疲れが違う!テレワークにはお薦めのヘッドセット

テーマ:Web会議を快適にするデバイス

今回は、Web会議に最適なヘッドセットを紹介する。これまでは、コールセンター等で使われてきたヘッドセットだが、Web会議の普及で広く使われるようになってきた。どうせ手に入れるなら、高性能なワイヤレスモデルがお薦め。その理由を詳しく紹介していこう。

ヘッドセットが必要な三つの理由

ロジクール「Zone Wireless」
高級な質感のZone Wireless。

 Web会議は、ご存じのようにTeamsやZoomなどを使って画面上で会議をする仕組みで、コロナ禍で一気に普及した。日常的に利用する方も多いだろう。一般的には、ノートPCを利用して、内蔵のカメラとマイク、スピーカーで会議を進めていく。ところが、その環境だとよろしくない点がいくつかある。その中でも音声の問題はヘッドセットを導入すると解決する。まず、Web会議にヘッドセットがあると便利な理由を三つにまとめて紹介していこう。

 最も重要な一つ目の理由は、相手の聞き取りやすさだ。PC内蔵のマイクもどんどん進化しているが、やはり専用のヘッドセットに付いているマイクにはかなわない。しかも、今回取り上げるロジクールの「ロジクール Zone Wireless」(以下、Zone Wireless)は、折りたたみ式のマイクが口元に近い位置で利用できる。声を張り上げたりしなくても、相手にはきちんとしたボリュームで届くはずだ。PCのマイクは口からの距離が50センチ程度は離れてしまうだろう。当然ながら周囲の雑音も拾ってしまうので、相手が聞きづらい。ヘッドセットのマイクが口に近いのは、大声を張り上げなくて済むだけではないメリットがあるのだ。

 二つ目のポイントは聞き取りやすいことだ。

 実は、会社で使う際にはこれがとても重要だ。両隣も向かいの席の人もWeb会議を始める可能性があるので、PCのマイクとスピーカーでは、うるさくて話にならないし、ハウリングの可能性もある。会議室などのスペースを探そうにも、どこもかしこもWeb会議難民で埋まっていることだろう。

 ヘッドセットがあれば、周囲の音を隔絶できるので、自分の席で問題なく会議が進められる。特にノイズキャンセリングを搭載しているモデルが威力を発揮する。これは、自宅環境でも同様で、周囲で子供が騒いだり、犬が吠えたりしても問題なくWeb会議が進められる。

 三つ目のポイントが、耳への負担の少なさだ。Web会議を完全ワイヤレスイヤホンで進めている様子もよく見かけるが、長時間利用していると耳への負担が大きくなる。僕自身がイヤホンの使いすぎで外耳炎になった経験があり、ネットで検索しても事例が出てくるだろう。耳に差し込むスタイルのイヤホンは、負担がとても大きいのだ。

 その点、ヘッドホンタイプなら耳への負担も随分軽減される。長い時間の会議を進めるなら、マストなデバイスといっても過言ではないだろう。

 とはいえ、実は欠点もあり、髪型が盛大に崩れてしまう。特に男性は頭の真ん中部分の毛がつぶれてしまうのは否めないので、注意してほしい。また、夏場は少々耳が暑いと感じたり、ムレると感じる方もいるだろう。ここは、多くのヘッドホン共通の欠点だ。

折りたたむとコンパクトになるので、自宅と会社の両方で使える。
応答ボタンは押せば通話、長押しで切れる。音量調整も分かりやすい。

Zone Wirelessの特長

 さて、ここからはZone Wirelessの特長を紹介していこう。

 名前の通り、Zone Wirelessは、ケーブル接続不要のワイヤレスで利用できる。これも大変に重要なポイントだ。Web会議では紙の書類を見たり、PCを操作したりするなどの作業が多くなる。そんな時にケーブル接続のヘッドホンだと邪魔になるのだ。PCのヘッドホンジャックの位置が悪いと、マウス操作が干渉してイライラすることもあるだろう。付属のレシーバーは、USB Type-Aだが、USB Type-Cのアダプターも付いているのでどちらでも利用可能だ。難しいことを考えずに、とりあえずレシーバーを差し込めば利用できる(アプリについては後述)。

