Microsoft 365 CopilotやCopilot+ PCと、それらの活用基盤となるWindowsにフォーカスしたイベント「Windows AI Day」が、3月2日に東京国際フォーラムで開催された。

会場ではAI活用を支えるWindowsの進化やCopilot+ PCの最新アップデート、そしてCopilot+ PCの実務での活用事例を紹介する講演が行われたほか、11社のCopilot+ PCが展示され、来場者が実際に操作できるコーナーも設けられた。

今回はWindows AI Dayの見どころを紹介する。

Windowsは"Canvas for AI"へ進化
Windows PCと対話して仕事をする

日本マイクロソフト
代表取締役 社長
津坂美樹

MOEKO●今日は「Windows AI Day」というイベントに来ています。基調講演では最初に日本マイクロソフトの代表取締役 社長を務める津坂美樹さんが登壇し「生成AIの活用ではセキュリティがユーザーの最大の懸念事項ですが、最新のWindows 11 Proでは起動と同時に最高水準のセキュリティが機能するので、AI活用においてWindows PCは最もふさわしいパートナーになります」とアピールしました。

 続いて登壇したのがマイクロソフトでCopilot+ PCなどのデバイスを統括するMicrosoft Corporation Device Technology Sales Sales Leaderのゲイブ・グラヴニングさんで、「Canvas for AI」という興味深いお話をしていました。

Microsoft Corporation
Device Technology Sales
Sales Leader
ゲイブ・グラヴニング

 グラヴニングさんは「Windowsはこれまでさまざまなアプリケーションを動かして利用する土台としての役割を担ってきましたが、これからは人とAIエージェントが協働する“作業の場”(Canvas)へと進化する」と話していました。

 WindowsはOSレベルでユーザーの作業を理解し、介入し、実行する存在になるとも話しており、AIエージェントが自律的にアプリケーションやファイル、設定、クラウドを横断してユーザーがしたい作業を実行してくれる世界に向かっていると説明していました。

 その一部がCopilot+ PCで実現され始めていますが、この世界観が進んでいくとWindows PCは単なるツールではなく、同じ仕事を一緒にしてくれる相棒として欠かせない存在になりますね。そうなると私は人に話すのと同じかそれ以上の時間を、Windows PCと対話するようになりそうです。

クラウドに出せないデータも
ローカルで安全にAI活用できる

日本AIコンサルティング
代表取締役
香月章宏

MOEKO●Windows AI DayではCopilot+ PCやMicrosoft 365 Copilotの実務での活用事例も紹介されました。日本AIコンサルティング 代表取締役 香月章宏さんは同社が手掛けたCopilot+ PCの実務での四つの活用事例を紹介しました。

 医療機関の事例では診察の際にPCを使ってカルテの参照と入力を行いますが、入力に手間がかかり患者さんとの対話に時間が取れないという課題があります。さらに訪問医療ではカルテを持ち出すリスクもあります。そこでカルテのデータをクラウドなど外部に出すことなくローカルAI機能で管理を効率化でき、外出時も高いセキュリティによりカルテの情報を守ってくれるCopilot+ PCを導入したといいます。

 学校法人の事例では教員業務の効率化においてAIを活用したいけど、生徒の個人情報をクラウドで使用するのは不安という課題をCopilot+ PCが解決しました。このほか大学の研究室で統計データをクラウドに出さず、手元のCopilot+ PCで安全かつ迅速にローカルAIで分析するという事例や、コールセンターの受託業務で依頼元からクラウドの使用を禁止されているケースで、Copilot+ PCを使って問い合わせのやりとりの音声をテキスト化して、トラブルが生じた際に問題の箇所を迅速に特定できるという事例が紹介されました。

3,000台のCopilot+ PCを
一斉導入学校の校務でも
Copilot+ PCが活躍

NISSHA
執行役員
CIO(最高情報責任者)
DX推進担当
小林振一朗

MOEKO●ユーザーの声も聞くことができました。産業資材やデバイス、メディカルテクノロジーで事業展開するグローバル企業のNISSHAさんは、国内の約3,000名の従業員のPCをCopilot+ PCに一斉にリプレースしました。PCを導入すると3年から4年は使い続けなければなりませんが、AI活用が本格化していく中でPCの役割はさらに重要になっていきます。

 そこで同社の執行役員 CIO(最高情報責任者) DX推進担当 小林振一朗さんはPCを投資戦略資産と位置付けて、ローカルとクラウドのハイブリッドでAIを活用できるCopilot+ PCの導入を決断したということです。

鹿児島市教育委員会
教育DX担当部長
文部科学省
学校DX戦略アドバイザー
木田 博

MOEKO●教育機関での事例のユーザーとして鹿児島市教育委員会 教育DX担当部長で文部科学省 学校DX戦略アドバイザーも務める木田 博さんが登壇し、「GIGAスクール構想によって校務における報告業務や情報共有はデジタル化されたが、業務そのものは減っておらず、むしろ増えている」と指摘しました。

 しかし限られた時間内で業務を完了しなければならず、ChatGPTが公開されてすぐに校務でのAI活用に向けて研修の実施や利用条件の整備を進めたといいます。

 そして現在、Copilot+ PCを導入して通知表の所見作成や保護者向けの文書やお知らせの作成にローカルAIを活用して業務の効率化を図り、教員が集中すべき業務に時間を費やせるようになったと説明していました。

教えてもらう人
MOEKOさん

MOEKO●こうした実務でのCopilot+ PCの活用事例やユーザーの生の声を聞いて、もうAIを使うかどうかの検討ではなく、AIを効果的に使う環境を整え、実務で効果が得られる使い方を現場で検証し、改善を続けていくことが求められているんだなと実感しました。

 私もこの流れに置いて行かれないようにしなくちゃね。

 「Windows AI Day」でCopilot+ PCの活用事例やユーザーの生の声を聞いて、Copilot+ PCがAI活用に最適なデバイスであることを改めて実感しました。