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ハードウェアメーカー4社が提案するWS2012/R2サーバーの移行先

ハードウェアメーカー4社が提案するWS2012/R2サーバーの移行先

2022年11月10日更新

HARDWARE▶▶

さまざまな移行先がある中でも、やはり社内にデータを保存できるオンプレミスの需要は高い。一方で、将来的には柔軟性や可用性の高いクラウド環境の利用も視野に入れる必要がある。そうした二つの要素をカバーできる移行先ハードウェアを、メーカー4社が提案してくれた。

Azure Stack HCIで実現する
既存サーバーの延命とモダナイズの両立とは

Windows Server 2012/R2の延長サポート終了まで1年を切った今、移行の選択肢として「延命とモダナイズの両立」を実現するAzure Stack HCI製品を提案しているのがデル・テクノロジーズだ。将来的なクラウド活用を視野に入れ、企業のDX化を促進させていくためのプラスアルファの提案を行える同社の移行シナリオを見ていこう。


AX-750

「Windows Server 2012/R2の延長サポート終了に伴う移行先について、ユーザー企業には四つの選択肢があります」と語るのは、デル・テクノロジーズ データセンターソリューションズ事業統括 製品本部 マイクロソフト ソリューション部 ビジネス開発 津村賢哉氏。

 その選択肢の一つ目が、最新OSである「Windows Server 2022」へのアップグレード、二つ目がクラウド化など基盤刷新を行うリホスト、三つ目がアプリケーション設計なども含めた刷新を行い、クラウド向けに最適化を行うリアーキテクト、四つ目が既存のWindows Server 2012/R2を延長サポートが終わってからも使い続ける延命だ。

 しかし、ただハードウェアやOSを刷新するだけでは新たな価値をユーザー企業に感じてもらいにくい。そこで同社が提案しているのが、マイクロソフトが提供するAzureをオンプレミス環境で使えるAzure Stack HCIへの移行だ。既存のWindows Server 2012/R2の延命と、ITシステムのモダナイズが両立できる本基盤は、Windows Server 2012/R2のEOSに合わせたシステム基盤の刷新の選択肢としてお薦めだ。

 まず延命について解説していこう。マイクロソフトではWindows Serverの拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)を提供している。一方で、このESUは既存のオンプレミスサーバーに適用するには有償で購入する必要があるほか、OEMライセンスの場合は購入ができないなど、適用条件は厳しい。しかし、Azureでは特典として、このESUが無償で提供されており、これはAzure Stack HCIにも適用される。

デル・テクノロジーズ
データセンターソリューションズ事業統括
製品本部
マイクロソフト ソリューション部 ビジネス開発
津村賢哉 氏

 津村氏は「Azure Stack HCIでESUを利用することで、オンプレミスのHCIでWindows Server 2012/R2を延命しながら、将来的にはAzureを使う環境が整えられます。延命しながらモダナイズとの両立を、Azure Stack HCIであれば実現できるのです」と語る。

 デル・テクノロジーズではこのAzure Stack HCI製品として、同社のDell PowerEdgeサーバーをベースにした「AX-640」「AX-740xd」「AX-6515」「AX-7525」「AX-650」「AX-750」の6モデルをラインアップしている。「競合他社のHCIと比較した際の強みとして、1ノードでクラスターが作れる点が挙げられます。スモールスタートで運用を開始でき、モダナイズを進めていく中でノードを追加してスケールアウトするような運用が可能なのです」と津村氏はアピールする。

 デル・テクノロジーズでは、日本マイクロソフトと連携しAzure Stack HCIの最新のデモセンターである「DEJIMA(Dell Japan Intel Microsoft Azure)」を2021年9月1日に開設している。これは日本マイクロソフトの品川本社と、デル・テクノロジーズの大手町オフィスのそれぞれに設置したAzure Stack HCIを活用して、ユーザー企業の技術的な課題に対するディスカッションやデモ、ブリーフィングなどを販売パートナーやユーザー企業を交えて実施できる環境だ。

「EOSを契機に将来的にモダンに使えるAzure Stack HCIを提案することで、ユーザー企業のIT部門や経営者にとってメリットが大きい環境構築へのシフトを進めてもらえたらと思います」と津村氏はメッセージを送った。

オフィスから病院・製造業まで
多様な現場に提案できるオンプレミス1wayスリムサーバー

国内ユーザー企業の中には、従来のオンプレミスの運用を変えたくないという企業も少なくない。NECでは、ユーザーのサーバー用途に応じて機器や移行方法をまとめている。クラウドへの移行やオンプレミスとの両用なども選択肢として頭に入れつつ、独自設計のNAS「iStorage NSシリーズ」やPCサーバー「Express5800シリーズ」などを見ていこう。


