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市場広がるeラーニングからタレントマネジメントシステムまで一挙紹介!

市場広がるeラーニングからタレントマネジメントシステムまで一挙紹介!

2021年12月10日更新

Special Feature 2
人材育成から始める組織のDX

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要が叫ばれて久しい。しかし、実態をみるとDXを実現できている企業はまだまだ決して多くはない。その理由の一つとして上げられるのが、人材育成不足だ。これまでDXに取り組んで来なかった企業では、DX推進のためのITツールを導入してもその環境の変化に従業員が追いつかず、活用が定着しないのだ。DXを推進する人材を育成していくためには、場所を問わずに学べるeラーニングサービスや、育成した人材を最適に配置するタレントマネジメントシステムの活用が不可欠となる。人材育成から、組織のDXの扉を開こう。

集合研修や対面教育の代替に
eラーニング市場が大きく伸長

感染症拡大の対策として、非接触・非対面が求められたコロナ禍。それによってテレワークやオンライン会議が大きく普及したことは言うまでもないが、従業員の研修も従来型の集合研修からeラーニングを活用した研修へと変化している。そのeラーニング市場について、矢野経済研究所が発表した調査結果をもとに最新の動向をひもといていく。

拡大した顧客層

矢野経済研究所
生活・環境・サービス産業ユニット
サービス産業グループ
主任研究員
櫨山伸之 氏

 矢野経済研究所が2021年4月26日に発表した、国内eラーニング市場についての調査によると、2020年度の国内eラーニング市場規模は前年度比22.4%増となる2,880億5,000万円の見込み。その内、法人向けのBtoB市場規模は同23.6%増となる845億5,000万円、個人向けのBtoC市場規模は同21.9%増となる2,035億円を見込んでいる。大きく市場が伸長した背景には、コロナ禍によるeラーニング需要の高まりがある。

 矢野経済研究所 生活・環境・サービス産業ユニット サービス産業グループ 主任研究員 櫨山伸之氏は「eラーニング市場は、以前からスマートフォンやタブレットなどでコンテンツが視聴できるようになった手軽さなどから拡大傾向にありました。それに加えてコロナ禍以降、企業では集合研修や対面教育などが制限され、それを代替するサービスとして、eラーニング関連サービス全般の需要が急激に高まりました。コロナ禍以前はeラーニングを利用していなかった企業からの引き合いも増えたことで、市場が拡大しています」と指摘する。

 一方で、顧客層が広がったことでeラーニングコンテンツの価格下落傾向が強まっている。eラーニングの導入が遅れていた中小企業などからの需要が、小規模・低単価なサービスに集中したためだ。それにより、顧客数は増加したものの、市場規模の伸びは緩やかになっている。

「eラーニングコンテンツの価格の下落傾向は以前からありました。大企業などは教材作成ソフトウェアを使用し、自社でeラーニングコンテンツを作る傾向にあります。これらは基本的にユーザー企業が自社内で内製化するものなので市場規模には反映されません。また、こうした流れもあって、eラーニングコンテンツは低価格化が進んでいました。このほか、クラウド型のeラーニングは、1ID単位での契約になるため、契約人数の少ない中小企業では受注価格が下がります。これらの背景が複合的に組み合わさり、市場規模の伸びは緩やかになっています」と櫨山氏は語る。

注目される高品質なコンテンツ

矢野経済研究所
生活・環境・サービス産業ユニット
サービス産業グループ
研究員
佐藤駿大 氏

 こうした市場背景を受け、2021年度の国内eラーニング市場規模のうち、BtoB市場は前年度比12.5%増となる951億円、BtoC市場は同6.9%増の2,175億円を予測している。学習塾のオンライン授業コンテンツなどを調査対象としたBtoC市場は、対面教育への需要の高さや無料学習サービスが数多く生まれていることにより、前年度に比べて金額ベースの伸長が阻害されたのだ。これにより、eラーニング市場全体を見ると、前年度比8.5%増の3,126億円と緩やかな伸びを予測している。

 eラーニングの普及が広がる中で、注目されているのが高品質なeラーニングコンテンツだ。例えば1~5分程度の短時間で最適なコンテンツを視聴して学習するマイクロラーニングや、個人にカスタムメイドされたコンテンツだ。「VRを活用した企業研修なども注目されています。特に飲食店などの接客業では、映像を見て理解するよりもVRによる実体験を交えて学んだ方が、効果的に研修できます。従来であれば集合研修や現場の設備を用いた研修が必要であったこれらの体験型の学びを、場所や時間に縛られることなく行える点が使いやすさのポイントと言えるでしょう」と矢野経済研究所 生活・環境・サービス産業ユニット サービス産業グループ 研究員 佐藤駿大氏は指摘する。

