【テーマ】周辺機器を見直して業務効率アップ!
打ちやすい小型キーボードを便利に使う
今回は、PFUが提供する小型の打ちやすいキーボード「Happy Hacking Keyboard」を活用する記事をお届けする。今や、ノートPCをお使いの方は7〜8割に達している。キーボードもPC内蔵のものを使っている方が多いだろう。だが、打ちやすいキーボードは生産性向上に大きく寄与するという話だ。
最速のタイピングを実現しよう
本記事をお読みいただいている方の多くが、ノートPCを利用しているだろう。昨今では、シェアが7〜8割に達すると言われており、圧倒的な人気を集めている。
ノートPCはPC本体にディスプレイとキーボードを搭載しており、シンプルに使えるのが良いところだ。最近人気の14インチモデルなら、外出先でも持ち歩ける。
ところが、薄型軽量のモバイルノートPCの欠点が、キーボードの打ちにくさだ。いや、正確に言うなら、現代のモバイルノートのキーボードは打ちにくいと言うほど悪くはない。普通にタッチタイピングして仕事をこなせるはずだ。
ところが、入力のプロは、多くがストロークの深いキーボードを使っている。プログラマーやライターなど、仕事中の多くの時間にキーを叩いている人ほど、ストロークの深いキーボードを愛用している人が目立つのだ。かくいう僕も、キーボードはストロークが深い方が打ちやすいと思っている。
ということで、今回はPFUが提供する「Happy Hacking Keyboard」(以下、HHKB)を使っていく。小型のキーボードは数々あるのだが、HHKBの最大の特長は、約60キーしか搭載しないことだ。いわゆるファンクションキーを採用せず、必要ならショートカットで代用する。極限まで不要なキーを排除することで、キー数は英語配列で60、JIS配列で69個にとどまる。その結果、キー自体が小さいわけではないのだが、A4用紙の半分程度のサイズに収まっている「HHKB Professional HYBRID Type-S」の本体サイズを例に挙げると、幅294×奥行き120×高さ40mmだ。重量は、電池を含まずにJIS配列で550gだ。モバイル向けのキーボードに比べると決して軽くはないのだが、コンパクトで本気の入力ができるのがポイントだ。
つまり、小さく薄く軽いモバイル向けのキーボードは、打ちづらかったり窮屈だったりするために入力速度が落ちることが多い。ところが、HHKBならフルサイズキーボード並みの入力速度を実現しつつ小型化されているのだ。
普段は、机の上に据え置いてメインのキーボードとして愛用し、必要に応じて持ち出せばいい。例えば会議室に持って行ったり、自宅に持ち帰ったりするなどして、異なる場所で最速のタイピングができるわけだ。

キーマップの変更がカギ
HHKBは、ファンクションキーがなく、最小のキーしか搭載しないので、キーコマンドを活用することになる。例えば、F1キーを打つなら、「Fn+1」キーを押せばよい。ファンクションキーを押すためには指を上に伸ばす必要があるのだが、このショートカットキーに慣れてしまうと、アルファベットキーのホームポジションで打てるようになり、案外速度は落ちないものだ。
プログラミングでは、そもそもファンクションキーをあまり使わないかもしれないが、日本語入力ではカタカナ変換で多用する方も多いだろう。このあたりは使い方によるのだが、慣れてしまえばなかなか高速に打てる。
さらに、Ctrlキーもショートカットを打つことが前提になっており、左手小指の位置に標準でCtrlを配置している。Ctrl+C、Ctrl+Vでコピーペーストをしたり、Ctrl+Aで全選択をしたりするなど、ショートカットを使い慣れている人ほど、HHKBの利便性が高いと感じるだろう。
しかも、キーマップ変更ツールが良く出来ており、好みの位置にキーを入れ替えられる。入れ替えたキーは、キーボード自体に記録されるので、違うデバイスに接続してもそのまま利用できるのだ。まさに、プロの道具らしい機能だ。
HHKBはキーが小さいのではなく、キーの数を減らすことで最小サイズのキーボードを目指したモデルだ。その上で、打ち心地にはこだわっていて、静電容量無接点方式を採用している。一般的なメカニカルなどと違って、接点がなくキー入力スイッチを押せる。カチカチという音がしないし、底部分まで打ち抜かなくてもタイピング可能なのだ。
つまり、ストロークの深いキーボードを、ある程度浅く打ってもしっかり入力できる。慣れてしまうとかなりの速度で打てるようになるだろう。個人的には、もう20年以上この方式を使い続けているのだが、タイプ感・速度共に最高だと思っている。




コンパクトさがメリット
HHKB Professionalシリーズは、非常にコンパクトなので、ノートPCの上に置いてそのまま利用できる。機種によっては、ノートPC側のキーと干渉しないので、上に載せた状態でタッチパッドが利用可能だ。
また、干渉するモデルは、専用のスタンドが市販されているので、それを置いた上でHHKB Professionalを載せればOKだ。つまり、設置面積的にはノートPCと変わらないエリアで高速なタイピングができるのだ。
机の上で場所を取らないし、出張先や移動中の列車内、機内、ホテルのテーブルなど狭いエリアで快適にタイピングができる。会社や自宅でのタイピングと速度が変わらないのが素晴らしい。
また、メインマシンと組み合わせて据え置いて利用しても机の上が広く使えるメリットがある。机の上にはマウスを置くことも多いので、キーボードが大きいと場所を取りがちだ。
フルサイズのキーボードには、テンキーが付いている。これが必要かどうかはユーザー次第だろう。特にExcelで数値を扱うことが多いならマストだと感じるだろう。だが、企画書などを作る作業では、テンキーがなくてもさほど困らないはずだ。しかも、昨今ではテンキーのないモバイルノートを使っている人が多く、そんな方にはHHKBが向いているわけだ。
なお、HHKBには一回り大きな「HHKB Studio」シリーズもあって人気だ。こちらは、ポインティングステックを内蔵していたり、タッチセンサーを搭載したりするなど便利な機能を持つ上位機だが、持ち歩きや省スペース性は、今回紹介したHHKB Professionalシリーズの方が上回っているので、用途に応じて選んでほしい。
なお、ファンクションキーが付いている小型のキーボードなら、打ちやすいものが多数あるので、こちらも選択肢に加えると良いだろう。
持ち運びのしやすさや日常的な使いやすさといった観点から小型キーボードを選べば、業務効率を大きく向上できるだろう。
