XREALの「XREAL 1S」は、2Dの画像や動画をリアルタイムで3Dに変換する機能を備えたARグラスだ。BOSEが監修したシネマティックサウンドによる立体音響と、3D映像がもたらす没入感のある体験により、ARグラスの新たな可能性を引き出していく。エンターテインメントからビジネスまで活躍する本製品の魅力を体感してみた。

感動と驚きの3D体験

日本XREAL
Brand Development Director
中澤真人

「XREAL 1S」の細かなスペックに触れる前に、まず紹介したいのが、2Dをリアルタイムで3Dに変換する新機能だ。ARグラスの価値観を一変させるこの機能は、XREAL独自の空間コンピューティングチップ「X1チップ」により、あらゆる2Dの映像/画像を3Dにしてくれる。実際にXREAL 1Sをスマートフォンに接続し、2D動画を再生したところ、立体的な3D映像を鑑賞できた。

 日本XREAL Brand Development Director 中澤真人氏は、本製品の特長を以下のように語る。「XREAL 1Sは、当社のARグラスの中ではエントリーモデルに位置しています。上位モデルの『XREAL One Pro』よりも低価格で、手軽に使ってもらいたいというのが本製品の趣旨です。とはいえ、価格を抑えてもスペックは盛りだくさんになっています」

 例えば、XREAL 1Sを通して映画を3Dで鑑賞すると、家にいながら映画館で見ているような臨場感が得られる。さらにBOSEが監修した没入感の高い空間オーディオが装備されているため、周囲への音漏れを抑制しつつも、心地よい音響を楽しめるのだ。加えて、「瞳孔間距離調整」機能も搭載しているため、どんな人でも最適なフィッティングで3D体験を享受できる。

 これまでARグラスで3Dを鑑賞するには、素材の段階で3Dへの対応が必須だった。それに対してXREAL 1Sは、どんな2Dコンテンツでも3D化してくれる。これにより、見慣れた動画や遊び慣れたゲームでも、新鮮な立体感を味わえるのだ。

医療用シリコン製の「エアノーズパッド」の搭載や、しなやかに曲がる「アジャスタブルテンプル」といった人間工学に基づくデザインにより、快適な装着感を実現している。

ボタン一つで画面モード変更

 XREAL 1Sでは、最大500インチのスクリーンを体感可能だ。視野角は52度、リフレッシュレートは120Hz、ピーク輝度は700nitで、XREAL One Proと遜色ない性能を備えている。本体は約82gと軽量で、USBケーブルは左側のテンプルの端に接続されるため、装着していても重さやケーブルが気にならない。快適な着脱感により、日常的に使える便利さを感じる。

 XREAL 1Sの各種設定は、全て右側のテンプルに搭載するボタンで操作できる。テンプルの下部には明るさや音量などを調整可能な「+/−ボタン」と、設定メニューの表示や画面モードの変更に対応する「Xボタン」がある。そしてテンプルの上部には、利用者ごとに好みの機能を割り当てられる「Quickボタン」があるのだ。

 Xボタンをワンクリックすることで変更可能な画面モードには、表示画面を正面に固定する「固定モード」と、表示画面が視線と共に移動する「追跡モード」がある。ARグラスは鑑賞する映像や用途によって、固定が便利だったり追跡が良かったりする。そのため、ボタン一つで素早く切り替えられるのは便利だ。

 Xボタンのダブルクリックで表示できる設定メニューでは、画面サイズや表示距離の調整、3D表示モードやワイドスクリーンモードの選択、チュートリアルの実施などが行える。+/−ボタンを使いながら直観的に操作可能なので、迷わずに各種設定ができるのだ。

機密性の高いモバイルモニター

 XREALは日本での認知度を高めるために、XREAL 1Sの積極的なプロモーションを展開している。その中で注目を集めていたのが、士郎正宗氏の漫画作品「攻殻機動隊」、および攻殻機動隊を原作とした多数のアニメ作品について展示を行う「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」(TOKYO NODE GALLERY A/B/Cでの開催期間:2026年1月30日〜4月5日)とのコラボレーションだ。本展示会においてXREAL 1Sは、拡張現実を使った展示解説というオプショナル体験に活用されていた。具体的には展示会内でXREAL 1Sを装着し、接続したスマートフォンを操作すると、同作品のキャラクター「タチコマ」が展示中のアニメ原画について解説してくれるのだ。アニメの名シーンをARで見られる体験もあり、まさに作中で描かれる“電脳感覚”を疑似体験可能な、新しい鑑賞スタイルを楽しめる取り組みになっていた。

 またXREAL 1Sは、BtoBの市場でも新しいニーズを開拓し始めている。特に、機密性の高いモバイルモニターとしての需要が高いそうだ。例えば外出中にカフェで作業をする際、PCを使っているとショルダーハッキングに遭う可能性がある。そこで本製品を利用し、XREAL 1Sだけに作業中の画面を映すことで、不意に内容をのぞかれる事態を防げるのだ。

 モバイルモニターよりもコンパクトかつ軽量で、新幹線や飛行機でも大画面を楽しめるXREAL 1S。エンターテインメントからビジネスまで、モバイル体験をもっと楽しくしてくれるARグラスだ。