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VR向けHMDの出荷が大半を占めるXR・360 度動画対応のHMD市場

VR向けHMDの出荷が大半を占めるXR・360 度動画対応のHMD市場

2022年07月06日更新

XR・360度動画に対応するHMD市場が急拡大

Extended Reality/360° video

 矢野経済研究所は、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)の総称「クロスリアリティ」(XR)と360度動画対応のヘッドマウントディスプレイ(HMD)の国内外の市場動向と将来展望を発表した。

 2021年のXR・360度動画対応のHMD機器の国内出荷台数は、72万台となった。背景には、VR向けが大半を占めている現在のHMD市場の中で、VRが市民権を得て普及段階に入りつつあることが挙げられる。VRはゲームや動画視聴などのコンシューマー用途に加え、コロナ禍を契機に人の移動や集団行動に制約が生じたことで、教育・研修分野や販売分野でも有用性が認められた。これにより、企業向けのVR用HMD導入が急拡大している。一方、ARはARスマートグラスへの関心は高いものの、モニターの画質や視覚野、バッテリー、コストなどの問題が起因して、製品化が進まない課題がある。ARの参入分野は建築・建設現場や物流など、企業向けが主体となっている。MRも対応する製品が少なくコストが高いため、参入分野は自動車メーカーなど企業向けが主体だ。

 2021年のXR・360度動画対応のHMD機器の国内出荷台数をカテゴリー別に見ると、モニターやバッテリーが内蔵され、Wi-Fiに接続して使用するスタンドアロン型の出荷台数が28万5,000台、ゲーム機に有線接続して使用するゲームコンソール型の出荷台数が25万2,000台となった。2018年に米Oculus(現Meta)が発売した「Oculus Go」以降、HMD市場はスタンドアローン型を中心に普及している。

本格的な普及は2023年以降の予測

 VR向けHMDは現在、市場をリードする有力な主力製品が不足しており、法人向けとコンシューマー向け共に、本格的な普及は既存製品の世代交代が予定されている2023年以降になる予測だ。AR、MR向けスマートグラスについては、2022年にいくつかの新製品が市場に登場し、2023年には本格的な普及が始まると見込んでいる。

 XR向けアプリケーション・コンテンツは、2021年に続いて、企業向けでは教育・研修分野、コンシューマー向けではVRゲーム、動画配信を中心に市場拡大が続くと予測している。今後はオンライン上に3DCGで構築された仮想空間「メタバース」関連の動きにも注目が集まる見通しだ。以上を踏まえ、2022年のXR・360度動画対応のHMD機器の国内出荷台数は前年比微減の70万8,000台を見込み、2023年の同出荷台数は前年比161.3%の114万2,000台と予測している。

製造業を中心にデジタル投資の抑制が懸念

Platform

 IDC Japanは、クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャルの四つの主要技術から構成される技術プラットフォームと、ハードウェア、ソフトウェア、サービス、通信サービスが含まれる第3のプラットフォーム市場の国内における市場予測を発表した。

 2022年の国内の第3のプラットフォームの市場規模は、前年比成長率4.3%の20兆2,479億円と予測している。理由として、困難な状況から迅速に回復する能力「レジリエンシー」を強化するためのデジタル投資が継続するものの、ロシア・ウクライナ問題に起因するサプライチェーンの混乱や円安の進行の影響を受ける製造業を中心に、デジタル投資を抑制する企業の登場が考えられることが挙げられる。

 ロシア・ウクライナ問題を契機として、自動車製造業を中心にロシアの工場の操業停止が相次いでいる。国内の製造工場においても、ロシアへの依存度が高いレアアースや天然ガス/原油の価格が高騰する見込みだ。エネルギーや原材料の高騰は、全ての産業の事業に影響を及ぼす恐れがある一方、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけにデジタルの重要性が高まったように、多くの企業がデジタルを活用して回復力や安全性への意識をより高めるきっかけになる可能性がある。これを踏まえ、2026年の市場規模は24兆3,883億円に達し、2021〜2026年の年平均成長率は4.7%と予測している。

就業管理市場はSaaSが拡大の見込み

Employment management

 アイ・ティ・アールは、国内の就業管理市場の規模推移と予測を発表した。
 就業管理市場の2020年度の売上金額は228億円で、前年度比9.1%増と近年ではやや低い伸びとなった。背景には、厚生労働省が2019年4月に施行した時間外労働の上限規制などを義務付けた法律「働き方改革関連法」への対応に伴う既存システムの刷新が落ち着いたことに加え、コロナ禍により案件が先送りになったことが挙げられる。その一方で、在宅勤務の定着による新規案件の増加と既存システムの強化の動きが市場の伸びを後押しし、2021年度は2020年度を上回る前年度比13.6%増、2020〜2025年度の年平均成長率は10.8%になると見込んでいる。2025年度には市場規模が380億円に達する予測だ。

 就業管理市場をパッケージとSaaSの提供形態別で比較すると、パッケージ市場はほぼ横ばいで推移するのに対し、SaaS市場は着実に拡大していくとみている。内訳としては、市場の主要ベンダーがSaaSでの提供に注力しており、2020年度の同市場はSaaSが全体の6割強を占めている状況だ。2025年度には占有率がさらに拡大し、8割近くに達する見込みだ。以上を踏まえ、就業管理のパッケージ市場の2020〜2025年度の年平均成長率は0.2%の予測に対し、SaaS市場の2020〜2025年度の年平均成長率は15.5%を予測している。

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