Premiere Pro(バージョン 25.4)

Premiere Proのアップデートは、編集作業の効率化、AIを活用した制作サポート、そしてメディア処理機能のさらなる強化が大きな軸となっています。

リアルタイム波形表示

編集中に音声波形が常に更新され、キーフレームやフェードを確認しながらタイミングを直感的に調整できるようになりました。

ほかにも様々な機能が更新されています。

  • 複数クリップへの一括トランジション編集:フェードやトランジションを複数クリップに対して一括適用・調整・削除でき、作業効率と映像全体の統一感が大幅に向上。
  • タイムラインの動作高速化:再生や編集への待機時間がほとんど感じられないほどレスポンスが向上。
  • NVIDIA Blackwell GPU最適化:10-bit 4:2:2 ハードウェアアクセラレーションに対応し、高品質フォーマットでも滑らかな再生・編集が可能。
  • AIによる映像延長(Generative Extend):AIを活用して映像の前後に自然なフレームを生成し、シーン延長が可能。
  • AIによる素材検索(Media Intelligence):映像内容、文字起こし、メタデータをAIで解析し、必要なカットを素早く検索が可能。
  • 多言語字幕の自動生成:AIを使って複数言語の字幕を自動生成でき、グローバル対応の映像が容易に制作可能。
  • その他の強化ポイント:MKV(H.264/AAC)ファイルのインポート対応、Content Credentials(制作証明)、カラー管理の改善、シーケンスタブのラベルカラー表示などが追加。

After Effects(バージョン 25.4)

After Effectsのアップデートは、操作性の強化とHDR対応の進化が中心となっています。

レイヤー/キーフレームの「スタッガー配置」操作が簡単に

複数のレイヤーやキーフレームを少しずつずらす「スタッガー配置」が、ドラッグだけで一括調整できるようになりました。これまで手作業で地道に位置を変えていたのが、一気に効率化されます。
モーショングラフィックスを組むときに時短効果が大きい機能です。

書式のみのコピー&ペースト(Paste Text Formatting Only)

テキストの書体、サイズ、色などの書式設定だけを抽出して適用でき、スタイルの統一がより簡単になりました。

HDR(CICPメタデータ)対応の強化

HDR映像の入出力においてCICPメタデータを扱えるようになり、色再現の精度と互換性が安定化しました。PNGシーケンスへのHDR10メタデータ埋め込みにも対応しています。

内容が確認しやすくなったエフェクト

エフェクト&プリセットパネルに情報アイコンが追加され、効果の内容がすぐに確認できるようになりました。名前は知ってるけれど何の効果かわからない、といったときに便利です。

まとめ

今回のアップデートでは、Premiere ProとAfter Effectsがそれぞれ異なる方向で強化されました。
Premiere Proは、編集作業の効率化に加え、AIを利用した機能が大きく進化しました。さらに、メディア処理機能の強化により、高品質フォーマットの編集もスムーズになりました。
After Effectsは、デザインやテキスト編集を効率化する機能の追加と、HDR対応の強化により最新の映像制作環境に適したワークフローが整いました。
映像制作に関わる人にとって、今回のアップデートは作業をより快適にし、映像表現の幅を広げる大きな一歩と言えるでしょう。