いつでもどこでもすぐに仕事ができる
クラウド時代の生産性向上の決め手
LTE/5G対応ノートPC『Connected Modern PC』

政府が推進する「デジタル田園都市国家構想」においても5Gの早期の普及が明示されており、2030年度末に全国・各都道府県99%の人口カバー率が目標に掲げられている。こうした取り組みが進められている中で、インテルとNTTドコモは2021年4月20日、LTE/5G対応のノートPCである「Connected Modern PC」市場の拡大に向けた協業を目的とする連携協定を締結したことを発表した。さらに日本HPとレノボ・ジャパンがCMPC分野における協業に加わった。5Gが普及することでPCを使った仕事環境や、PCの選び方が、また大きく変わりそうだ。

フォームファクターとコネクティビティ
二つの観点でモビリティが進化した

インテル
業務執行役員 工学博士
クライアント・コンピューティング・グループ
コネクテッド・プラットフォーム・ビジネス開発
ディレクター
庄納 崇 氏

 リモートワークが定着している現在、仕事で利用するPCにはフォームファクターとコネクティビティの二つの観点でモビリティが必須要件となっている。これらのモビリティにおいてインテルはその時代に応じた仕様を提唱し続けてきた。インテルで業務執行役員 クライアント・コンピューティング・グループ コネクテッド・プラットフォーム・ビジネス開発 ディレクターを務める庄納 崇氏は次のように説明する。

「フォームファクターにおいてはデスクトップPCからノートブックPCへの移行でモビリティが加わり、ノートブックPCにおいても『Ultrabook』を提唱して薄型軽量のモバイルPCや2in1 PC、コンバーチブルPCを市場に提案し普及しました。現在では「インテル EvoTMプラットフォーム」を提唱し、仕事でも趣味でもユーザーがしたいことがストレスなくできるノートPCも普及しています」

 コネクティビティのモビリティにおいては「ネットワークが有線LANから無線LANへ、さらに4GやLTEなどの携帯電話通信へと変化することでコネクティビティにおけるモビリティの自由度が高まっています。インテルは2003年に『インテル Centrino』を提唱してWi-Fiを標準搭載するノートPCを普及させ、現在では全てのノートPCでWi-Fiが利用できるようになっています」と話す。そして現在、インテルはLTE/5G対応のノートPC「Connected Modern PC」の普及促進を図っている。

クラウドを使って仕事をするならば
すぐに利用できるネットワークが必須

NTTコミュニケーションズ
プラットフォームサービス本部
コミュニケーション&アプリケーション
サービス部
第一サービス部門
宇田川 賢治 氏

 クラウドサービスが普及した現在、アプリケーションやデータの利用にネットワーク接続が前提となっている。そのためPCにはコネクティビティにおけるモビリティの自由度、すなわちいつでもどこでもネットワークが利用できることが求められる。

 庄納氏は「ノートPCがネットワークにつながっていなければ、もはや仕事ができない状況になっています。多くのユーザーが利用しているWi-Fiは、利用できる場所を探さなければならず、すぐに仕事をしたいというときに困る場合が多々あります」と指摘する。

 この指摘に対してNTTコミュニケーションズ プラットフォームサービス本部 コミュニケーション&アプリケーションサービス部 第一サービス部門の宇田川 賢治氏は、仕事ではConnected Modern PCの利用を薦める。

「日本国内は携帯電話通信網のエリアカバー率が高く、Wi-Fiスポットを探さなくてもLTE/5G対応のノートPCであるConnected Modern PCを利用すれば、いつでもどこでも即座にネットワークに接続できます。特に5Gを利用すれば超高速、大容量のデータ通信で、快適かつ高い生産性で仕事ができます」(宇田川氏)

 LTE/5Gにはセキュリティのメリットもある。ノートPCはオフィスや自宅から持ち出して利用することも想定されるが、その際に紛失する可能性がある。紛失に備えて遠隔でノートPCの利用を禁止したり、ノートPCに保管されているデータを削除したりするMDM(Mobile Device Management)で対策していても、対象となるノートPCがネットワークに接続されていなければそれらの機能は利用できない。

 Wi-Fiを利用する場合、圏外にあるとMDMによる遠隔操作ができず、データが流出する恐れがある。しかしConnected Modern PCならば電源を入れると同時に自動的にLTE/5Gのネットワークに接続されるためMDMから遠隔操作でき、データの流出を防ぐことが可能となる。

LTE/5G対応ノートPC「Connected Modern PC」はPCメーカー各社から続々と発売されている。今後はさらに製品ラインアップが充実していく。写真はいずれもIntel 5G Solution 5000対応の日本HPの「HP Elite Dragonfly G3」(左)とレノボ・ジャパンの「ThinkPad X1 Carbon Gen10」(右)。

利用エリアと通信コストへの疑問を払拭
数年後にはビジネスの必須アイテムとなる

 いつでもどこでもすぐにネットワークに接続でき、しかも高速、大容量のデータ通信で仕事の生産性も向上させられるConnected Modern PCだが、疑問点も聞こえてくる。それは5Gの利用エリアと通信コストだ。

 宇田川氏は「5G は急ピッチで対応基地局を増やしています。また5Gのサービス圏外でもLTEが使えますので、意識することなくネットワークに接続できます」と説明する。

 また公衆Wi-Fiに対してLTE/5Gを利用するメリットについて「企業ユースではセキュリティの担保が不可欠です。公衆Wi-Fiで企業データを送受信することの危険性を理解すること、LTE/5Gと閉域サービス等で通信することのセキュリティの高さを理解することでコスト以上のメリットを認識していただけると考えています」と強調する。

 政府も5Gの普及や利活用に力を入れており、同時に企業におけるセキュリティの強化にも取り組んでいる。またセキュリティリスクの観点から業務での公衆Wi-Fiサービスの利用を禁じている企業も少なくない。これらの要因から数年後にはビジネス用途では5Gが一般的になる可能性もある。

 庄納氏は「数年後の5Gの普及やさまざまな領域での利活用の拡大を見越して、今から5G対応のConnected Modern PCを選ぶべきです」とアドバイスする。今後はConnected Modern PCが業務用ノートPCのスタンダードになりそうだ。