一辺わずか約10センチのマザーボードで
手のひらサイズのコンパクトなPCを提供

インテル
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呉 孝展(Wu, Joe)

 インテルの純正デスクトップPCである「NUC(Next Unit of Computing)」は、今から10年前の2013年より販売が続けられている歴史のある製品だ(製品の発表は2012年)。しかもNUCにはバリエーション豊かなモデルがラインアップする。その中で発売当初よりラインアップしているのが、手のひらサイズのミニPCだ。

 NUCにはインテルが開発したマザーボードの規格である「UCFF(Ultra Compact Form Factor)」が採用されている。多くのミニPCが採用している「Mini-ITX」のマザーボードが一辺17センチの正方形であるのに対して、UCFFは一辺がわずか約10センチ(4インチ)の正方形と非常にコンパクトな設計となっている。

 NUCにはミニPCだけではなくミニタワーやラップトップもラインアップするほか、カセット型のコンピューターである「NUC Compute Element」なども用意されている。いずれのモデルにもUCFFに準拠した非常にコンパクトなマザーボードが搭載される。

 またNUCはマザーボードとCPU、筐体で構成されるベアボーンで提供されるほか、UCFFに準拠したマザーボード単体で購入することもできる。ベアボーンの場合はメモリーやストレージは別売りとなるほか、電源コードもオプションとなる。

小さな筐体に拡張ポートがてんこ盛り
10年以上にわたる販売実績で高い信頼性を証明

 数多くのPCメーカーがさまざまな製品を提供している中で、NUCを選択するメリットは何だろうか。最初に思い浮かぶのが「インテル純正」というブランド力だろう。コンピューターの頭脳であるCPUやチップセットのグローバルトップメーカーのインテルが自ら設計・開発したということで、NUCに高い品質と信頼性を期待することだろう。この信頼性や品質について、NUCはユーザーの期待を裏切らない。

 NUCのミニPCモデルは筐体が手のひらサイズで非常にコンパクトであるにもかかわらず、筐体の前面と背面には拡張ポートがてんこ盛りで装備されている。「薄軽」を突き詰めたノートPCでは本体にUSB Type-Cポートが一つだけしか装備されない製品もあり、機器の接続に苦労することがある。これに対してNUCのミニPCにはタワー型のデスクトップPCと同等以上の数の拡張ポートが装備されており、あらゆる用途で活用できる。

 また国内のNUC販売代理店によると、10年以上にわたってNUCを取り扱ってきた中で、初期不良や故障が非常に少なかったという。ベアボーンのNUCにオプションで搭載されたメモリーやSSDなどのストレージに初期不良が生じたり、故障したりすることはあるが、NUC自体にトラブルが生じることは非常に少なく、NUCの品質と信頼性の高さを証明している。

手のひらサイズのコンパクトな筐体を持つNUCのミニPCモデル。筐体には拡張ポートが豊富に装備されている。
「インテル純正」はNUCの魅力の一つだ。写真の通りパッケージにはインテルのロゴが表記されている。
NUCにはミニPCのほかにタワー型のデスクトップPCなどさまざまな製品がラインアップする。写真はゲーミングやワークステーションとしても利用可能な高性能モデルだ。

デジタルサイネージでの利用が急成長
アイデア次第で新たな商機を開拓できる

 NUCのミニPCは手のひらサイズのコンパクトな筐体のメリットを生かして、さまざまな用途で活用できる。インテルでNUCを担当する呉 孝展氏は「NUCは発売当初より産業領域での利用が多く、現在もグローバルで継続的に増えています。それに加えて近年は大手ファストフード店や小売店などで、デジタルサイネージでの利用も急成長しています」と説明する。

 そこでインテルはデジタルサイネージでの利用を促進するために「インテル® NUC ソフトウェア・スタジオ」をインターネットで無償提供している。インテル® NUC ソフトウェア・スタジオはデジタルサイネージ向けの管理ツールで、NUCの稼働状態を遠隔で監視できる機能や、複数のNUCとモニターを連携させて障害発生時に自動的にバックアップして表示を継続させる機能などがある。

 さらに第11世代以降のインテル® Core™ プロセッサーを搭載したNUCでは、1台で最大4台のモニターにそれぞれ異なる映像を4K/60Hzで出力(表示)できる。こうしたコストパフォーマンスの高さも、デジタルサイネージでの導入が急成長している理由の一つだろう。

 このほか国内でNUCを販売するパートナーによるとコールセンターのオペレーター用端末など、オフィスでのデスクワーク用途でさまざまな業種に導入した実績があるという。また店舗やクリニックの需要も多く、多店舗や多拠点で稼働するサーバーを管理するための端末として利用されているという。

 このようにNUCはアイデア次第でPCの新たな用途や活用方法を開拓でき、新たなビジネスチャンスを生み出すことが期待できる。

 なおグローバルで販売されているNUCは日本では販売代理店とそのパートナーを通じて顧客に提供されている。販売後のユーザーサポートは販売代理店が窓口となり、NUCのハードウェアに関する修理等はインテルが対応する。またNUCのベアボーン(マザーボード、CPU、筐体)モデルは3年間のメーカー保証が付帯する。