採用業務を一元管理して負担を軽減したい

2025年には、国民の5人に1人が75歳以上の後期高齢者となる超高齢化社会を迎える。高齢化社会が進行することによって、労働人口の不足が深刻化している。深刻な人材不足の中で、優秀な人材を確保するために、企業間の求人競争も激化しているのだ。そうした背景を踏まえ、採用業務の負担を軽減する採用管理システムを提案する。

採用業務における三つの課題

 まずは企業の採用業務における課題をおさらいしたい。

 一つ目が、応募者の情報の集約に時間と手間がかかることだ。応募者の情報の集約はExcelなどで行っているケースが多く、手入力であるために情報の集約や選考進捗の管理に時間がかかりがちだ。Excelでの集計は応募者の情報が点在しやすく、応募者の情報を管理・一元化しにくいのも難点だ。その結果、採用担当者のチームの中でも情報共有に漏れが生じることが予想される。

 二つ目が、連絡業務だ。応募者一人ひとりとのメール連絡や、面接官を含めた面接スケジュールの調整など、さまざまな連絡業務が採用業務には存在する。そうした連絡業務を採用担当者が個別に行っている場合、人手を確保するための採用活動の初歩段階で多くの時間がかかってしまう。

 三つ目が、採用担当者の業務量だ。前述した課題が採用業務において生じていることに加えて、採用担当者は労務、教育などの業務も兼任していることがある。そのため、採用担当者が業務過多となっているケースも考えられるのだ。

 こうした課題を解決し、採用業務を効率化するためにも、採用業務を一元管理して、採用担当者の負担を軽減するツールが求められている。

応募者の面接スケジュールを容易に調整

 採用担当者の負担を軽減するにはどのようなツールが必要だろうか。求められる機能をチェックしていこう。

 業務負担が大きい採用担当者のためにも、面接スケジュールの調整に手間がかからないソリューションが必要だ。社内で利用しているカレンダーと連携することで、面接官や会議室の予定を確認しながら、応募者の面接スケジュールを容易に調整できる。

 人材を効率よく確保するためには、自社の採用力を向上させることが近道となるだろう。そのためには、採用に関するレポートを自動作成するサービスが有用だ。応募経路別や求人別、採用コストといった採用に関するレポートを自動生成する。レポートとして採用に関するデータを可視化することで、応募者や内定者の増加につなげる改善活動を行いやすくする。

 高度なカスタマイズ性を備えていれば、自社の業務に合わせてシステムを細かく調整可能だ。権限を設定することで、データの共有範囲、操作権限を調整できる。さらに、外部ツールとも連携できれば、高い親和性でもって既存ツールと採用管理システムを組み合わせて、今後の採用管理に生かせるだろう。

 今回はパーソルプロセス&テクノロジー、ビズリーチ、ゾーホージャパンに製品を提案してもらった。

カレンダー連携によって日程調整を容易に

HITO-Linkリクルーティング

パーソルプロセス&テクノロジー
初期費用:35万円
ライトプラン:5万円/12カ月(年間エントリー上限数3,000名)

 大手求人媒体だけでなく、業界特化型やエリア特化型の求人媒体とも連携可能な採用管理システム「HITO-Linkリクルーティング」を提案する。

 HITO-Linkリクルーティングは採用情報を一元管理することによって、採用業務を効率化する。新卒・中途・アルバイトといった複数の採用領域の管理が可能だ。複数領域の管理に対応した柔軟な選考フロー・評価項目・管理項目の設定ができるため、採用業務の効率化を実現する。さらに、約50種類以上の求人媒体からの応募データを自動取込できる。自社の採用チャネルが多様化しても、管理工数が増えることなくシンプルに管理できる。

 HITO-Linkリクルーティングは採用進捗の確認も容易だ。リアルタイムで応募者の進捗状況が更新されるため、更新漏れによるトラブルを防止する。さらに、進捗状況の確認をしながら、合否を確定したメールを送付するといった一括操作も可能だ。

