Azure OpenAI Serviceを使って業務改善!

今回は、言語AI学習プラットフォーム「Azure OpenAI Service」をどのようにビジネスに役立てられるのかという疑問に答えていきます。Azure OpenAI Serviceの導入シナリオを検討し、中小企業の生産性向上につなげましょう!

AIは中小企業の生産性向上の起爆剤となるか

 日本では従来から、労働生産性の低さが指摘されています。日本商工会議所でも、労働生産性に関して「人手不足の状況および従業員への研修・教育訓練に関する調査」と題し調査を行っています。同調査によると、日本の大企業と比べて中小企業の労働生産性は3分の1にとどまっています。また、日本では労働人口の減少も相まって、AIに対する期待はすでに大きなものとなっています。マイクロソフトが定期的に実施している働き方動向調査 「Work Trend Index」※1では、日本企業の62%が「自分の仕事量を減らすために、できるだけ多くの仕事をAIに任せたいと考えている」と回答しています。また、「職場のAIの価値について最も重視することは何か」という質問に対して、「従業員の削減」よりも「従業員の生産性向上」を選ぶ傾向が約2倍高くなっており、AIを活用した生産性向上への期待の高さが伺えます。

 オープンソースの「Azure OpenAI Service」はMicrosoft Azure上で実行できる言語AI学習プラットフォームで、OpenAIとマイクロソフトの共同開発によって生み出されました。Azure Open AI ServiceはAzureユーザーが利用でき、次の四つのコンポーネントで構成されています。


1.事前トレーニング済みの生成AIモデル
2.カスタマイズ機能、独自のデータを使用してAIモデルを微調整する機能
3.ユーザーが責任を持ってAIを実装できるように、有害なユース ケースを検出して軽減するための組み込みツール
4.Role Based Access Control(RBAC:利用者に割り当てた役割の「ロール」ごとにアクセス権限を付与する方式)とプライベートネットワークを使用したエンタープライズレベルのセキュリティ

※1の「Work Trend Index」
のページはこちら!

 少し詳しくご紹介しますと、Azure OpenAI Serviceでは「GPT-4」「GPT-3」「Codex」などの高度な言語AIをお客さまに提供しています。これらのモデルは、特定のタスクに合わせて簡単に調整できます。言語AIはテキストを生成したり理解したりする能力が非常に高度になってきています。例えば、文章の要約や翻訳、質問応答や対話など、さまざまなタスクをこなすことができます。また、Azure OpenAI Serviceを使用すると、お客さまはOpenAIで提供しているものと同じ言語AIを実行しながら、ロールベースの認証やプライベートネットワーク接続などのセキュリティ機能を有効化し、データを完全に制御しながらAIモデルのトレーニングが可能です。

出典:日本商工会議所「人手不足の状況および従業員への研修・教育訓練に関する調査」(2022年4月27日)
出典:Microsoft「Work Trend Index Annual Report:Will AI Fix Work?」(2023年5月)

Azure OpenAI Serviceの有用性

 さて、Azure OpenAI Serviceでどんなことが実現できるのでしょうか? テキストプロンプトでインタラクティブなやり取りをする「ChatGPT」を使ったチャット以外の活用例として、以下のようなことが実現可能になります。

 一つ目は、コンテンツ生成です。お客さまからの問い合わせに対する回答の自動生成や、会社のWebサイト用にパーソナライズされたUIを生成できますし、ブログやSNSなどのコンテンツの自動生成が可能です。二つ目は、翻訳や要約です。コールセンターにおける会話ログの要約や技術文書などの専門文書の要約を行えます。また、SNSのトレンドの要約もでき、お客さまの動向を掌握も可能になります。三つ目は、コード生成です。プロンプトに自然言語で指示した内容からノーコードでプログラムコードを生成できます。四つ目は、セマンティック検索になります。Azure OpenAI Serviceを利用することで、キーワードだけでなく、質問や要求に対しても適切な回答や文書を返せるようになります。

 Azure OpenAI Serviceを使用することで、お客さまはビジネスにおけるさまざまな課題を解決したり、新たなビジネス価値を創出したりできるでしょう。ぜひ、パートナー企業の皆さまのソリューションやサービスに組み込んでいただき、お客さまの生産性向上につながる新たなソリューションを創出していきましょう。