画面サイズが11%拡大しペンの描画性能もUP
柔軟性の高い2in1でWindows 11の新機能を体感

日本マイクロソフト「Surface Pro 8」

Surfaceが日本に登場したのは2013年。Windows 8のリファレンスモデルとしてデビューした。それから8年の歳月を経て、8世代目となった「Surface Pro 8」は、10月にリリースを開始した新OS「Windows 11」とOffice製品の永続ライセンス版「Office 2021」のリファレンスモデルとなった。今回はその魅力に迫る。
text by 森村恵一

ペンの操作性が大幅に向上

別売りの脱着式キーボードを取り付ければ、クラムシェルタイプのPCとして利用できる。

 Surfaceシリーズの最新モデルとなるSurface Pro 8は、従来製品「Surface Pro 7」に比べてハードウェア面で大きく進化した。まず、CPUに最新の第11世代 Intel Core i5またはCore i7プロセッサーを搭載し、インテル Evoプラットフォームに準拠。Surface Pro 7より2倍以上、処理速度が速くなった。また、モニターは13インチで薄型ベゼルを採用したため、従来製品と比較して画面サイズが11%拡大している。さらに、最大リフレッシュレートが120Hzとなった「PixelSense Flowディスプレイ」によりタッチ操作時の反応が向上している。バッテリーの駆動時間は最大16時間で、ほぼ1日中持ち歩いて使用可能だ。

 Surface Pro 8は、ペンの使い勝手や操作性などが大きく向上している点も見逃せない。ペンの収納と充電が格段に便利になった。別売りとなるが、新しい脱着式のキーボード「Surface Pro Signatureキーボード」にはペンを収納するスペースが設けられ、持ち運んで利用する際もペンの置き忘れや紛失を防げる。キーボード上部での充電にも対応しており、移動先でペンの充電が切れて作業がストップするようなトラブルを回避できる。加えて、ペン自体も進化した。例えば、ペンに内蔵された触覚モーターでメモを取ったり絵を描いたりすると、自然な書き心地の感触が伝わってくる。ペン先がよりシャープになり、構造の改良によってメモや描画する際のシェーディングがしやすくなった。選択ボタンの位置が変更され、不意に触れる心配も少なくなった。

 ペン操作に関しては、Surface Pro 8にプリインストールされているOffice 2021も便利だ。例えば、Wordの編集画面にペンで手書き入力や蛍光ペンが使用できるだけでなく、ペンによるドラッグ操作で文章を選択したり、不要な文字を削除したりできる「インクエディター」機能を使うと、ジェスチャー操作で直感的な文字編集が手軽に行える。また、ペンの色や太さを選択できる「インクストローク」機能を使うと、描いた文字や図などを順番に再生して、どのような過程で描画したのか確認可能となる。ペン操作が主体となる2in1PCの実用性を追求し、新たなOffice 2021を活用しやすい仕様だ。

二つのThunderbolt 4ポートを採用。4Kモニターへの映像出力にも対応する。
脱着式キーボードにはペンを格納、充電できる。シャープなペン先で操作性が格段に向上。

高い精度で音声入力が可能

 実機を使ってみると、音の良さも実感する。Dolby Atmosに対応したスピーカーにより、臨場感のある音を出力可能だ。Windows 11から日本語のサポートも追加した「音声入力」機能も検証を行うと、WordやOutlookなどの入力作業を音声に代替できた。実際のテキスト例としては、「ここからは音声入力を使って文章を入れていますwindowsイレブンの入力を使っているのでとても旅行な認識をされますキーボードがなくても充分使いこなせる」という一文を出力できた。発音の問題もあるが『良好』を『旅行』と認識した以外は、高い精度で音声入力が行えた。タブレットPCとして持ち歩いて、ちょっとしたメモやメールの返信などは、キーボードやペンを使うことなく、タッチ操作と音声だけで作業を済ませられる。

 Windows 11刷新に伴うPCのリプレースにあたって、2in1タイプとクラムシェルタイプのどちらを選ぶかという点は、多くのユーザーが迷うところだろう。移動中などにPCを膝に乗せた状態でもデスクで操作するのと遜色なく使える機能性や、キーボードの打鍵感を追求するユーザーにはクラムシェルタイプが有利と言える。しかし、モバイルデバイスを使いこなしているユーザーの多くは、クラムシェルタイプのPCのほかに、タブレットPCも所有しているケースが多い。例えばビジネスではクラムシェルタイプのPCを使うが、ちょっとした調べものや動画鑑賞にはタブレットPCを活用するなど使い分けているケースもあるだろう。利用スタイルをPCの用途によって変えたいユーザーに対し、Surface Pro 8ならば1台で二通りの使い方を実現する。

 インターフェースは、従来まで装備されていたUSB Type-Aコネクターはなくなり、USB Type-Cのみになった。しかし、別売りのドッキングステーションやUSBハブを活用すれば、周辺機器は支障なく接続できる。

 初代モデルから数えて8世代目となるSurface Pro 8は完成度の高い2in1タイプのモバイルPCへと進化した。Surfaceシリーズでどのモデルを選ぶか迷ったら、Surface Pro 8を選んで正解と言えるだろう。