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製造業での活用が期待されるローカル5Gソリューション市場

製造業での活用が期待されるローカル5Gソリューション市場

2022年04月06日更新

ローカル5Gは製造業での活用に期待

Local 5G

 矢野経済研究所は、国内のローカル5Gソリューション市場の予測と普及動向を発表した。
 同社は2030年度のローカル5Gソリューションの市場規模を、650億円と予測している。背景には、2025年度以降、製造業や工場現場を中心に建設、医療、スマートシティといった分野でローカル5Gの実装が本格化される見込みがある。ローカル5Gソリューション市場は2020年度から立ち上がったが、コロナ禍の影響でプロジェクトが休止や延期・順延になるなど、テスト導入や実証実験/PoCの段階で止まった。2021年度もPoC主体である点は変わらないが、徐々に実装段階のプロジェクトも立ち上がっている。

 今後は、製造業でのローカル5Gの活用が見込まれる。理由として、製造業でAIやIoTなどのデジタル技術を活用して生産の効率化を図る「デジタル工場」への取り組みが注目されていることを挙げている。デジタル工場化にあたってポイントとなるのが、現実世界の多様なデータをセンサーネットワークなどで収集し、サイバー空間で大規模データ処理技術などを用いて分析するシステム「Cyber-Physical System」(CPS)の実現だ。CPSを実現するためには、大量なデータの収集・処理を可能とするローカル5Gの活用が肝要だと矢野経済研究所は指摘している。

 現状、ローカル5Gはローカル5G免許を取得した大手ITベンダーを中心に開発が進んでいる。当面は各ベンダーの自社工場や事務所などで実証実験/PoCを中心にユースケースを蓄積し、その後に商用化や外部への実装が増加する見込みだ。

工場IoTの5G化に注目

 工場現場では、すでに多様なIoTソリューションが活用されている。工場内の既存のIoTソリューションを5Gネットワークに置き換えることで、従来の4G/LTEベースでは実現が難しかった大量のデータの収集や画像ベースでトータルに品質を保証するモニタリングなどが実現すると考えられる。そのため、製造/工場向けのローカル5Gでは、既存のIoTを更新する過程でローカル5Gを含めた5G型IoTが普及する可能性が高い。また用途によっては、運用開始時からローカル5G仕様の工場となるケースも想定できる。

 しばらくの間は工場でのさらなるIoTの普及が優先されるが、2025年ごろには工場のIoT活用も本格化し始めるとみられる。加えて、同時期に5Gベースの工場のIoTソリューションも登場すると矢野経済研究所は分析している。

セキュリティソフトウェア市場は拡大へ

Security

 IDC Japanは、国内のセキュリティソフトウェア市場の予測を発表した。同社は、セキュリティソフトウェア市場を「アイデンティティ/デジタルトラストソフトウェア」「エンドポイントセキュリティソフトウェア」「ネットワークセキュリティソフトウェア」「サイバーセキュリティ分析/インテリジェンス/レスポンス/オーケストレーション」(CAIRO)「その他のセキュリティソフトウェア」のソフトウェア群に分類して市場を定義している。

 2021年のセキュリティソフトウェアの市場規模は、前年比成長率14.8%の3,585億3,800万円になると予測している。背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大でビジネスバイヤー/消費者のデジタルシフトが進み、従業員が利用するクライアントデバイスのマルウェア感染や、企業システムへのセキュリティ侵害などのリスクに対する警戒感が強まったことがある。また、インターネット経由での企業システム利用やクラウドサービスへのアクセスが増加し、エンドポイントセキュリティやID管理の厳格化によってアクセスコントロールを実現するアイデンティティ/デジタルトラストソフトウェアへのニーズが高まっていることも理由の一つとして挙げている。

 今後も企業のDX推進によるデジタルシフトや、新型コロナウイルス感染症が終息した後のハイブリッドワークの進行などにより、セキュリティソフトウェア市場の拡大は継続する見込みだ。以上を踏まえ、2020~2025年の年平均成長率は10.5%、2025年の市場規模は5,138億6,000万円になると予測している。

導入が進むローコード/ノーコード開発

Low Code / No Code

 アイ・ティ・アールは、ローコード/ノーコード開発市場の国内での規模推移と予測を発表した。

 ローコード/ノーコード開発市場の2020年度の売上金額は515億8,000万円で、前年度比24.3%増となった。背景には、市場に影響力のあるベンダーの売上の成長が市場をけん引したことがある。市場拡大の大きな要因として、経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート」がある。同省は、企業でDXが推進されず、複雑化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、2025年以降に最大年間12兆円の経済損失が生じるとされる予測「2025年の崖」を指摘している。こうした予測への危機感を背景に、企業では既存システムの刷新が急務になっている。多様なニーズや急激なビジネス環境の変化への迅速な対応を目的に、ローコード/ノーコード開発に対する注目度が高まったのだ。

 ローコード/ノーコード開発は、最小限のコーディング、もしくはコーディングが不要という特性によって、高品質ながらメンテナンスが容易なアプリケーションの開発が行えるメリットがある。加えて、内製化によって開発コストの大幅な削減にも寄与することから、今後もローコード/ノーコード開発の導入が進む見込みだ。以上を踏まえ、同市場の2020~2025年度の年平均成長率を24.4%と予測している。

 アイ・ティ・アール プリンシパル・アナリスト 甲元宏明氏は、ローコード/ノーコード開発市場の今後の動向について「DXや業務改革/改善に適していることから、今後も同市場はさらに成長すると考えられます」と予想している。

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