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ハイブリッドな「Azure Stack HCI」でDX&システム刷新

ハイブリッドな「Azure Stack HCI」でDX&システム刷新

2021年11月29日更新

ハイブリッドなHCIでDXを推進
「Azure Stack HCI」

企業システムの多様化と細分化が進み、「オンプレミスorクラウド」という2択だけでは対応が難しくなってきている。クラウドの利便性は高いものの、コストなどの懸念やシステム運用規制の問題からオンプレミスだけを利用している企業も少なくない。そうした中で、オンプレミス側のフットプリントを最適化するための有力な選択肢となっているのが「Hyper-Converged Infrastructure」(HCI)だ。今回はHCIの中でもAzureとの連携を強化し、容易なハイブリッド環境の構築を実現する「Azure Stack HCI」を紹介する。

専用OS&最小構成2ノードに対応

日本マイクロソフト
Azureビジネス本部
マーケットデベロップメント部
プロダクトマネージャー/Azure SME
佐藤壮一 氏

 日本マイクロソフト Azureビジネス本部の佐藤壮一氏は、Azure Stack HCIの変遷をこう説明する。「Azure Stack HCIの前身に、Microsoft Azureのソフトウェアスタックを汎用のハードウェアやアプライアンスの中に詰め込み、小さなAzure環境が作れるソリューション『Microsoft Azure Stack』(現名称「Azure Stack Hub」)があります。さまざまな用途で活用されている製品ですが、価格が高く専用の運用スキルが必要とされることから中小企業などでは導入が難しいという課題がありました。そこでパブリッククラウドのAzureを管理プレーンとして利用する前提で、Windows ServerをベースとしたAzureのサービスとして提供される専用OSを汎用サーバーを基にしたソリューションとして、時代に即したハイブリッドクラウドを実現するものとして登場したのがAzure Stack HCIです」

 Azure Stack HCIの構成について、佐藤氏は次のように説明する。「HCIだと基本的に3ノード、条件付きで2ノードから提供しているケースが多いですが、Azure Stack HCIではよりフットプリントを小さくするために、2ノードからサポートしています。スタンドアロンのサーバーの場合、万が一破損や再起動が起こった場合、その上で稼働しているVMやコンテナアプリケーションが全部ストップするリスクがあります。2ノードから対応したことで、コストを下げつつハードウェアの冗長性も担保できる設計になっています」

 ストレージの部分では「多重ミラーリング」に対応している点にも注目したい。通常のミラーリングでは2台のHDDに同じデータを保存する。この場合、1台HDDが破損すると、片方のサーバーを再起動しようとしてHyper-VのVHDやVHDXファイルなどを格納する「ボリューム」が全てダウンするリスクがある。多重ミラーリングでは二つのコピーデータをさらにミラーリングするため、2ノードでもHDDを止めない設計を採用している。

 さらに大きなポイントとして、佐藤氏は「以前のバージョンのWindows Server 2019ベースの旧Azure Stack HCIと比較して、新たに開発したAzure Stack HCI専用のOSを採用し、Azureとの統合をより強めています。強豪のクラウドベンダー側でもハイブリッドクラウド環境の構築に取り組み始めていますが、専用OS搭載によってクラウドとOSの連携をサポートするという意味では、大きな差別化要素になるかと思います」と話す。

コンテナ環境の構築・管理にも対応

 国内企業では動作の軽快さやシステム構築スピードの迅速さ、外注コスト削減などのメリットから、システムの内製化が進むと同時にコンテナ活用が広がっている。

 そうしたコンテナ管理をサポートするのが、5月25日に一般提供を開始した機能「AKS on Azure Stack HCI」(以下、AKS on Azure)だ。AKS on Azureでは、Kubernetesを容易に管理できる「Azure Kubernetes Service」(AKS)を利用して、コンテナ化されたアプリケーションの構築および管理を行える。

 AKS on Azureのメリットについて「従来型のHCIの場合、5~7年はハードウェアを利用する傾向にあります。その間、クラウドや仮想化技術は進化し続けており、オンプレミス環境ではそうした機能更新に対応するのが難しいのです。Azure Stack HCIはメンテナンスフリーに近い形で毎年システムの更新ができ、AzureのPaaSソリューションやコンテナ上のアプリケーションなどを動かせます。今すぐクラウドネイティブなシステムを構築する予定がなくても先に未来買いしておくことで将来コンテナ運用を行う場合にも対応できるのです」と佐藤氏は説明する。

 それでは、今後のDXを見越して、どのような販売シナリオが提案できるのか。佐藤氏は、「『Industry DX』という観点で言及すると、今後さらにAIやIoTとの連携、ローカルプライベート5Gの需要が推進するでしょう。そこにコンテナ技術を活用することで、既存のハードウェアに組み込むよりも容易にシステム環境を構築・運用可能です。最小構成2ノードで使い始められる点も使い勝手の良さをアピールできるでしょう。インダストリー分野で開発環境の内製化を検討している企業さまやパートナーさま、コンテナベースのアプリケーション管理を検討されている企業さまに有効なソリューションです」と話す。

 コンテナ運用を検討する上では、アプリケーション開発環境に関しての懸念を抱えているためにHCI導入に二の足を踏んでいるケースについても考慮しておきたい。例えば、日本語のドキュメントで開発環境を構築するのに慣れている場合、全て英語のドキュメントでコンテナのテスト環境を構築・管理するとなると、運用の敷居が高くなる。

 そうした開発工程で生じる懸念も、AKS on Azureによってサポート。「AKS on Azureはテスト用にシングルノードのWindows Server上にも展開できる手順を日本語のドキュメントで公開しています。これにより、Kubernetesを開発者や運用管理者の手元のオンプレミス環境でも容易に使えます。アプリケーションの開発チームと運用チームが協力することで迅速かつ柔軟なサービス提供を行う仕組みであるDevOpsを考える場合など、広範囲に役立つソリューションとして提供できます」(佐藤氏)

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