 コロナ禍が収束した後も、こうしたデジタルを活用するメリットは変わらない。今後の企業研修は集合研修とデジタルを融合させた、ハイブリッド型が主流になっていく見込みだ。佐藤氏は「例えばクレーム処理や労働災害防止のための安全教育など、対面型の集合研修では体験が難しいシーンもあります。そうした研修に、VRを活用したeラーニングコンテンツが役立つでしょう」と語った。

Topic

広がるAIの活用領域

本市場調査で注目トピックとして上げられていたのが機械学習、音声認識、自然言語処理、合成音声などのAI技術を活用した学習サービスだ。コロナ禍によって対面の授業や、学習者ごとの学習状況を管理することが難しくなり、AI技術の需要が広がっている。
例えば、アダプティブラーニング。昨今では学びの個別最適化を実現するために注目されているこの学習方法は、AIを活用することで学習者の学習理解度や習熟度の分析が容易になり、個々人に応じた最適な学習を提供できるようになる。このアダプティブラーニングと、音声認識機能や、モチベーションの維持機能を組み合わせて活用する例も増えてきており、eラーニングにおけるAI技術の適応領域は着々と拡大しているようだ。

専用の研修ツールやコンテンツの内製化で
オンライン会議ツールの機能不足を補う

コロナ禍で拡大するeラーニング市場。それでは実際にeラーニングサービスなどを提供している企業は、現在の需要に対してどのような製品を提案しているのだろうか。ネットラーニングとエクセルソフトに話を聞いた。

研修専用の配信ツールに需要

ネットラーニング
代表取締役会長
岸田 徹 氏

 2000年のダイアルアップの時代から、クラウド型のeラーニングサービスを提供してきたネットラーニング。その受講者はのべ7,000万人以上に上り、修了率は90%以上を実現しているという。その代表取締役会長を務める岸田 徹氏は「コロナ禍において、ビジネスの仕組みが根本的に変化しています。その中で、企業から求められる研修の仕組みにも、大きな変化が起こっています」と語る。

 コロナ禍においては、感染拡大を防止するため非対面、非接触が広く求められてきた。そのためテーマを決めて、一カ所に集まって行う企業の集合研修はコロナ禍において実施が難しい状況にあったのだ。

 そこで集合研修の代替として活用されたのが、オンライン会議ツールだ。講師がオンライン会議を設定し、そこに受講者がアクセスしてオンライン研修を行う。一方で、本来会議用に開発されたオンライン会議ツールを活用したオンライン研修は、研修用のツールとして使いにくい側面もある。オンライン研修を行うにはそれに最適化された、専用のシステムが必要なのだ。

 そのニーズを捉え開発されたのが、ネットラーニングのオンライン教育・研修専用の配信ソリューション「NetLive」だ。2021年3月1日からサービススタートした本製品は、実はコロナ禍以前から開発が進められていた。「時代の流れが変化し、講師が一方的に学びをレクチャーする形式から、トータルで学びをコーディネートする必要が出てくるなど、求められる人材育成が大きく変わりました。それがコロナ禍によって、より変化が加速し差し迫った課題として顕在化したことで、開発を急ピッチで進めていち早く市場に提供する必要があると判断しました」と岸田氏。

広がる学びの個別最適化

 NetLiveは、多様な研修を統合運営するするためのプラットフォームだ。オンライン指導、オフライン指導、個別指導、個別学習、協働学習に至るまで、自由に機能を組み合わせて多様な研修を実現できる。

「オンライン会議システムでの学びは、学習履歴を記録できません。NetLiveでは受講者の参加ログやさまざまな学習ログを取得できます。出欠連絡や入退室履歴、発言履歴、アンケートの回答内容などの行動履歴を取得することで、受講者の参加姿勢の確認に役立てられます。またログの活用によって、受講者の学びの個別最適化にもつなげられます」と岸田氏。学びの個別最適化は現在、教育現場で注目が集まっている学び方であるが、DX時代においては企業においても、従業員それぞれが異なるスキルを身に付け、企業競争力強化を実現する必要がある。そうした学びに、個別最適化が求められているのだ。

 また、NetLiveでのオンライン講義配信後は自動でオンデマンド配信が行えるため、講義の振り返りや反復学習、欠席者への後日の配信などに活用できる。講義配信だけでなく、eラーニングや集合研修を組み合わせた研修カリキュラムも設定でき、受講申し込みもNetLive内で完結できるのだ。

「NetLiveは、時代の変化に応える新しい研修プラットフォームです。当社ではスキルを可視化し、企業の人材育成を加速する国際技術標準規格『オープンバッジ』の発行資格も有しており、活用することで研修を受講した社内人材のスキルの見える化にも役立てられます。現在人材育成は最大の転機を迎えており、その時代の変化に合わせた新しいサービスとして、NetLiveを広く展開していきます」と岸田氏は語った。

