急拡大するサイバー攻撃に対応
バックアップ統合ソリューション

アクロニス・ジャパン「Acronis Cyber Protect Cloud」

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)やデジタル庁によるパブリッククラウドの推進など、いまや事業の継続にデジタル化は欠かせないものになっている。それと同時に拡大しているのがサイバー攻撃によるセキュリティリスクだ。マルウェアによる被害は常態化していると言っていい。安定した事業の継続とセキュリティリスクの回避はどのように両立するべきなのか。アクロニス・ジャパンの代表取締役に就任したばかりの川崎哲郎氏に話を聞いた。

拡大する業務のデジタル化
セキュリティリスクも増大

代表取締役
川崎哲郎 氏

 アクロニスは、データのバックアップを中心としたソフトウェア開発・販売を手掛けるIT企業だ。スイスに本社を、シンガポールにグローバル本社を構えている。その日本法人となるアクロニス・ジャパンの代表取締役に2022年2月21日付で川崎哲郎氏が就任した。同氏は企業が抱えているバックアップやセキュリティに関する現状を次のように話す。

「ここ数年、多くの企業でDXが推進されています。デジタル庁がパブリッククラウドの活用を推進していることもあり、企業の基幹システムをオンプレミスからクラウドへシフトする動きは活発化し、業務のデジタル化は急速に拡大しています。それと同時に急拡大しているのがセキュリティリスクです。特にここ数年、マルウェアによる被害が増大しており、こうしたサイバー攻撃はいつどこで起きても不思議ではありません。サイバー攻撃から企業資産を守るには、セキュリティ対策を講じることは言うまでもありませんが、それと同時にバックアップ体制を整えておくことも重要です。とはいえ、ほとんどの企業ではバックアップとは別にセキュリティ対策を講じています。バックアップとセキュリティを一つのソリューションとして組み合わせれば、管理や運用が容易になります。そのため当社では、創業15周年である2018年9月から、バックアップとセキュリティを分けない『SAPASサイバープロテクション』というコンセプトを発表し、バックアップとセキュリティを組み合わせた製品を数多くラインアップしています」

 SAPASは「Safety(信頼性の高いデータを常に利用できることを保証する)」「Accessibility(いつでもどこからでも簡単に利用できるようにする)」「Privacy(データの見える化、データへのアクセス管理を徹底する)」「Authenticity(データのコピーが元データと全く同じ複製であることを簡単に証明する方法を提供する)」「Security(悪意ある攻撃からの保護)」の5項目の頭文字を取った造語である。SAPASはアクロニス・ジャパンだけでなくアクロニスの企業コンセプトとなっている。川崎氏は「当社では、コンシューマー向け、オンプレミス利用を想定した法人向け、クラウド利用を想定した法人向けの三つの事業を中心に展開していますが、いずれの事業においても、SAPASの5項目を切り離して考えることは困難です。一つでも欠けてしまうと事業の継続に支障を来します。つまり、バックアップもセキュリティ対策も切り離して考えることは難しいのです」と語る。こうしたSAPASサイバープロテクションをコンセプトにした製品が「Acronis Cyber Protect Cloud」だ。

分かりやすいUIを採用
業務負担の軽減に寄与

 Acronis Cyber Protect Cloudは、データのバックアップやディザスタリカバリーなどの機能を備えたオールインワン型バックアップ統合ソリューションだ。マルウェア対策、脆弱性診断、パッチマネジメント、リモートデスクトップなどの機能を備えている。マルウェア対策としては、例えばクラウド上に長期間保管されているデータがマルウェアに感染していないかどうかを常時調べることができる。Acronis Cyber Protect Cloudを導入するメリットについて川崎氏は「データのバックアップとセキュリティ対策の両方の業務を一つの管理画面で実行できます。ユーザーインターフェースは、分かりやすさに配慮した設計になっています。専門的な教育を受けていない従業員であっても、直感的な操作ですぐに使いこなせるでしょう。煩雑かつ複雑になりがちな業務負担の軽減にも寄与します。さらに、クラウドベースの運用になるため、サーバーを構築する必要がなく初期費用を抑えられるメリットもあります」と話す。

 また、Acronis Cyber Protect Cloudは、買い切り型のパーペチュアルライセンスを廃止し、月・年額単位で契約できるサブスクリプションライセンスに移行している。「特に年単位での契約であれば、追加で費用がかかる心配はありません。サブスクリプションライセンスは、予算を立てやすく、お客さまから高い評価をいただいています」(川崎氏)

地方のエキシビションに参加
製品の認知度向上を目指す

Acronis Cyber Protect Cloudは、多くの企業での導入実績がある。中でも、ITやセキュリティ専門の担当者がいない中小企業で多く導入されている。その点について川崎氏は「分かりやすい操作性や、初期コストを抑えられる点が評価され、多くの中小企業で導入いただいています。2020年11月16日からダイワボウ情報システム(DIS)さまのサブスクリプション管理ポータル『iKAZUCHI(雷)』での提供も始めており、中小企業からの引き合いもあります。より多くの販売パートナーさまにAcronis Cyber Protect Cloudを知っていただくためには、DISさまが持つ全国の支店ネットワークとの協業は欠かせません。地方でのエキシビションにも積極的に参加し、製品の認知度向上に取り組んでいきます」と展望を述べた。