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SAP ジャパン バイスプレジデントの藤井善豪氏が中堅・中小企業向けERP市場戦略を語る

SAP ジャパン バイスプレジデントの藤井善豪氏が中堅・中小企業向けERP市場戦略を語る

2021年03月05日更新

業務のデジタル化をけん引するリーディングベンダーに
2021年度の市場戦略を問う

コロナ禍で浮き彫りになったのは、通常通りの業務継続をどのような場合でも実現できるデジタル化の必要性だ。人口減少社会に突入している日本では、生産性の向上の側面からも業務のデジタル化は速やかに実行すべき課題となっている。そうしたデジタル化をアプリケーションの提供で促進している5社に2021年度の市場戦略を聞いた。

中堅中小企業向けの新たなエコシステムを
販売パートナーと作る

ERP

SAPジャパン

グローバルでERP市場を主導しているSAPは、中堅・中小企業向けのビジネスにも力を注いでいる。ERP市場の現在と、国内展開のこれからについて、SAPジャパン バイスプレジデント ミッドマーケット事業統括本部長の藤井善豪氏に伺った。

SAPジャパン
バイスプレジデント
ミッドマーケット事業統括本部長
藤井善豪氏

―中堅・中小企業におけるERPの導入はどのように進んでいるのでしょうか。

藤井氏(以下、敬称略) コロナ以前から中堅・中小企業のお客さまの数は増えています。実際、グローバルでみても、当社のお客さまの8割以上が中堅・中小企業で、国内における顧客数では過去2年で31%の増加を記録しています。

 背景には生産年齢人口の減少で中堅・中小企業においても生産性の向上が必須となっている事情があります。実現させるためには業務のデジタル化は欠かせない要素なのです。そうした中で選択されているのが、デジタルプラットフォームとして機能する当社のERPソリューションです。

 ITには「攻めのIT」と「守りのIT」の双方があり、ERPは守りのITに相当すると言われています。攻めと守りを家に例えると、家の土台となる1階が守りのIT、2階が攻めのITとなるでしょう。この場合、土台がしっかりしていないと満足に攻めはできません。そのため、会計、販売、調達、購買などの守りの部分の業務を統合し、さらに攻めへとつなげられるERPのニーズが中堅・中小企業でも高まっているのです。当社のソリューションを導入すれば、データの蓄積から営業施策への活用など、攻めのITにも貢献できる体制を、低コストで素早く効率的に実現可能です。

―中堅・中小企業向けに提供されている「SAP Business One」について教えてください。

藤井 SAP Business Oneは、購買、販売、生産、顧客、会計などの基幹システムを統合し、業務のリアルタイム処理を実現するERPソリューションです。複数のソースからデータを収集して、企業全体のデータに基づくタイムリーで正確なリポートを生成できます。モバイルデバイスにも対応しており、iOSやAndroidデバイスから、リアルタイムリポートの表示、在庫の確認、販売、サービスチケット、業務活動の管理、アラートの受信、承認処理などが行えます。

業界向けプラットフォームを提供

―中堅・中小企業向けのSAP Business Oneの導入も拡大しているとのことですが、顧客をさらに獲得していくためには何が必要でしょうか。

藤井 新たなエコシステムを販売パートナーとともに拡大させていくことが重要だと認識しています。具体的には以下の三つの施策を推進していきます。

・業界トップ企業をパートナーに、その業界の中小企業向けのエコシステムを構築展開(年商100億円以下の企業が対象)
・インテリジェントエンタープライズ標準ソリューションモデル(i-ESM)の中堅企業への本格展開(年商100億円以上1,000億円以下の企業が対象)
・パートナー育成:生産性の高い導入モデルへの転換、デジタル人材の育成

 例えば業界ごとに、中小企業のお客さまを中心とした新しいエコシステムを作るため、各業界のトップのお客さまと一緒にその業界向けのプラットフォームを構築していきます。すでに建設業界向けのプラットフォームとして「LANDLOG」があります。建設業界に特化したERPプラットフォームで、管理プロセスの共通化などが図られているため、建設業界の中小企業ユーザーに提案しやすくなっています。

 こうしたプラットフォームを「相乗り型Cloud ERP」として、建設業だけでなく、自動車、銀行、ヘルスケア、小売り、旅行・運輸などさまざまな業界に拡大させていきます。

パートナーを支えるプログラムを用意

―販売パートナーの支援策も重要になりそうですね。

藤井 大企業と比較して人的リソースが少ない中堅・中小企業のお客さまに対しては、当社が提供するERPソリューションに対してFit to Standardのアプローチが前提となっていくでしょう。お客さまの業務をソリューションに合わせていくスタンスであり、その部分をリードしていくのが、販売パートナーの皆さまの役割にもなるはずです。

 そうした観点も含めて販売パートナーを支援できるように、パートナーサクセスプログラムを拡充させます(図参照)。販売パートナーのトレーニングや営業支援などに加えて、SAP Business Oneを導入されたお客さまに対しても、お客さまの自社主導でERPを活用できるようなプログラムを提供します。

 これからの日本は、中堅・中小企業の成長が鍵を握ります。当社は、SAP Business OneなどのERPソリューションの提供で、中堅・中小企業のデジタル化をサポートしていきます。

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