エンタープライズブラウザー
エンタープライズブラウザー(Enterprise Browser)は、業務での利用を前提とした企業専用のWebブラウザーのこと。高度なセキュリティ対策や管理機能を実装している。「Google Chrome」や「Microsoft Edge」などの「Chromium」ベースのWebブラウザーを通じて、業務アプリケーションを利用する。
ブラウザーのセキュリティ確保に用いられるソリューションにVDI(仮想デスクトップ)がある。VDIはサーバー上にデスクトップ環境を構築し、端末からリモートでアクセス・操作する。データはサーバー側で一元管理されるため、セキュリティ強化に寄与する。しかし、設計や構築の難易度が高く、初期費用、運用コストがかかる。エンタープライズブラウザーは、VDIのように仮想化基盤を必要とせず、端末にインストールするだけで導入できる。ブラウザー上で直接動作するため遅延が少なく、コストも低く抑えられる。VDIの利便性の低さを補完するソリューションといえる。
エンタープライズブラウザーは企業内のシステムやSaaSへのアクセスを保護し、データ漏洩防止(DLP)、端末認証、アクセス制限(シャドーIT対策)を実装。ユーザーの行動管理、データ保護、セキュリティポリシーの適用などを高精度に制御できる。エンタープライズブラウザーの活用はセキュリティリスクを低減しながら、効率的な業務運営を目指すことが可能となる。
ただし、エンタープライズブラウザーが保護するのは、ブラウザーで表示されるコンテンツであり、ローカルアプリの保護はできない。VDIのように環境全体の隔離も行えないというデメリットがある。
(青木逸美)
