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Japan マーケティング Week【夏】から見るMarTechの最前線

Japan マーケティング Week【夏】から見るMarTechの最前線

2022年08月24日更新

デジタル化が営業活動を支援する

–MarTech– Japan マーケティング Week【夏】

RX Japanが主催する業界関係者向けの商談展「第14回Japan マーケティング Week【夏】」が2022年7月6日(水)〜8日(金)に開催された。本記事ではマーケティングの最前線を担うMarTechにフォーカスし、注目の製品を紹介していく。

オンラインでも使える名刺管理

 第14回Japan マーケティング Week【夏】では、認知拡大からファンづくりまで、「売上に直結する」サービスを網羅した商談展だ。営業支援や広告、Web・SNS、顧客育成などの幅広い分野でデジタルを活用したサービスが出展されていた。

 スタンダードな製品で言えば営業支援だろう。SFA・CRMなどの顧客情報を扱うためのシステムが多く見られた。「kintone」を提供するサイボウズのブースでは、“自分で作れる顧客管理・案件管理”と銘打ってkintoneを紹介し、顧客管理システムや案件管理システムを自社で作成することで、業務に合わせたツールとして運用できることをデモ画面を交えて紹介していた。また名刺管理ツール「Sansan」を提供するSansanや、「ホットプロファイル」を提供するハンモックも出展しており、SFA・CRMツールなどの連携により営業支援をより強固にする動きが見られた。

 シード・プランニングによる2021年12月24日発表の「法人向け名刺管理サービス市場の調査」では同市場は2023年に258億円の市場になると予測されている。コロナ禍で増加したオンライン商談に対応するべく、オンライン名刺交換機能が搭載された製品も登場している。このオンライン名刺機能を活用して、ウェブセミナーやオンラインイベントとの連携が行われる例も出てきており、これからさらにほかのソリューションとの連携や新機能の搭載が見込まれている。

電話の音声を記録&分析

 コロナ禍によるオンラインでのやりとり増加に伴い、顧客接点の構築が困難になるなどの課題が生じている企業も少なくない。そうした企業に対して「お礼メール」ではなく、「お礼動画」を送ることを軸にサービスを提案しているのがNewsTVの「Sales Video Analytics」だ。コンタクトを取った相手にお礼のメールを送るのではなく、お礼を伝える動画を撮影し、それをお礼メールの代わりに送信する。通常のお礼メールと比較して、返信率が高まりアポイントメントの獲得率が上がるのだという。

 営業活動の手法の中には、電話もある。その電話営業にもデジタル化の波が来ている。RevCommが提供するビジネス向けのスマート電話「MiiTel」は、IP電話として運用できるシステムだ。固定電話不要でこれまでの電話営業を継続できるため、在宅勤務への移行が容易になる。またMiiTelでは全ての電話内容を自動録音してデータ化し、話す速度などの通話のスコアリングを行うほか、通話内容を文字起こしする機能も搭載されている。営業活動だけでなくコールセンターなどの電話窓口にも有効に活用できるだろう。「MiiTel for Zoom」でZoomと連携すればオンライン商談の分析も可能になる。

 次のページからは、営業活動にとどまらない、マーケティングにおけるデジタル活用について、さらに詳しくリポートしていく。

1.天気に合わせてスマートフォンに表示されるバナー広告の内容を配信する「weathermarketing.net」。本技術を活用したデジタルサイネージ向けのレコメンドエンジンについては次ページで詳報する。2.サイボウズはkintoneを活用した顧客・案件管理について提案していた。3.スマート電話MiiTelは、通話内容のスコアリングなどを行って、営業活動へ生かせる。

4.お礼メールからお礼動画へのシフトを促すNewsTVは、Sales Video Analyticsを活用したお礼動画の作り方とそのメリットを紹介。5.ビジネス向けの動画編集を行えるクラウドサービス「Video BRAIN」は、PowerPointを使うように動画を作れる点が魅力だという。6.アイキャッチに3Dホロビジョンを使用したモードセンターのディスプレイ演出。アパレルショップなどで設置すると来店客の目を引きそうだ。

オンラインイベントからサイネージまで
マーケティングで進むデジタル活用

–Mar Tech– イベントリポート「Japan マーケティング Week【夏】」

コロナ禍によってデジタル化は加速的に進んだ。特に目覚ましいのが、動画の活用だ。本ページではマーケティングにおける動画活用サービスや、そうしたコンテンツを表示するデジタルサイネージにフォーカスして、展示会を振り返っていく。

オンラインイベントのメリット

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い営業活動のオンライン化が大きく進んだ。それによって生じた課題を解決しているのもまたデジタルであり、IP電話の活用やメールへの動画埋め込みなど、これまでのツールにプラスアルファする形で、マーケティングの価値を向上させているといえるだろう。

 そして、そうしたマーケティングの中でもセミナーの開催は、コロナ禍によって多くがオンライン化された。当初は感染拡大を防止するために開催を選択されたウェビナーは、現在では遠方の人でも聴講がしやすいといったメリットから、セミナーの形態の一つとして普及が進んでいるといえる。

