいと考えています。
さらに自治体さまや医療機関さまにおいては、生成AIを活用する際に個人情報などの機密データをクラウドなど外部に持ち出せないという事情があります。企業のお客さまにおいても同様の要望がありますので、今後はCopilot+ PCへのニーズがオーソドックスになるとみています。
こうしたニーズに対してCopilot+ PCでしか実現できないオンデバイスAIアプリケーションを開発して、Copilot+ PCと組み合わせてパッケージ化することで、全国のお客さまに提案できると考えています。
MOEKO●いよいよCopilotやCopilot+ PCのビジネスが本格化しますね。これからの100周年に向けた御社のビジネス展開が楽しみです。ありがとうございました。







