企業が取り扱うデータ量が増加したことで、ストレージの柔軟な拡張が可能な仮想化システムの利用が拡大している。それに伴い、物理サーバーの高機能化やデータの高容量化が進んでいる。そのため停電などの際、バックアップ完了まで物理サーバーを長く稼働させることや、バックアップ完了後にはシステムを安全に停止させることが必要だ。そうした課題を解決するのが、オムロン ソーシアルソリューションズが提供する「オムロンUPS仮想化ソリューション」だ。オムロンUPS仮想化ソリューションは、UPS、ネットワークカード、ソフトウェアで構成されている。今回は、4月8日発売予定のUPS「BN300RA」「BN150RA」、ネットワークカード「SC22」、仮想化環境専用自動シャットダウンソフト「VirtuAttendant」を紹介する。

オムロンUPS仮想化ソリューション

長時間のバックアップ運転を支えるUPS

 BN300RA・BN150RAは、制御回路が停止したときでも、接続機器へ電力供給を継続できる「無停止バイパス」機能を備えたUPSだ。BN300RA・BN150RAがデータ保護に最適な特長は、二つある。

 一つ目が、出力容量の向上だ。従来機種「BN-Rシリーズ」と比べ、BN300RAは5%、BN150RAは10%の出力容量の向上を見せている。そのため、消費電力の大きい仮想サーバーやストレージといったさまざまな情報機器の電源保護が可能となっている。二つ目が、長時間の電力供給だ。BN300RAは最大2,500Wまで対応し、最大4台までの増設バッテリーユニットを接続できる。長時間の電力供給を実現したことで、停電の時でもシステムの稼働を維持する。長時間のバックアップ運転を行えるのに加え、データのバックアップ完了後にシステムを安全にシャットダウン可能だ。データのバックアップを確実に行うことで、事業継続を脅かさない。

 サーバーといった機器の電源二重化が必要なときは、4月8日発売予定のBasic PDU「R6174Q12」「R6176Q12」「R6202Q12」「R6921Q12」を活用すると良い。R6174Q12・R6176Q12がBN300RAと、R6202Q12・R6921Q12がBN150RAと接続検証済みだ。接続検証済みのUPSとセットで利用することで、3年間の本体保証と接続検証済みのUPSと同等の保守・保証サービスを検討している。

 これらBasic PDUには、プラグの誤抜を防止する特長が備わっている。100V仕様の差込口は、全て接続したプラグを回転させることで抜け止めとなる抜止式差込口となっている。さらに200V仕様の差込口は、各メーカーの汎用プラグを差し込むだけで抜止ロックがかかり、誤抜を防止するロック機構が内部に備わっている。

VirtuAttendantの停止テスト機能の画面。GUI上のワンクリックで仮想マシンのみをシャットダウン可能だ。

電源管理用の別サーバーとUPSが不要に

 SC22は、ネットワーク経由でUPSの監視を可能にするネットワークカードだ。後述の仮想化環境専用自動シャットダウンソフトなどと連携することで、電源異常時にUPSや仮想化環境をシャットダウンしたり、再起動したりできる。電源管理用の別サーバーや別サーバー用のUPSの保守が不要になり、ハードウェアコストの削減につながるのだ。

 VirtuAttendantは、設定・動作テストの負担を軽減する仮想化環境専用自動シャットダウンソフトだ。仮想マシンのシャットダウンシーケンスの容易化・設定シーケンスのシミュレート機能・GUI上で行える仮想マシンの停止テスト機能によって、設定・動作テストに要する工数を低減する。ハンズオンも可能なため、導入前に操作イメージを体験できる。

 オムロンUPS仮想化ソリューションを活用することで、仮想化システムに最適な環境を容易に構築できる。仮想化システムを構築し、業務の成長に合わせたストレージ装置の増強や記憶領域の分割を柔軟に行おう。