Express5800/T110k-S

 移行先のサーバーのリプレースは、今後長年活用することを見越して環境に合った機器と適切な運用、迅速な調達が求められる。NECでは、そうした需要を踏まえてオンプレミスサーバーやNASなどをシリーズとして提供している。ユーザー企業において特に利用されているケースの多いファイルサーバーのリプレース先には、「iStorage NSシリーズ」が最適だ。同シリーズは、サーバー内のデータの容量の推移や増加予測など直感的なUIで確認できる。NSシリーズの強みを、NECシステムプラットフォームビジネスユニット システムプラットフォーム事業部門 基盤ソフトウェア統括部 GTM グループの西田武史 氏は次のように説明する。「SAS、SATA、Fibre Channelと多彩なストレージに対応し、拡張性の高い統合NASです。容量は1〜10TBを超える大容量のモデルなど豊富なラインアップを用意しています。DISでも潤沢に在庫を取りそろえていただいており、半導体需給難と言われる昨今においてもスピーディーに導入できます」

 アプリケーションサーバーは、仮想化による運用の簡易化を実現する基盤としてHCIを推奨している。

 オンプレミスサーバーのオフィス環境で継続利用をしたいという需要には、同社が長年販売してきた「Express5800シリーズ」の1Wayスリムタワーサーバーへの移行を推奨している。

 NEC パートナーソリューション統括部 ストック営業グループ 佐藤柊平氏は同シリーズをこう説明する。「スリムタワーサーバーという名の通りコンパクト筐体で、小規模のオフィスや店舗、製造現場など多様な場所で活用可能です。静音性を考慮し、NEC独自の水冷冷却ユニットを搭載したモデルを用意しています」

 最後にNEC パートナーソリューション統括部 ストック営業グループ 主任の原 克尚氏はNECの今後の意向をこう示す。「DISの商流を踏まえ、当社はWindows Server 2012サポート終了に関する冊子や当社のOSサポート契約済みの方への移行、手順書の提供など間接的に関与していきたいと考えています。販売パートナーはNECの資料を使っていただき、移行シナリオをユーザー企業と共に組み立てることが重要です。ビジネスチャンスですので、単にサーバーを置き換えるだけではなくクラウド連携なども念頭に置きつつ進めるとよいでしょう。ユーザー企業によっては一気に連携、移行するのが難しい場合もありますので、徐々に移行を進めるシナリオを推奨しています」

NEC
システムプラットフォームビジネスユニット
システムプラットフォーム事業部門
基盤ソフトウェア統括部
GTMグループ
西田武史 氏
NEC
パートナーソリューション統括部
ストック営業グループ
主任
原 克尚 氏
NEC
パートナーソリューション統括部
ストック営業グループ
佐藤柊平 氏

クラウドのように
柔軟に使えるサーバーで管理・監視の課題を解決

Windows Server 2012/R2搭載サーバーからの移行先を考えたとき、まず検討するのはサーバーのリプレース(オンプレミス)か、クラウドのどちらを選択するかだろう。30年弱「ProLiantサーバー」を提供し続けている日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)は同社のサーバーをクラウドのように使える「HPE GreenLake」を提案し、用途や環境が多様に広がるサーバー管理・監視の課題解決の実現を促している。


HPE ProLiant DL360 Gen10 Plusサーバー
HPE ProLiant MicroServer Gen10 Plus v2
日本ヒューレット・パッカード
プリセールスエンジニアリング
統括本部
エンタープライズ技術本部
パートナー技術部
江澤竜起 氏

 HPEが提供しているProLiantサーバーは、来年で30周年を迎えるx86サーバーの代表的ブランドだ。30年弱にわたり進化を続けてきた同サーバーのこだわりを挙げるなら、真っ先に「セキュリティ」が挙がるだろう。

「2017年に、当社独自開発のシリコンチップ『HPE Integrated Lights-Out 5』(iLO 5)を搭載した『HPE ProLiant Gen10』サーバーを発売しました。iLO 5チップは、サイバー攻撃によってファームウェアに仕組まれた改ざんを自動検知し、すぐに正常なファームウェアに復旧する機能を有しています」と語るのは、日本ヒューレット・パッカード プリセールスエンジニアリング統括本部 エンタープライズ技術本部 パートナー技術部 江澤竜起氏。またiLOによって、あらゆる場所からサーバーの管理や監視が可能だ。管理者の工数をいかに削減するかを重視して設計するなど、同社にとってこれらのサーバー管理ツールは非常に力を入れているポイントだ。

 こうしたセキュリティを重視したサーバーは、特にオンプレミスのサーバーを移行先として選択するユーザー企業にとって需要が高いだろう。一方でオンプレミスサーバーは初期投資が大きく、ハードウェアスペックの陳腐化や稟議・購買の手間といった課題も生じる。システム増強への迅速な対応もオンプレミスの苦手とする部分といえるだろう。

 その課題を解決するのが、HPEが提供するHPE GreenLakeだ。一言で言うならば「オンプレミスサーバーをパブリッククラウドのように使える月額重量課金型のサービス」で、HPEのサーバーを自社のサーバールームに設置して利用する。

