生成AIの活用が進む中、PCは単なる業務端末から、一人ひとりの生産性向上を支援する“AIパートナー”へと進化している。一方で企業には、AI活用による業務効率化だけでなく、情報保護や運用コストの最適化も求められる。こうした課題に応えるのが、日本HPのローカルAIソリューションと「AMD Ryzen AIプロセッサー」を組み合わせた次世代AI PCだ。両社が提案する新しい働き方を紹介する。
AIを毎日の業務で活用できる環境へ
日本のビジネス環境におけるPCニーズについて、日本HP パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 モバイルビジネス部長の岡 宣明氏は「日本のビジネスパーソンは移動が多く、軽量性や長時間駆動へのニーズが高いです」と語る。こうした日本市場特有の要件に応えるため、日本HPと日本AMDは連携してAI PCの提案を進めている。
その中核を担うのが、AMDが提供するAI PC向けプロセッサー「AMD Ryzen AI 300/400シリーズ プロセッサー」だ。CPU、GPU、NPUを最適に活用することで、AI処理と日常業務を快適に実行できるプラットフォームを提供する。
日本AMD コマーシャル営業本部 エンタープライズ事業統括部長 楊 博光氏は、AMD Ryzen AI 300/400シリーズ プロセッサーをはじめとする「AMD Ryzen AIプロセッサー」が日常業務の効率化にどのように貢献するのかについて、次のように説明する。「企業のお客さまが求めているのはAI性能の数値そのものではなく、実際の業務改善です。AMD Ryzen AIプロセッサーは、議事録作成や翻訳、資料要約、メール作成といった日常業務を支援し、生産性向上に貢献します。複数のアプリケーションを利用する環境でも快適な操作性を維持できることが特長です」
またAMD Ryzen AIプロセッサーは、その高い処理性能を生かし、高負荷なマルチタスク処理では処理時間の短縮による業務効率向上も期待できる。さらに、暗号化エンジン「AMD Secure Processor 2.0」を搭載し、データやシステムをハードウェアレベルで保護することで、企業のセキュリティ対策を強力に支援する。機密情報を扱う企業にとって、高いパフォーマンスとセキュリティを両立できる点は大きなメリットだ。


機密情報を守りながらAIを活用
生成AIの活用が広がる一方で、機密情報の取り扱いを懸念する企業も少なくない。そこで注目されているのが、PC上でAI処理を行うローカルAIだ。
岡氏はローカルAIの強みについて「ローカルAIには機密データを外部へ出さずに活用できるセキュリティに加え、オフライン利用や運用コスト削減といったメリットがあります」と語る。
日本HPは企業へのローカルAI普及を促進するため、今年の1月22日に「HPハイブリッドAI推進コミッティ」を設立した。さらに、楽天グループとのパートナーシップにより、日本語に特化したローカル大規模言語モデル(LLM)「Rakuten AI for Desktop」を提供している。「Rakuten AI for Desktopによって、長文の要約や翻訳、議事録作成、FAQ検索などを安全かつ高速に実行できます。日常業務で発生する情報整理や文書作成の負担を軽減し、業務効率の向上にも貢献します」と、岡氏はその活用メリットを語る。
これに対し楊氏は「AMD Ryzen AIプロセッサーはローカルLLM活用の基盤となります。通信環境がない場所でも利用でき、機密情報を外部へ送信することなくAIを活用可能です。クラウドAIとローカルAIを適切に使い分けることで、企業は安全かつ効率的なAI環境を構築できます」と話す。

(右)日本HP パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 モバイルビジネス部長 岡 宣明 氏
AI活用を支える二つのPC
企業のAI活用を支えるPCとして、日本HPが提供する14インチノートPC「HP EliteBook X G2a 14 AI PC」は、約1kgの軽量設計とAMD Ryzen AI 400シリーズ プロセッサーを組み合わせたモバイルノートPCだ。岡氏はHP EliteBook X G2a 14 AI PCのメリットについて、こう話す。「持ち運びやすさと高いAI処理性能を両立し、長時間のバッテリー駆動も実現しています。さらにキーボードやバッテリーをユーザーさま自身が交換可能な設計を採用しており、長期間にわたって利用できます」
さらにHP EliteBook X G2a 14 AI PCは、日本HP独自の付加価値サービスに対応している。それは5年間のデータ通信が無制限で利用できる「HP eSIM Connect」と、電源オフ時でも位置追跡や遠隔ロック・データ消去が可能な「HP Wolf Connect」だ。これらのサービスによって、通信コストの削減と端末管理の効率化を実現している。
また日本HPでは、AI活用を支えるPCとして、「HP EliteBoard G1a Next Gen AI PC」も展開している。HP EliteBoard G1a Next Gen AI PCは、キーボード内部にPC機能を収めた新しいカテゴリーの製品だ。約676g~の軽量設計と高い省スペース性を実現しており、オフィスや在宅勤務環境を柔軟に行き来できる点が特長だ。フリーアドレスオフィスや店舗窓口など、多様な利用シーンへの展開も期待されている。
最後に楊氏は、今後の展望について次のように語った。「当社は評価機の貸出や技術セミナーを通じて多くのパートナーさまを支援し、日本企業さまのローカルAI活用を後押ししていきます」
これを受けて岡氏も「これからのPCは価格だけでなく、生産性、セキュリティ、通信、長寿命、そしてAI活用といった価値を総合的に提案することが重要です。ダイワボウ情報システムさま、および全国の販売パートナーの皆さまと共に、日本の企業におけるAI活用と働き方改革を力強く推進していきます」と締めくくった。
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