炎上を予防するための対策

「炎上が怖くてなかなかソーシャルメディアに取り組めない」…そんな声を耳にすることがあります。さまざまなSNSのツールがある中で、炎上しやすい筆頭といえば「Twitter」が思い浮かぶ方も多いでしょう。1年間でどのぐらいの炎上が起こっているのでしょうか?

シエンプレ株式会社が発表した「デジタル・クライシス白書」によれば、昨年(2021年)に起こった炎上件数は1,766件、前年比で24.8%とのこと。更に問題行動の主体の内訳は、著名人が38.9%、法人等が33.5%、一般人が27.6%となっています。

一番のポイントは、やはり日頃から予防しておくことではないでしょうか。そこで企業が炎上対策に取り組むためのポイントについて解説していきます。

予防に関する取り組みについて

前回「第12回 SNSの運用ルールを作成しよう (Twitter-第2回)」の記事でも触れていますが、炎上を予防するためには、まずはソーシャルメディア運用ポリシーをしっかり作成しておきましょう。また作成した内容は、社内全員に共有し周知するようにします。研修の実施による周知徹底も有効です。新入社員だけでなく、上の世代に対しても行っていきましょう。SNSをやらない人であっても、日常の中にリスクが存在することへの理解を図ります。

炎上の防災訓練を提供している企業もあります。まさかの時のために取り入れてみるのもよいでしょう。

事例を共有する

SNSで炎上しやすいジャンルがあります。例えば、ジェンダーに関わるテーマ(男女の役割、子育て論など)や政治、あるいはバイトテロなどが該当します。

炎上予防対策の一つとして、あらかじめ社内で炎上事例を共有しておきましょう。定期的にSNSのニュースをチェックし、社内全体へ周知します。

また、炎上はSNSを導入・運用していない企業にも起こり得ます。例えば、何か事件があったときに、ニュースに出てきた会社の名前がたまたま自社と似ていた、消費者が別の企業と自社を間違えてSNSに苦情を投稿していた等、アカウントがなくてもこうしたリスクがあることを押さえておいてください。

バイトテロとは
主に飲食店や小売店の従業員(正社員・契約社員およびアルバイト・パートなどの非正規雇用含む)が、勤務先の商品(特に食品)や什器その他の備品を使用していたずら・悪ふざけを行う様子をスマートフォンなどで撮影し、TwitterやYouTubeなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿して炎上する現象を指す日本の造語。

SNS内のチェックを行う

通常の運用業務に「ソーシャルリスニングの実施」を組み込みましょう。ソーシャルリスニングは、SNS上に投稿されているユーザーの会話を収集、分析することです。具体的には、自社名、サービス名、商品名、ブランド名などを、SNSツール内で検索していきます(エゴサーチと言います)。

ソーシャルリスニングは商品やサービスの改善、あるいは商品企画・開発にも役立つ手法なのですが、リスク管理にも繋がります。周囲に聞くと、「やっていない」と回答するSNS担当者が意外と多いので、ここはぜひ業務に組み込むようにしてください。

なお、自社の商品やサービスへの言及が膨大になり人力では難しい場合、専用のツールを使う、あるいはソーシャルリスニングのモニタリングサービスを提供している企業もありますので、導入を検討してみるとよいでしょう。

問題発生時の対応について決めておく

万が一、炎上が発生した場合や危険を察知した場合、誰がどこにどのような手段で連絡をし、どう対応するのかをフリー形式でまとめておきます。休業日や夜間だった場合はどうするか、上長に連絡がつかなった場合の対応はどうするか、電話なのかメールなのかあるいはチャットで連絡を取り合うか等も決めておきましょう。

まとめ

炎上は過剰に恐れる必要はありません。しかし、万が一のことを考えて、予防や対策をしておくことは重要です。SNSのアカウントがまだないという企業でも、炎上リスクはありますので、必ず取り組んでおいてください。