約50台のCisco Meraki MVシリーズを導入　～パシフィックネット～

パシフィックネットはPCやネットワーク機器などのハードウェアのレンタルからPCを導入する際のキッティングやIT機器の運用・保守の代行、ITインフラの構築、使用済みハードウェアの回収やデータ消去まで、ライフサイクル全体を網羅するサービスを提供している。さらに顧客のIT機器のライフサイクル全体における管理をサブスクリプションで受託する「ITサブスクリプションサービス」も提供している。同社はこれらのサービスの提供拠点の一つである東京テクニカルセンターと本社に、クラウドで一元管理が可能なシスコシステムズのセキュリティカメラ「Cisco Meraki MVシリーズ」を導入した。その目的と経緯を紹介する。

　パシフィックネットが提供するサービスはサービス拠点であるテクニカルセンターを通じて顧客に提供されている。そのテクニカルセンターは札幌、仙台、東京、浜松、名古屋、大阪、福岡の7カ所に展開しており、全国の主要都市にテクニカルセンターを展開することで顧客に密着した満足度の高いサービス提供できるという特長がある。

　さらに全てのテクニカルセンターで均一な高いレベルのセキュリティを実現していることも顧客からの評価につながっている。パシフィックネットで執行役員 未来戦略部 SI推進グループ担当を務める淺野典之氏は「お客さまはアウトソーシング先の企業やサービスを選定する際にセキュリティ対策を重視します。テクニカルセンターではお客さまの情報を扱うほか、回収したPCなどのハードウェアを保管しており、データが残っているものも存在します。またお客さまに納入するハードウェアにもキッティングによって設定などのデータが保存されています。これらお客さまの機密情報を守るために全てのテクニカルセンターで徹底したセキュリティ対策を講じています」と説明する。

　同社は物理とデジタルの両面でさまざまなセキュリティ対策を講じているが、中でも注目したいのがセキュリティカメラへのこだわりだろう。全てのテクニカルセンターで機器の保管と作業を行うフロアとオフィスの両方に死角が生じないようセキュリティカメラを数多く設置している。

　淺野氏は「フロア全体だけではなく全ての作業者の手元も録画しています。作業や管理の安全性や正確性には万全を期していますが、万が一ミスや事故が生じた場合、その現場を特定することで原因を究明でき、再発防止につなげてサービスの品質向上を図るためです」と説明する。

　最も規模の大きな東京テクニカルセンターには約50台のセキュリティカメラが設置されており、全ての拠点を含めて合計約100台のセキュリティカメラが稼働している。異なる拠点で多数のセキュリティカメラが稼働していることから、「録画データは各拠点のストレージサーバーに保管しているため、映像を確認するには現地に赴く必要がありました。また各拠点で運用するストレージサーバーの管理・運用に手間がかかり、障害が生じた場合に映像が記録されない恐れがあるなどのリスクも課題でした」と淺野氏は説明する。

　そこで同社は東京テクニカルセンターに設置されていたセキュリティカメラの更改時期を契機に、セキュリティカメラをリプレースすることを決めた。そして長年にわたりITインフラの構築・整備を依頼してきたディーアイエスサービス＆ソリューションに相談し、同社が提案したクラウドで一元管理が可能なシスコシステムズのセキュリティカメラ「Cisco Meraki MVシリーズ」を導入した。

　機器の選定に際して淺野氏は「ストレージサーバーの管理・運用から解放されたかったことと、遠隔地の拠点の映像をリモートでどこからでも確認できるようにするため、録画データをクラウドに保存できるサービスが利用できることが主要な要件でした」と説明する。

　ディーアイエスサービス＆ソリューションが提案したCisco Meraki MVシリーズを選定した理由について「ディーアイエスサービス＆ソリューションに依頼して当社の全ての無線LAN環境を刷新した際に、アクセスポイントとしてCisco Meraki MRシリーズを導入しました。Cisco Merakiシリーズはクラウドを通じて全ての機器をリモート管理でき、管理・運用の負担を大幅に軽減できることをすでに評価していました。Cisco Meraki MVシリーズは全てのセキュリティカメラをリモート管理できることに加えて、録画データをCisco Merakiのクラウドに保存でき、ワンストップかつ想定よりも低コストで利用できることも決め手となりました」と淺野氏は評価する。

　パシフィックネットは東京テクニカルセンターに約50台のCisco Meraki MVシリーズを導入したほか、これまでセキュリティカメラを設置していなかった本社のオフィスフロアにも新たにCisco Meraki MVシリーズを導入した。本社にも導入した理由について淺野氏は「BCPの観点から災害時にオフィスで誰が働いているのか、オフィスの状況はどうなっているのかをリモートで確認できるようにするためです」と説明する。

　Cisco Meraki MVシリーズの導入によりストレージサーバーの管理・運用から解放され、映像の消失といったリスクの解消、遠隔地からリモートで映像を確認できる利便性などを評価して、同社は全ての拠点にCisco Meraki MVシリーズを導入したいと考えている。

　ディーアイエスサービス＆ソリューションでパシフィックネットを担当するソリューション本部 東京営業部 営業4課 長澤祐大氏は「福岡テクニカルセンターに約20台を導入するご相談をいただいています。また札幌テクニカルセンターの移転が決まっており、こちらにもCisco Meraki MVシリーズを提案していきます」と意欲を語る。