 片側のヘッドセットには大きなボタンが付いていて、ボリューム調整がしやすい。また、Teamsに対応している※のでボタンを押すだけで応答と切断ができる。

 Zone Wirelessは、耳に乗せるタイプのヘッドホン形式のヘッドセットだ。耳をカバーできるので周囲の音が減る上に、アクティブノイズキャンセリングを搭載している。ちなみに、アクティブノイズキャンセリングとは、周囲の雑音を音によって打ち消す機能だ。パッシブノイズキャンセリングは、イヤホンなどの遮音性を高めて周囲の音を聞こえなくさせる。ノイズキャンセリングもボタンを押すだけで、簡単にオン・オフができる。

 実はマイクのミュートも重要だ。同僚に話し掛けられるなど、相手に声を聞かせたくない場合にはミュートにする。くしゃみや咳が出そうになってもミュートを利用するわけだ。Zone Wirelessは、マイクを上に跳ね上げるだけでミュートになるのが分かりやすい。またマイクを下げればミュートが解除されて会話できる寸法だ。
※Microsoft Teams認定モデルの場合

長さを調整することで頭のサイズを問わずに使える。マイクは口元に近い位置に届く。
マイクを跳ね上げるとミュートになる。

ワイヤレス充電に対応

専用のアプリでは、ノイズキャンセリングの調整やイコライザーも利用できる。英語版なのが残念だ。

 Zone Wirelessは、USB Type-Cケーブルでの充電に加え、ワイヤレス充電にも対応している。ヘッドセットを折りたたんで、Qi対応の充電パッドに乗せるだけで充電がスタートする。昼休みなどに充電パッドに乗せるだけでいいのでとても楽だ。もちろん、急きょバッテリーが切れてしまったら、ケーブルをつないで充電しながら使えばよい。

 内蔵バッテリーの容量も多く、アクティブノイズキャンセリングをオンにしても14時間利用可能。オフだと15時間になる。普通の労働時間なら途中で切れることはないだろう。末永く使ってバッテリーがへたってきても、かなり持つはずだ。

 接続は前記のようにレシーバーを利用したワイヤレスで、30メートルの距離で利用できる。さらに、Bluetoothでも接続可能だ。PCと同時にスマホやタブレットとワイヤレス接続できる。Web会議中に急きょ電話をしたり、掛かってきたりする場合にもそのまま対応できるわけだ。スマホと接続して通話に使うのもいいし、iPadなどはWeb会議も問題なくできるので、PCの代わりに使う手もある。

 専用のアプリもWindows、Mac、Android、iOS用がリリースされている。今回はPC用のアプリを利用してみた。アクティブノイズキャンセリングのオンオフの切り替えや、周囲の音の聞こえ具合も調整できる。ノイズキャンセリングは耳が詰まる感じがして苦手—という方も、ほどよく調整すればよい。

 また、イコライザーも搭載するので音楽を聴きたい方も満足できるだろう。自宅ではZone Wirelessを使ってWeb会議をするだけでなく、映画や音楽も楽しめるのだ。

 会社と自宅どちらのWeb会議にも役立つこと間違いなしのZone Wirelessは、2万3,925円(Microsoft Teams認定モデルの税込参考価格)と少々高価だが十分に元は取れるだろう。1人1台は用意したいデバイスだ。安価なヘッドセットを購入して、ケーブルが邪魔だったり、音質が悪くて使わなくなったりするなら、完成度の高い製品を選んだ方が良いだろう。良いヘッドセットは疲れも軽減する。なお、ロジクールにも複数のヘッドセットがラインアップされているので、用途に応じて選ぶことをお薦めする。