メディアリテラシーとは
メディアリテラシーとは、以下を構成要素とする複合的な能力のことです。
- メディアを主体的に読み解く能力
- メディアにアクセスし、活用する能力
- メディアを通じコミュニケーションする能力、特に情報の読み手との相互作用的(インタラクティブ)コミュニケーション能力
総務省HPより引用:放送分野におけるメディアリテラシー
WebやSNSの普及により誰もが簡単に情報の受信・発信ができるようなった現代において、今まで以上にメディアリテラシーが求められるようになりました。その中で発信者のメディアリテラシーとして、情報の質と信頼性に深く関わってくるのが「文章のトンマナ」です。
トンマナとは
トーン&マナーの略称で、文章だけでなく、デザイン(表現)に一貫性を持たせるためのルールです。それぞれの言葉には「tone=色調」「manner=様式」という意味があります。もともと広告や出版業界で使われていた言葉でしたが、現在ではWebデザインやマーケティング、企業のブランド戦略などさまざまな分野で用いられています。
色調やフォント、文章の書き方などを一定のルールで統一し、適切な言葉や表現を選ぶことで全体の印象を一貫させます。これにより、読者や消費者は情報を理解しやすくなり、企業やブランドに対する信頼性や説得力の向上につながります。
トンマナの重要性
トンマナを決めることで、情報の発信者は伝えたい世界観をつくることができ、情報の受信者は求める情報を違和感なく取得することができます。つまり相手に対して正確なメッセージが届けやすく、ブランディングとしても定着されるようになります。さらに、トンマナが定まっていると全体的な世界観がぶれにくく、ルールに沿って文章を書くことができるので、効率的に作業が進むというメリットがあります。
トンマナを決めるコツ
トンマナを決めるコツについて、大きく3つに分けて紹介します。
- だれに
トンマナを決めるうえで重要なのが、「だれに」情報を伝えるかを理解することです。
ターゲットが子どもなのか大人なのかでトンマナが大きく異なります。さらに、大人とひとくくりにしても年齢や性別、趣味などによっても最適なトンマナは異なります。 - なにを
「だれに」と同じくらい重要になるのが、「なにを」伝えたいのかを明確にすることです。
たとえば「子どもと一緒に作りたいレシピ」をコンセプトにした場合、やさしさや親しみやすさを重視したトンマナを設定する、などのようにコンテンツの中身に合ったトンマナを設定することが大切です。 - どのように
「だれに」「なにを」伝えるかが絞り込めたら、それを「どのように」伝えたいのかを考えます。
専門的で硬い印象にしたいのか、カジュアルでフレンドリーな印象にしたいのか、与えたい印象に合わせてトンマナを決めていきましょう。
文章のトンマナ作成のポイント
表記ルール
文章のトンマナにおいて、まずはじめに決めておきたいのが表記ルールです。
- 漢字やひらがな
- アルファベットの使い分け
- 算用数字と漢数字の使用方法
このように表記のゆれが生じる可能性があるものは、統一するルールを決めておきましょう。特に複数人でコンテンツを作成する場合は、決まったルールを共有することで一貫性と質の高い文章になり、読みやすい文章を作ることにつながります。
文体
文体はそのメディア(発信者)の個性を表します。決めておきたいポイントは以下のとおりです。
- 「です、ます調」「だ、である調」
- 「口語(話し言葉)」「文語(書き言葉)」
これらの表現が混在してしまうと非常に読みにくい文章になってしまうので、どういった文体にするのかをしっかりと決めておきましょう。
使用禁止用語
文章を作成するうえでは、使用禁止用語を決めておくことも重要です。ブランドイメージにそぐわない表現を使用することで、イメージ低下に繋がる可能性や信用性にも大きく関わります。
表現の例として、以下のようなことが挙げられます。
- 差別的表現
- 誇張表現
- 一般的なモラルに反する表現
- ジェンダー問題についての表現
文字数
文字数はターゲットや掲載する場所によって設定します。たとえば、スマートフォンでの閲覧が多い場合は、一文あたり40文字〜50文字程度の少し短めに収めるなど、環境にフォーカスしても良いでしょう。本文の長さ以外にも、以下のような構成ごとに文字数を決めておくとさらに質の高い文章になります。
- タイトルの文字数
- ディスクリプションの文字数
- キャプションの文字数
まとめ
今回は文章のトンマナの重要性や決め方について解説しました。文章のルールを決めると聞くと、少し難しいイメージを抱きがちですが、私たちの身近なものにはたいていトンマナが存在しています。トンマナを意識しながら、たくさんの文章を読んで分析してみるのも良いかもしれません。読者に「信頼できる情報である」と伝えるために、また適切なブランディングをおこなうために、戦略やアイデンティティと一致したトンマナを作りましょう。