日本ヒューレット・パッカード
コアプラットフォーム事業統括
サーバー製品本部
本部長
林 亜樹子 氏

「ハードウェアの機種はユーザー企業が希望する機器を選択可能で、自社内(ユーザー企業内)のサーバールームに設置できます。故障修理に対応するだけでなく、使用リソース量を測定してその利用分だけを月額請求するため、ITリソース使用率の可視化・透明化につながります。システムを熟知した担当エンジニアもアサインしますので、インフラに関するタスクからも開放されます」と語るのは、日本ヒューレット・パッカード コアプラットフォーム事業統括 サーバー製品本部 本部長 林 亜樹子氏。

 また「HPE GreenLake Central」と呼ばれる管理コンソールも提供しており、HPE GreenLakeで提供しているハードウェアはもちろん、ユーザー企業が契約しているAzureやAWS※といったパブリッククラウドの情報を取得し、使用状況とコストを可視化したり、将来のキャパシティを予測・計画したりするようなハイブリッドクラウドの管理が可能になる。

 これらのas a Serviceを活用し、販売パートナーによるWindows Server 2012/R2サーバーのリプレース提案を支援するため、HPEではパートナー自身の需要創出活動の支援や、検証機材の無償貸し出し、リセラー営業やエンジニア向けのトレーニングなどの支援策も打ち出し、パートナー企業との二人三脚でユーザー企業のサーバー移行を進めていく。
※Google Cloud Platformは今後対応予定

ユーザー企業のニーズを分析し
多様な移行先の選択肢から最適なインフラを提案する

EOSを機にビジネスチャンスを獲得するには、オンプレミスかクラウドの2択だけでなくハイブリッドクラウドなど多様な環境を提案することが望ましい。しかしこの時、提案時の要件として抜けがちなのが移行の際のコンサルティングサポートだ。例えば、ユーザー企業の中には、移行前の検証の手間、システムの変更によるアプリケーションへの支障、データ消失などの懸念を抱えているケースがある。そうしたユーザー企業に対して、富士通はスムーズな移行をサポートするための「Hybrid ITアセスメントサービス」などを提供している。


FUJITSU Server PRIMERGY RX2530 M6
FUJITSU Server PRIMERGY TX1320 M5
富士通
インフラ&ソリューションセールス本部
プリセールス第二統括部
シニアディレクター
中嶋一雄 氏

 富士通では、Windows Server 2012/R2のEOSに伴い、オンプレミス、クラウド双方の移行先を提案している。オンプレミスへの移行では、可用性と柔軟な運用管理性を兼ね備えた「FUJITSU Server PRIMERGY」への刷新を推奨している。FUJITSU Server PRIMERGYでは、最新のサーバーOS「Windows Server 2022」に対応するほか、Linux OS、ヴイエムウェアの仮想化基盤もサポートしている。

 また、ユーザー企業での利用率が高いファイルサーバーのリプレースを促すため、「リプレースキャンペーン」も打ち出す。「当社の『FUJITSU Server PRIMERGY TX1310 M5』『FUJITSU Server PRIMERGY TX1320 M5』『FUJITSU Server PRIMERGY TX1330 M5』の導入を検討しているユーザー企業がリプレースする場合、15%から最大50%の値引きで提供します」と富士通 インフラ&ソリューションセールス本部 プリセールス第二統括部 シニアディレクター 中嶋一雄氏。

 クラウドへの移行を希望するユーザー企業には、「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-V」(FJcloud-V)の活用を提案している。これはヴイエムウェアが開発したVMware vSphereを基盤として、富士通が提供する国産クラウドサービスで、システム構成を改修せずに移行可能だ。FJcloud-Vの使用感を確かめたいユーザー企業に対しては、最大2カ月間無料で使えるトライアルも行っているという。

 こうしたさまざまな環境への移行が提案される一方で、ユーザー企業側でシステムに障害なく移行できるか、アプリケーションに支障を起こさず運用できるかという懸念もある。富士通では、そうした移行時の棚卸し準備をサポートしている。

 移行時のインフラ対応方針を提案するサービス「Hybrid ITアセスメントサービス」がその一つだ。「既存のITインフラ資産を情報収集・分析し、最適な移行先を提案します。分析結果を基に、最短1週間でお薦めの対応方針と概算を見積もりできます。ハードウェアやクラウド移行のご要望に対応する、ハイブリッドなアセスメントサービスを是非ご検討ください」(中嶋氏)

 検証環境や機器を貸し出す「FUJITSU Platform Solution Lab」も移行前の企業にとってメリットが大きい。富士通の最新ハードウェア機器を用いて事前検証を実施したり、クラウド環境でデータを確認したりできる検証サービスだ。中嶋氏は「Windows Serverの更改に当たって、性能や使用感を事前に確認したいというユーザー企業もいます。この需要を踏まえて、当社では事前に動作検証や性能確認を行う場を用意しています。インターネット環境も用意していますので、ユーザー企業のシステムを接続したクラウド検証も可能です」と説明する。

 最後に中嶋氏は「当社の問題解決力はサポートの面で他社ベンダーよりも抜きんでていると言えます。例えば、窓口としてさまざまなサポートを提供すれば、リプレース移行を促せるでしょう。販売パートナーさまとユーザー企業とでリプレースや移行を検討する上で、問題解決の糸口となるサービスを模索していきます」と展望を語った。

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