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コロナ禍による3密回避で国内UC/コラボレーティブワークスペース市場が成長

コロナ禍による3密回避で国内UC/コラボレーティブワークスペース市場が成長

2021年07月06日更新

3密回避を背景にUC市場が成長

Unified Communications/Collaborative Workspace

 IDC Japanでは、「Cisco UCM Cloud」などのIPネットワークを基盤とする通信システムをユニファイドコミュニケーション、「Zoom」などのWeb会議・コンテンツ共有アプリケーションをコラボレーティブワークスペースと定義し、それらに関する市場を調査している。コラボレーティブワークスペース市場は、コロナ禍による「3密」回避で需要が急速に増加し、高い成長率を見せている。そうした変化を踏まえ、IDC Japanが国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーティブワークスペース市場予測を発表した。

 本調査によると、2020年の国内ユニファイドコミュニケーション(以下、UC)/コラボレーティブワークスペース市場は、前年比成長率が8.7%、市場規模が4,084億7,800万円となった。小売業のオムニチャネル導入などデジタル空間での顧客エクスペリエンス向上施策や、他人との接触を減らすためにテレワークが拡大したことなどが、同市場の成長につながったとIDC Japanは分析している。

 しかし、中小企業および、流通/サービス/公共など対面を前提としてきた業種では、相対的にテレワークの導入率が低い。導入済みの企業でも、生産性という点で効果を発揮できていないケースがある。国内UC/コラボレーティブワークスペース市場の調査では、デジタルワークスペースの活用が業務に与える影響に関しても調べている。例えば、「顧客とのアポイントメント調整/提案」「社内メンバーへの教育/業務進捗確認」など調整が必要であったり、相手に応じた対応が求められたりする業務では、生産性が低下したという回答が多い結果となった。これを踏まえ、国内UC/コラボレーティブワークスペース市場が今後も成長を続けるためには、対人業務でも生産性が低下しないデジタルワークスペースの活用の工夫が必要だと指摘する。

デジタルワークスペースの向上を

 IDC Japanは、リモートワークの適用範囲拡大、高度化、Web会議などを非接触ソリューションと意義付けている。これらに蓄積したデータ分析/活用需要の拡大により、2021年度以降の国内UC/コラボレーティブワークスペース市場の推移は堅調な成長を見せると予測している。その結果、同市場は年平均成長率4.0%で推移し、2025年には市場規模が4,968億1,500万円になる見込みだ。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリスト 太田早紀氏は、同市場の今後の成長に向けて「中小企業へのリモートワーク導入サポートおよびユースケース拡大、デジタルワークスペース活用の高度化を通じた継続的な働き方改革支援、非接触ソリューションに蓄積されたデータ活用による新たな事業機会の開拓を行い、継続的な国内におけるデジタルワークスペース活用の向上を検討すべきである」と提言した。

市場はWi-Fiモデルを中心に拡大

Tablet

 MM総研は、2020年の国内タブレット端末の出荷状況を調査し、今後の動向予測を発表した。2020年の国内タブレット端末の出荷台数は969万台で、前年比31.1%増と高い伸びを示した。この結果は2015年のタブレット端末出荷台数の943万台を上回り、過去最高となった。

 出荷台数が増加した要因として、2019年12月に文部科学省より打ち出された「GIGAスクール構想」の影響が大きいと同社は分析した。GIGAスクール構想では、児童生徒1人につき1台の端末環境整備が掲げられている。この児童生徒1人1台環境の実現に向けて、文教市場で小中学校向けタブレットの需要が急増したとみている。
 コロナ禍も国内タブレット市場に大きな影響を与えている。2020年4月7日~5月6日の第1回目の緊急事態宣言を契機に「巣ごもり需要」が高まり、自宅での動画・音楽視聴や電子書籍での読書、端末を利用した学習に時間が費やされるようになった。その結果、自宅で使用するタブレット端末の需要が継続しているのだ。
 上記の状況を踏まえ、3G/LTEネットワーク通信が利用可能な携帯キャリアが提供する「セルラータブレット」の出荷は減少が続いているという。セルラータブレットの出荷減少傾向は2021年も継続する可能性が高く、国内タブレット端末市場は、引き続き無線LAN通信のみを可能とする「Wi-Fiタブレット」を中心に拡大していくとMM総研は予測している。

メール誤送信防止市場はPPAP廃止で好調に推移

Mail Security

 アイ・ティ・アールは、メール誤送信防止市場の規模推移および予測を発表した。メール誤送信防止市場の2019年度の売上金額は37億8,000万円で、前年度比18.5%増となった。背景には、企業におけるOutlookなどのクラウドメール利用増加がある。この利用増加から、情報漏えい対策などさらなるセキュリティ強化が求められ、クラウドサービス向けのメール誤送信防止市場が拡大した結果となった。

 メール誤送信防止対策として、暗号化したZIPファイルをメールに添付して送信し、解凍パスワードを別送する「PPAP」(Pre send Password file After send Password)方式が一般化している。しかし、同経路で暗号化ファイルとパスワードを送信した際の盗聴の危険性など、セキュリティ上の問題も指摘されている。こうした課題を受けて、内閣府・内閣官房は2020年11月からPPAP方式によるファイルのやりとりの廃止を発表した。

 本発表を受け、添付ファイルのWebダウンロード機能を搭載したメール誤送信防止ソリューションへのニーズが企業の間で高まっている。そのため、2020年度の売上金額は41億6,000万円と同10.1%増を予測している。テレワーク環境下のセキュリティ対策でも重要度が増していることを踏まえ、2019~2024年度の同市場の年平均成長率を6.9%と予測している。

 アイ・ティ・アール コンサルティング・フェロー 藤 俊満氏は、同市場の今後の動向について「誤送信対策製品・サービスは今後、IRM(Information Rights Management)やDLP(Data Loss Prevention)機能の統合によって送信後でもアクセス権限管理ができるようになり、セキュアな環境構築のための強力なソリューションになっていくと考えます」と予想している。

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