Copilot+ PC規格に準拠したモバイルノートPCで1kg切りの軽量ボディーを実現
「dynabook X94」(個人向けはXP9)はCopilot+ PC規格に準拠したモバイルノートPC。プロセッサーはCore Ultra 5 226V(16GBメモリー)/ Core Ultra 5 236V(16GBメモリー)/ Core Ultra 7 258V(32GBメモリー)/ Core Ultra 7 268V(32GBメモリー)、ストレージは256GB/512GB/1TBから選択可能。また指紋認証やMS Officeの有無も選べます。本製品のメモリーはプロセッサーに内蔵されているので、購入後に増設できません。妥協せずスペックを選択したいところです。


ディスプレーは14型WUXGA液晶(16:10、1920×1200ドット、60Hz、ノングレア)を搭載。詳細スペックは公表されていませんが、高輝度・高色純度・広視野角と謳われています。





インターフェースは、Thunderbolt 4(USB 4、PD対応)×2、USB 3.2 Gen1 Type-A(うちひとつはUSBパワーオフアンドチャージ機能付き)×2、HDMI×1、有線LAN(1000BASE-T)×1 、microSDメモリーカードスロット×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしています。





本体サイズは約312.4×222.5×18.7〜18.9mm、重量は約953g。ユーザー自身で交換可能な「セルフ交換バッテリーL」(56.06Wh)が採用されており、バッテリー駆動時間は動画再生時で約15時間、アイドル時で約30時間と謳われています。
なお、今回お借りしたマシンは「dynabook X94」の個人向けモデル「dynabook XP9」で、プロセッサーに「インテルCore Ultra 7 プロセッサー 258V」(8コア[4P+4LPE]、8スレッド、4.8GHz、17W[8~37W])を採用。メモリーは32GB(LPDDR5X-8533)、ストレージは512GB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載しており、重量は約958gと法人向けより5g重くなっています。




ユーザーがバッテリーを交換できるのでビジネスが止まらない
本製品の大きな売りのひとつが、ユーザー自身で交換可能な「セルフ交換バッテリーL」(56.06Wh)の採用。底面のプラスネジを外せば、そのあとは工具なしにバッテリーを交換可能です。バッテリー交換可能なノートPCはサイズや重量の点では不利です。それにもかかわらず、約312.4×222.5×18.7〜18.9mm、約953gという薄型、軽量ボディーを実現しているのは高く評価できます。
ユーザー自身でバッテリーを交換すれば、メーカーへ発送する宅配便や工賃を節約できますし、なによりも交換中に手元からPCがなくなることがありません。機密性の高いデータを保存していて、高いセキュリティーポリシーで運用されている企業でも安心ですね。ノートPCでもっとも劣化する可能性が高いパーツを、ユーザーが自分で交換できるというのは大きなアドバンテージと言えます。

dynabookオリジナルのAI機能が搭載
本製品はCopilot+ PC規格に準拠。マイクロソフトが提供しているさまざまなAI機能を利用可能です。「dynabook X94」ではそれに加えて、チャット形式で文書を翻訳・要約できる「dynabook AIアシスタント」、オンライン通話アプリ向けに電力消費を最適化する「AIパワーオプティマイズ」、ユーザー以外の人物の画面の覗き込みを警告する「AIプライバシーアシスト」、PCに触れずにハンドジェスチャーで操作する「AIハンドコントロール」などのオリジナルAI機能が搭載されています。
メーカー独自のAI機能は現在、各メーカーが力を入れている差別化ポイントです。「AIハンドコントロール」は手が濡れていても操作できるので、工場などパソコンに直接手で操作できないような環境でも有効活用できそうな機能ですね。



ビジネスアプリをメインに、たまにクリエイティブ系アプリを使用するユーザーにピッタリ
最後にパフォーマンスをチェックしましょう。定番ベンチマークを実施したところ、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は7828pts、CPU(Single Core)は1827pts、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は3432.07MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は2406.55MB/s、「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは10997(快適)、フレームレートは平均78.49fps、最低28fpsを記録しました。
Core Ultra 7 258Vは軽量モバイルノートPC向けのプロセッサーです。ブラウジングやオフィスアプリなどの一般的な用途はもちろんのこと、比較的軽めの作業であればクリエイティブ系アプリも快適に動作可能です。内蔵グラフィックスには「Intel Arc 140V GPU」が搭載されており、ファイナルファンタジーXIVクラスのゲームであれば平均フレームレートは78.49fpsに達しており、スムーズにプレイできます。
また最大47TOPSのNPU「Intel AI Boost」が内蔵されており、AIアプリケーションも高速かつ低消費電力で利用できます。一般的なビジネスアプリをメインに利用しつつ、たまにクリエイティブ系アプリを使用するというユーザーにピッタリのマシンと言えます。




長期的な運用コストと安定性を重視したビジネスユーザーにもってこい
「dynabook X94」は、内蔵GPUに「Intel Arc GPU」、NPUに「Intel AI Boost」を搭載し、「インテルCore Ultraプロセッサー(シリーズ2)」を採用したCopilot+ PCです。最大の特徴は、ユーザー自身が工具なしでバッテリーを簡単に交換できる点にあり、これによりバッテリー劣化によるダウンタイムを最小限に抑え、PCを長期間安定して運用可能です。また、メーカー独自の「dynabook AIアシスタント」や「AIハンドコントロール」といった機能も搭載。Copilot+ PCの標準機能に加えて、多くのAI機能を利用可能です。
本製品は、長期的な運用コストと安定性を重視し、オフィスワークからライトなクリエイティブ作業まで幅広くこなしたいというビジネスユーザーにもってこいのモバイルノートPCと言えるでしょう。