新体制で変わるPC事業と商品作りの方針とは
NECパーソナルコンピュータは7月30日に、同社が描く今後の事業方針と、新たな法人向けAI PC製品について説明する記者発表会を開催した。記事では新体制となった同社のPC事業の方向性や、新体制後初の製品となるAI PCの特長を紹介する。
開発から販売まで一気通貫の新体制で
日本市場のニーズを満たす製品を展開
7月30日、NECパーソナルコンピュータは新体制における法人向けPC事業の方針と、新たに発表する法人向けAI PC製品の紹介を行う記者発表会を開催した。2025年4月より、法人向けPCの販売機能がNECからNECパーソナルコンピュータへ移管した中で、同社はどのような方向性で事業を進めていくのだろうか。新体制後初となるAI PC製品の詳細と共に、その内容をレポートしていく。
要望や市場動向をいち早く捉え
日本のユーザーに伴走していく
会見の冒頭にはNECパーソナルコンピュータ 代表取締役 執行役員社長 檜山太郎氏が登壇し、新体制で実現する価値創造について説明した。同社はNECから法人向けPCに関する販売機能の移管を受け、2025年4月より新体制で活動している。この新体制では、同社が個人顧客向けと法人顧客向け両方のNECブランドPCの開発、設計、製造、マーケティング、販売を担う。
檜山氏は新体制について「同じチームになることによって、我々は先々のロードマップや技術情報などを、お客さまやパートナーさまにいち早くお伝えできるようになりました。また、ユーザーのニーズやパートナーの要望、市場動向も迅速に捉え、それらを製品開発に素早く反映する流れも作れています」とメリットを強調する。
続けて、現在のPC市場の変化を檜山氏はこう話す。「PCにとどまらず、AIという言葉を聞かない日はないくらい、AIが活発に使われ始めています。そうした中で今後はAIエージェントが活躍し、日常生活をサポートする形になると考えられます。また今年は、AIエージェント同士がコミュニケーションを取っていく最初の年になっていきます。このような市場の変化に合わせて、当社はお客さまにしっかりとした市場価値をお渡します」
さらに檜山氏は「我々はどのようなデバイスが必要になるのかということを、日々検討しています。今回発表する新製品は、新体制で出す最初の製品です」と新発表するAI PCをアピールする。
檜山氏は最後に、同社の今後の方針を次のように語った。「我々はこれからも、日本のユーザーにしっかり伴走していきます。AIは『はい、お使いください』と簡単に言えるものではありません。ユーザーやパートナーの皆さまの使い勝手、そしてニーズに合わせて提案、提供していくものになっています。当社はそうしたことを踏まえて、新しい体制でトップを目指します」

代表取締役
執行役員社長
檜山太郎 氏

執行役員
コマーシャル営業推進本部長
飯田陽一郎 氏

商品企画本部
本部長
森部浩至 氏
新体制は当たり前の徹底と
ブランド再強化を軸に事業展開
次に登壇したNECパーソナルコンピュータ 執行役員 コマーシャル営業推進本部長 飯田陽一郎氏は、新体制による一体運営について「これからは直接のコミュニケーションをより生かして、お客さまやパートナーさま、そして日本市場に求められる製品やサービスを開発してまいります。NECとは引き続き、販売展開や営業、ソリューション開発において連携を強化していきます」と意気込む。
そして飯田氏は、同社の法人向けPC事業の方向性に「当たり前の徹底」と「ブランド再強化」の2軸を挙げる。「当社は改めて、マーケットのシェアを最優先に考えていきます。そのために、当たり前の徹底とブランド再強化を大きな二つの柱にして、事業に取り組んでいきます」(飯田氏)
まず当たり前の徹底では、三つの事柄を実施する。一つ目は顔の見える営業体制だ。パートナーに担当を付けて窓口を一本化し、責任範囲を明確にしていく。二つ目は将来を見据えた投資だ。技術・マーケティング・人材への支援を積極的に行うだけでなく、イベント・ツールといった販促のサポートにも力を入れる。三つ目は価格の適正化だ。案件の獲得を最優先に行い、戦略的案件には積極的に投資をしていくという。
次にブランド再強化でも、三つの事柄を実行する。一つ目はパートナーコミットメントだ。どこよりも密に・誠実に、パートナーとのコミュニケーションを行っていく。二つ目は国内アセットの最大活用だ。日本市場だけを見て、日本のニーズを満たす製品を作ることに注力する。グローバルなブランドには難しい対応も、日本の顧客に向けて実施する方向だ。三つ目は製品力の強化だ。顧客やパートナーと直接コミュニケーションが取れる強みを生かし、求められる製品を顧客やパートナーと共に作ることを目指す。
この2軸を踏まえて、NECパーソナルコンピュータは今回の新製品の開発に挑んだ。「今回の新製品は、残念ながら全てのお客さまに刺さる製品ではありません。新製品は、日々さまざまな場所を飛び回る営業担当者や経営者のニーズを満たすものになっています」(飯田氏)
飯田氏は、ハイブリッドワークとPCでのAI活用が広まったことで、これからさらにバッテリーの重要性が高まってくると話す。「バッテリーに着目して営業や経営者の方々とお話しすると、大きく二つの悩みを聞けました。まず一つ目は電池切れの不安です。外出先でコンセントのある場所がなく、充電が行えないケースが出てきています。そのため電池が切れないように、画面の輝度やCPUのパフォーマンスを下げて使わなければならないときがあるそうです。二つ目はかばんの重さです。ACアダプターやモバイルバッテリーを入れることで、普段持ち歩くかばんの重量が増えています。さらには新しいノートPCを買った際、カタログスペックよりも駆動時間が短いという意見も聞きました」


移動が多い営業や経営者に向け
長時間バッテリーの製品を発表
そうした営業や経営者の声を踏まえて開発したのが、13.3インチワイドノートPC「VersaPro UltraLite タイプVY」だ。本製品は2025年7月30日から受注を始め、2025年9月中旬ごろから出荷を開始する。NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部 本部長 森部浩至氏は「今まで法人向けPCは守りの商品作りをしてきましたが、今後は攻めの商品作りに挑戦していきます。その第一弾が、VersaPro UltraLite タイプVYです」と新製品をアピールする。
VersaPro UltraLite タイプVYはバッテリー(L)選択時でも通常モデルで約1,031g、軽量モデルで約995gの軽量設計ながら、アイドル時で約40.2時間※の駆動時間を実現している。動画再生時も約20.1時間※のため、充電を気にせず一日中パワフルに使えるのだ。
また、バッテリーは顧客自身で交換可能な「CRUバッテリー」を採用している。本体裏のねじを4本を外せば、基盤へアクセスせず簡単にバッテリーを着脱可能だ。ねじには「脱落防止リング」が付いているため、ねじが誤って基盤に落ちてしまうことを防げる。
さらに同社独自のAI機能として、AIサポートボットアプリ「AI Plus Biz」を搭載する。F12キーを押すと立ち上がる機能で、VersaPro UltraLite タイプVYについての困りごとを入力すると、AIが解決策を答えてくれるものになっている。本製品のマニュアルやサポートQ&Aを参照する上、PCの状態も踏まえて回答してくれるので、精度の高い答えを得られるのだ。
※バッテリー(L)/タッチパネル搭載モデルの場合。駆動時間はJEITA測定法 3.0に基づく計測。