 応募者の希望日を基に、社内カレンダーで面接官や会議室の予定を確認しながら、面接日程を調整するのは時間と手間がかかる。HITO-Linkリクルーティングは、OutlookカレンダーやGoogle カレンダーといった社内で利用しているカレンダーと連携することで、面接日の日程調整を容易にする。面接日の日程調整方法は、採用担当者がシステム上のカレンダー画面から面接日を確定させる方法、応募者が最大3枠の面接枠から予約する方法、応募者が設定された複数の面接日を選択する方法の三つの方法で可能だ。さらに、ZoomやTeamsといったWeb会議ツールとも連携することで、Web面接のURLの発行・送付を自動化する。

 社内利用カレンダーやWeb面接ツールと組み合わせることで、面接日程の調整を容易にするクラウドサービスだ。

採用に関するレポートを自動作成

HRMOS採用

ビズリーチ
11万円〜/月

 採用サイトや求人票を作成できるツールを備えるクラウドサービス「HRMOS採用」を提案する。

 HRMOS採用は、候補者とのやりとりや面接官との面接日程調整、人材紹介会社への一斉連絡といった連絡業務を一つの画面で行える。さらに、メールのテンプレートも用意されている。これらの機能を活用することで、採用における連絡業務を効率化するのだ。

 候補者の職務経歴書、評価情報、メール履歴といった候補者の情報もHRMOS採用は一元管理可能だ。採用業務を効率化することで、選考スピードを向上させて内定数を増やすだけではなく、内定辞退数を減らすことにつなげられるのだ。

 HRMOS採用は採用に関するレポートを自動作成する。応募経路別、求人別のレポートから、採用コストといった採用に関するさまざまなデータを可視化する。例えば、求人媒体ごとの選考通過率や辞退者数などを可視化し、辞退・内定理由を蓄積・分析することで、自社の採用傾向が分かる。結果として、応募者や内定者の増加につなげる改善活動を行えるのだ。

 採用後の業務もHRMOS採用は効率化する。HRMOSシリーズを併用することで、HRMOS採用で管理していた候補者情報が人財活用システム「HRMOSタレントマネジメント」の人事システムに、氏名や職務経歴書といった情報が自動で登録される。採用と入社後の情報がつながることで、人材配置や業務のアサインを行うときに、入社前の経歴・スキルからも検索ができるようになる。採用後のオンボーディングや入社後のデータを登録する手間をなくせる。

 採用業務を一つの画面に集約して効率化するだけでなく、採用に関するさまざまなデータを可視化する求人別レポートの生成も可能なクラウドサービスだ。

さまざまなツールとの連携が可能

Zoho Recruit

ゾーホージャパン
スタンダード:3,000円/月

 候補者のステータスに応じて関係者にメールの自動送信や、候補者の属性に応じて担当者を自動で割り当てることで、採用業務の自動化を支援する採用管理システム「Zoho Recruit」を提案する。

 Zoho Recruitは、候補者の情報や採用担当部署、面接日程などの採用に関わるデータをクラウド上に集約する。履歴書や職務経歴書などの関連ファイルや、候補者と採用担当が送受信したメールといった情報も集約できる。採用に関わる候補者の情報を一元管理することで、候補者の情報の検索や、管理にかかる工数の削減につながるのだ。

 Zoho Recruitは高度なカスタマイズ性を備えている。自社の業務に合わせた項目の追加や、権限を設定してデータの共有範囲・操作権限を制御できる。加えてさまざまな製品との連携も可能だ。ほかのZoho製品や、Google Workspace・Slackといった外部ツールとも連携できる。Google Workspaceと連携すればカレンダーや連絡先の同期ができ、Slackと連携すれば候補者のデータの共有や面接などのリマインダーを利用可能だ。

 自社の採用力を高めるために、自社の採用傾向を分析することは重要だ。Zoho Recruitは、採用プロセスを分析できる機能を備えている。欠員補充に要する時間、採用に要する時間、求人年齢、内定同意率といった四つの重要な採用指標を一つの画面で可視化する。さらに、データを集約し、分析、可視化するBIツール「Zoho Analytics」と連携することで、候補者、連絡先、求人情報といった採用に関わるデータを横断的に取得したレポートやダッシュボードを作成できる。

 採用に関わるデータを一元管理し、さまざまなサービスとの連携ができるクラウドサービスだ。

※価格は全て税込