NetLive
NetLiveでは、オンライン会議のUIに近い対面式でオンライン講義を行う。従来オンライン会議システムを使ってオンライン研修を実施していた企業でも使いやすいのだ。
NetLiveでオンライン講義を配信した後は、自動でオンデマンド配信が行われる。欠席者が後日閲覧したり、講義の振り返りや反復学習などに活用できる。

PowerPointから教材を内製

 eラーニングを活用して従業員教育を行う上で、教材コンテンツの存在は重要だ。企業研修は外部の研修会社に委託して実施されるケースが大半であり、eラーニングにおいても既存の動画教材を活用して研修を行うケースもあるだろう。しかし、企業や職種によって当然ながら求められる知識やスキルは異なる。特に研修内容を業務に直結させて即戦力とするためには、自社でeラーニングコンテンツを制作することも一つの手だ。

 エクセルソフトが提供する米国 iSpring Solutions製の「iSpring Suite 10」は、そうしたeラーニングコンテンツの内製化を実現するオーサリングツールだ。PowerPointをHTML5形式やMP4形式のデータに変換し、デスクトップPCやノートPC、iPhoneやiPadなどのモバイルデバイスといった、さまざまなデバイスから閲覧できるコンテンツを作成できる。

 エクセルソフト 営業部 森 福太郎氏は「コロナ禍により、昨年から劇的に利用ユーザーが増加しました。在宅勤務で手軽に企業研修が行えるということで、今非常に引き合いが増えているツールです」と語る。

 主な機能として、スライドをHTML5やeラーニング用のLMSに変換できる「Publish」、変換後のスライド表示を確認できる「Preview」、クイズやアンケートの作成機能「Quiz」、対話式トレーニング機能「Dialog Simulation」などが搭載されている。PowerPointでスライドを作成し、iSpring Suite 10上で音声やナレーション動画を録音、最後に学んだ内容の理解度をチェックするクイズを作成してLMS用にコンテンツを変換すれば、簡単にeラーニングコンテンツを自社で作成できる。クイズには、正誤問題や多種選択、穴埋め問題などの14種類の出題形式が用意されているため、学んだ内容に適したクイズ形式で理解度が確かめられる。

「iSpring Suite 10は、企業規模や業種を問わず、さまざまなお客さまに利用いただいています。eラーニングコンテンツの作成以外にも、製品資料としてWebサイトに組み込んで公開することも可能なため、多様な活用が可能な製品です」と森氏。

 iSpring Suite 10は今までの資料を流用しつつ、従業員教育に活用できるため、企業競争力強化に手軽につなげられるツールと言えるだろう。

iSpring Suite 10
iSpring Suite 10は。PowerPointのアドインとして動作するため、新しいソフトウェアの利用方法を覚える必要がない。Preview機能ではスマートフォンやタブレットで、変換したコンテンツがどう表示されるかを確認できる。

一元化した人材情報を元にした
最適な人材配置を実現するツールとは

人材の育成と平行して求められるのが、人材の適正配置だ。eラーニングをはじめとした企業研修によって従業員が身に付けたスキルを、組織内で発揮してもらうためには、そのスキル情報などをもとに最適な人材配置を行えるタレントマネジメントシステムが不可欠だ。そうしたサービスについて、プラスアルファ・コンサルティングとjinjerに紹介してもらった。

科学的人事戦略へシフト

プラスアルファ・コンサルティング
タレントパレット事業部
イノベーション・セールスコンサルティングG
グループマネージャ
山夲哲平 氏

 プラスアルファ・コンサルティングが提供する「Talent Palette」は、“人事にマーケティング思考を取り入れる”タレントマネジメントシステムだ。あらゆる人材データの一元化・分析を実現することで、組織の力を最大化させる。

「現在、多くの会社の人事部門では業務が逼迫しています。その原因としてあるのが、属人的な人事管理と言えるでしょう。Excelベースの人事情報管理から脱却し、“人事データを活用する”部門へシフトしていくことが、人事の“今”と経営の“未来”を変えることにつながります」と語るのは、プラスアルファ・コンサルティング タレントパレット事業部 イノベーション・セールスコンサルティングG グループマネージャ 山夲哲平氏。

 Talent Paletteが実現するのは、そうした属人的な人事管理から「科学的人事戦略」へのシフトだ。「人事情報を管理している企業は数多くありますが、人事情報を活用している企業はほとんどありません。しかし、マーケティングの分野でデータ活用は当たり前に行われていることです。Talent Paletteは、そのマーケティング思考を取り入れたタレントマネジメントシステムです。そしてそのデータ活用を実現するためのTalent Paletteのコア技術が『テキストマイニング』なのです」と山夲氏。

