2021年10月28日、マイクロソフトからSurfaceデバイスを一元管理できる「Surface Management Portal」がリリースされた。このSurface Management Portal、どうやらかなり画期的なツールらしい。ビジネスチャンスを感じたダイワボウ情報システム(DIS) 販売推進本部の担当者が、日本マイクロソフト Surface パートナーテクノロジーストラテジストの涌井克浩氏に話を伺った。

五つの機能でIT管理者の負担軽減

玉川氏(以下、敬称略)■まず始めに、Surface Management Portalについて機能や特長を教えてください。

涌井氏(以下、敬称略)■Surface Management Portalとは、その名の通り、Surfaceをマネジメント(管理)するためのポータルです。「Microsoft Endpoint Manager」の一機能として、「Microsoft Intune」を介して、Surfaceデバイスを登録したお客さまが利用できます。Surface Management Portalには、「カウント」「インサイト(分析情報)」「保証とカバレッジ」「サポートとカバレッジ」「ニュース」の五つの機能が備えられています。

 カウントは、Surface Pro 9が24台/Surface Pro 8が88台といったデバイスの種類と台数、ポリシーに準拠しているのか、ストレージの空き容量など、管理しているデバイスの情報を確認できます。PCだけではなく、デジタルホワイトボードの「Surface Hub」やスマートフォンの「Surface Duo」など、Surface製品であれば全て一元管理が可能です。昨今、BYODを導入する企業が増えていますが、それによりデバイスの数を把握しづらくなったといった課題も挙げられています。カウント機能は、そうしたデバイス管理に大いに役立てられます。

 インサイト(分析情報)は、Intuneのコンプライアンスやポリシーに準拠していないデバイスは何台あるのか、「Windows 10 Pro」以上のOSに搭載されているデータ暗号化機能である「BitLocker」を有効化していないデバイスは何台あるのか、ディスクの容量が10%を切っているデバイスは何台あるのかといった情報の確認が行えます。

 保証とカバレッジは、管理しているSurfaceの保証終了日はいつなのか、60日以内に有効期限が切れてしまうデバイスは何台あるのか、延長保証を購入しているデバイスはどれなのかといったことが確認できます。

 サポートとカバレッジは、Surfaceが故障した場合の修理サポートを発行できます。モニターが映らなくなった、画面表示がぶれているといった不具合が生じた際の問い合わせが簡単に行えます。問い合わせのステータスはどうなっているのか、修理対応をしたデバイスはどれなのか、などの情報も一覧表示ですぐに閲覧可能です。

 ニュースは、当社のサービスエンジニアリングチームが投稿したブログなどを表示し、ユーザーがSurfaceに関する最新情報をいち早く入手できる機能です。

 これらの機能によって、IT管理者が多数のSurfaceデバイスの管理、監視を無理なく実行できるようになります。

Intuneの利用が必須要件

玉川■Surface Management Portalの利用要件はありますか?

涌井■まず、Microsoft Intuneを利用していること。そして、利用している端末がSurfaceであり、Intuneにデバイスの登録がされていること。これが要件です。アプリケーションをインストールしたり、特別な設定をしたりすることなく、利用できます。追加の費用はかかりません。

玉川■有償の資産管理ツールが多い中で、Surface Management Portalであれば、資産管理の機能が無償で利用できることは、大きなメリットと言えますね。

涌井■お客さまから「Surfaceならではの機能や強みは何か」と聞かれた際に、Surface Management Portalが利用できることも強みとして紹介しています。

中尾氏(以下、敬称略)■以前からSurfaceを使用しており、これからSurface Management Portalを利用する場合、過去のデータをさかのぼることは可能でしょうか?

涌井■Intuneに登録しているデバイスであれば、全ての情報が表示されます。途中から利用する場合も、過去のデータをさかのぼって確認できます。

中尾■問い合わせの対応について、外資系の企業さまですと、日本語で問い合わせをしても日本語を理解できる対応者がいなければ回答が返ってこないといったケースが少なからずあります。マイクロソフトさまはどのような対応を取られていますか?

涌井■問い合わせのあった方の地域や、製品の品番を国ごとに振り分けて対応していますので、日本語の対応者がいないといった事態が生じることはありません。万全のサポート体制を整えています。

Surfaceとの組み合わせが最適

玉川■企業においてSurfaceだけではなく、ほかのOEM PCやMac、Chromebookなどの複数の端末を管理しているケースもあります。そうした場合に、Surfaceを含む全てのデバイスを有償の資産管理ツールで一元管理するのか、SurfaceだけでもSurface Management Portalで管理するべきか、どちらが良いのでしょうか?

涌井■Surfaceに関しては、Surface Management Portalで管理するべきでしょう。例えば、Surfaceの保証の情報については、Surface Management Portalを利用しなければ、確認できない機能となっています。保証の情報を1台ずつ手作業で確認したり、リスト化したりするとなると膨大な時間がかかり、IT管理者にとっては骨の折れる作業です。また、故障の対応を要求する際にも、Surface Management Portalが活用できますので、Surfaceと組み合わせた利用をお薦めします。

中尾■最後に、Surface Management Portalをさらに多くのお客さまに知っていただくための施策はありますか?

涌井■セミナーや展示会などを通して、お客さまにSurface Management Portalを紹介する機会が増えてきましたが、さらに多くのお客さまに知っていただくために、DISさまと共に今後も拡販を進めていきたいと考えています。IT管理者の負担を軽減する管理ツールとしてSurface Management Portalがあり、その魅力を伝えることで、Surfaceの利用促進、IntuneやMicrosoft 365などの導入提案にもつなげていきたいと考えています。