 本展示会では、ウェビナーをはじめ、オンライン上での展示会を行うプラットフォームやサービスが多く出展されていた。例えばスプラシアはオンラインイベントプラットフォーム「EXPOLINE」を紹介。プラットフォームの提供だけでなく、イベントの企画から事務局、撮影や配信までをワンストップで提供するサービスで、大規模なカンファレンスやバーチャル展示会などでの利用実績がある。リアルでのイベントと異なり、動画の視聴や資料ダウンロードなどの行動ログ、アンケート回答データまでデータを一元管理できる点がメリットだ。オフラインイベントと組み合わせたハイブリッド型のイベントにも対応する。

ビジネスでの動画活用

 リアル展示会や商業スペースの企画設計施工のノウハウを生かし、展示会やショールームなどをバーチャル化するサービス「MOViEX」を提供しているのがモードセンターだ。ニーズに合わせて、バーチャル展示会やバーチャルショールームの企画、制作、公開に対応する。実際に本展示会のモードセンターのブースをバーチャル化したコンテンツも作成していたため体験したところ、展示会のセットと全く同じ空間がバーチャル上に再現されていた。展示されている製品をクリックすると動画コンテンツや360度コンテンツなどがポップアップするため、オフラインの展示会に行ったような感覚でサービスを知ることができそうだ。

 オンラインイベントを開催する上で、重要になるのが動画コンテンツの存在だ。ウェビナーはもちろんのこと、製品を説明するコンテンツはカタログやプレゼンテーションのPDFデータよりも、動画コンテンツの方がより多くの情報量が伝わる。例えば、オープンエイトが提供するビジネス動画編集を行えるクラウドサービス「Video BRAIN」は、動画配信プラットフォームと分析機能を搭載しており、スキル不要で動画の制作・配信・分析までを行えるサービスだ。操作画面が分かりやすく、動画を作成したことがない初心者でも、PowerPointを使うような感覚で動画を作成できるという。制作した動画を配信できるポータルも構築可能で、閲覧者分析などにも対応する。もちろんYouTubeなどのSNSにアップロードした場合のエンゲージメントやアカウント分析も可能だ。

 動画などの映像コンテンツは、SNSだけでなくサイネージなどにも活用される。ここからはデジタルサイネージのデバイスや、それにまつわるサービスにフォーカスしていく。

プロペラサイネージに注目集まる

 デジタルサイネージは設置される場所や環境によって、表示される内容が変わると訴求力も高まる。そうしたニーズを捉え、トイレにデジタルサイネージを設置しているのがVACANだ。もともとはトイレに設置したセンサーデータの情報を基に、混雑状況をスマートフォンから確認できるサービス「VACAN」としてリリースしており、トイレにサイネージを取り付けることで混在状況を知らせていた。そのサイネージを使い、ビジネスパーソンに向けた広告の表示にも対応している。VACANが導入されるトイレがオフィスビルに多いため、テナント企業へのお知らせ情報などの表示にも活用しているという。また、ルグランは気象データを活用したレコメンドエンジンとして「TNQL API」を提供しており、活用することで店頭のデジタルサイネージに、天気に合わせたお薦めの商品やサービスなどの情報を掲載できるという。

 デジタルサイネージのデバイスも変化している。大型の液晶ディスプレイではなく、高速で回転するプロペラのような羽にLEDを搭載したプロペラサイネージを組み合わせ、大型のサイネージとして利用するケースがあるのだ。プロペラサイネージは回転することで残像を立体映像として見せることが可能だ。3DメガネやARアプリのようなツールを使わずに立体映像が目の前に浮かぶため、集客効果が高いサイネージといえる。

インターコスモスは、このプロペラサイネージを複数連結した大型のサイネージを展示し、映像と音声を組み合わせることで大迫力のサイネージとして運用する「ZANZO」シリーズを紹介していた。プロペラサイネージは立体感のある映像で目を引くことはもちろん、設置している企業側から見ると取り外しがしやすいため柔軟に場所の移動などができる点が、通常のディスプレイ型サイネージより評価が高いという。前述したモードセンターも、このようなプロペラサイネージを9台組み合わせた3Dホロビジョン「Dimpact」を出展しており、まるで水族館のような空間を演出していた。

 マーケティングでのデジタル活用は、クラウドサービスからハードウェアまで幅広い。多様なツールを知り、提案することでユーザー企業のMarTech実現を支援していきたい。

EXPOLINEで提供するオンラインイベントの画面。画面上でアンケートや資料の配布などを行えば、マーケティングに役立つ。
トイレのサイネージメディアVACANはオフィスビルに多く導入されており、ビジネスパーソンへの広告訴求力が高い。
インターコスモスのZANZOは12台のプロペラサイネージを組み合わせた没入感の高いコンテンツ。空間に浮かぶような花に来場者が足を止めていた。
モードセンターの3DホロビジョンDimpactは、9台のプロペラサイネージを組み合わせることでまるで水槽のような空間を会場に再現していた。

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