テキストマイニングで人材を分析

 Talent Paletteでは、テキストマイニングによって自己申告やアンケートなどを活用したテキストデータに基づく人事施策が可能だ。例えば、テキストデータと従業員データをひも付けることにより、「異動したい」と発言した従業員がなぜそのような発言をしているのか、直近の労務環境やモチベーションなどから、状況を把握できる。また、人事評価で入力しているフリーテキストを分析すれば、多角的な側面から従業員を評価し、異動検討に活用できる。

 このテキストマイニング技術による従業員の見える化をベースに、Talent Paletteでは「異動シミュレーション」「採用管理」「人事評価」「ダッシュボード」「エンゲージメント・離職分析」「研修管理(eラーニング)」といった豊富な機能群を備えている。人事データの集計レベルにとどまらず、従業員の考え方・価値観といったマインドや、技術・資格といったスキルなどのエモーショナル・データ(動的データ)の収集が可能になり、これらを組み合わせて統合的に管理・活用することで、科学的人事を実現できるようになる。プラスアルファ・コンサルティングはこれらのデータを人事データではなく「人材データ」であると定義している。

 山夲氏は「データの一元化や集約はあくまでも手段です。人事部門の目的はその先にある、人材の最適配置にあります。Talent Paletteでは従業員の顔と名前、キャリアやスキル、組織への滞留時間などを一覧で見ながら、人材配置のシミュレーションが可能です。操作はドラッグ&ドロップで行え、異動によるキャリアやスキルの偏りなどの影響度も把握できます」と語る。

 プラスアルファ・コンサルティングでは今後も開発を続け、健康経営などに向けた新機能強化にも取り組んでいく。

Talent Palette
Talent Paletteではテキストマイニングによって、人材の働き方、キャリアプランなどを可視化できる。スキル分析などの情報も1画面で表示でき、従業員管理が行いやすい。

人事情報を時系列で閲覧

プロダクトデザイン本部
プロダクトデザイン部
本部長
松葉治郎 氏

 バックオフィス向けクラウドサービス「jinjer」。もともと人材サービスや採用支援事業などを行っていたネオキャリアが提供していた本サービスは、2021年11月1日付けで新たに設立されたjinjerに事業譲渡された。jinjerでは今後もjinjerシリーズを主力サービスとし、企業のバックオフィス支援を継続すると同時にDXへの支援を強化していく。

 そんなjinjerが提供する人事・労務向けプラットフォームのサービスの一つが「jinjer人事」だ。入社書類や年末調整など従業員に関わる書類の管理をペーパーレス化・効率化し。バラバラに管理していた従業員情報の一元管理を実現できる。

 jinjer人事による従業員情報の管理のメリットを、jinjer プロダクトデザイン本部 プロダクトデザイン部 本部長 松葉治郎氏は次のように語る。「jinjer人事では、従業員の人事情報が時系列ベースで閲覧できます。例えばいつ入社して、いつどの部署に配属され、どの資格をいつ取得したか、といった情報が、タイムライン形式で確認できます。これらの従業員の情報を、トップページからリストビュー形式で確認することもできますし、社員番号、氏名、所属、入社年月日などさまざまな項目から検索することも可能です。また、不特定多数の従業員に、任意の名称で作成したタグを付け、検索をかけたり、組織図上に表示できます。このタグ機能によって、次期役員候補の絞り込みや育成を効果的に行ったり、DX人材に対してタグを付けて組織改編に生かすなど、従業員管理の煩雑さを最小限に抑えた人事管理が可能になります」

 受講した研修や取得した資格もjinjer人事上で登録・管理できる。デジタル技術やデータ活用に精通したDX人材のスキルの可視化も、jinjer人事上で登録した情報を元に行えるため、DX人材を増やしていく上でどういったスキルの取得が必要なのかを客観的な視点から判断できる。

「もともとネオキャリアの採用支援事業から、企業の人事部門を支援するために生まれたjinjerは、現在人事労務だけでなく勤怠管理、給与計算、請求書、電子契約、Web会議など複数のサービスを提供しており、企業のバックオフィス業務の効率化を協力に支援しています。より高度な人事管理を実現し、DX人材の適材配置とともに企業のDXを推進していくために、jinjerブランドをさらに大きく広げていきたいですね」と松葉氏は語った。

jinjer 人事
jinjer人事では、タグ付けによって従業員の登録や管理が可能だ。次期執行役員のタグを付けておけば、絞り込みや育成を効率的に行える。
従業員の入社日や異動の情報などはタイムライン形式で表示される。資格の取得時期やキャリアを一目で把握でき、人材配置に生かしやすい。

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