【特集】パートナー事例:ケーケーシー情報システム 

平安遷都から1200年以上の歴史を刻む京都には、長く受け継がれてきた伝統産業が息づく一方、半導体や電子部品、ゲーム機など、独自の技術で世界市場を切り開いてきた企業も数多く存在する。今回訪問したケーケーシー情報システムは、確かな技術力と顧客からの信頼を基盤に、地域社会と地域産業の発展を支えてきたIT企業だ。本格化するAI時代を見据え、同社は自社でのAI活用を進めながら、顧客の業務改革を支援する新たな取り組みに着手している。地域に根差した同社の経営方針と、AI活用に向けた展望を伺った。

顧客と二人三脚で課題を解決
地域密着で高める支援の実効性

MOEKO●ケーケーシー情報システムさまは1972年、京都銀行本店内に京都計算センターとして設立され、京都府内の自治体にソリューションを提供してきました。その後、社名を現在のケーケーシー情報システムに変更し、自治体などの公共機関向けパッケージ製品を開発して、全国へ事業を拡大しました。

 ところが、松下さんが社長に就任した2015年、「責任を持ってサポートできる地域に限定する」という経営方針を掲げ、営業地域の拡大から、地域との関係を深める方向へ大きくかじを切りました。その理由を教えてください。

松下さん●自治体では、少子高齢化に伴って職員が減少する中、地域課題の解決や行政サービスの品質・利便性の向上など、数多くの課題への対応が求められています。それに伴い、システムの重要性も高まっています。こうした状況において、当社はシステムを提供するだけではなく、お客さまと二人三脚で課題解決に取り組むことが、お客さまと地域への貢献につながると考えました。そこで、「責任を持ってサポートできる地域に限定する」方針へ転換しました。

 民間企業も同様です。特に地域の中堅・中小企業では、人材不足の影響が深刻になっています。地域産業を支えるお客さまに貢献するためにも、責任を持ってサポートできる地域に注力する必要があると考えました。お客さまの真のパートナーとして、互いの事業を伸ばしていける関係を築くことを目指しています。

MOEKO●一社一社の要望にきめ細かく応えていくには、確かに地域を絞り、顧客との距離を縮めることが重要ですね。

松下さん●お客さまの要望に柔軟に対応するため、ローコード開発にも積極的に取り組んでいます。 "ちょっとした"作業や業務を自動化したい場合、開発負担を抑えながら短期間で仕組みを構築できるため、非常に効果的です。さらに、ローコード開発そのものを効率化するため、AIの活用も試行しています。また社員の資格取得も強く推進しています。

 社員の日常業務におけるAI活用も推進しています。現在は全社員を対象に、Microsoft 365 Copilotを効果的に活用するための研修を実施しており、来年から本格運用を始める計画です。

教えてくれる人
ケーケーシー情報システム
代表取締役社長
松下 直弘 氏
教えてくれる人
ケーケーシー情報システム
常務取締役
地域ビジネス事業本部
副本部長
社会基盤ビジネス事業部
事業部長
田口 之紀 氏
教えてもらう人
MOEKOさん
ダイワボウ情報システム(DIS)に勤める入社2年目の営業職。顧客の課題に親身になって向き合う姿勢が評価されている伸び盛りの若手社員。次々と出てくる新しいテクノロジーの理解に苦戦している。

自社でCopilotを使い込み
顧客のAI活用を伴走支援

MOEKO●AI活用に関してお客さまからの相談も多いのではないですか。

松下さん●はい。自治体、企業を問わずAI活用への関心は高く、「どの業務に活用すれば効果が得られるのか」といった導入に向けた相談が増えています。まずは当社自身がMicrosoft 365 Copilotを使い込み、AI活用のノウハウを蓄積します。そこで得た知見を、お客さまへの提案に生かしていきたいと考えています。

 その一方で、個人情報や社内の機密情報が漏えいするのではないかというセキュリティ面の不安や、クラウド利用に伴うコスト負担の増加を懸念し、導入に慎重なお客さまもいます。

MOEKO●AI活用に不安や懸念を持つお客さまには、ぜひ「Copilot+ PC」を提案してください。Copilot+ PCは、マイクロソフトが定めるAI活用向けの要件を満たしたWindows PCです。

 要件の一つが、AI処理を高速かつ低消費電力で実行するNPUの性能が40TOPS以上であることです。AI処理をPC上で実行するため、クラウドへの通信を抑えながら高速に処理できるほか、機能によってはインターネットに接続していない環境でも利用可能です。
 Copilot+ PCならではのAI機能も提供されています。その一つが「リコール」機能です。PC画面のスナップショットを端末内に保存し、過去の作業や閲覧した内容を検索して振り返ることができます。ファイル検索機能も強化されていて、ファイル名が分からなくても、画像に含まれる要素を判別して検索可能です。

 日常業務では、「あの時見たWebサイトをもう一度確認したい」「あのグラフや写真を使った資料はどこだっけ?」と、曖昧な記憶を頼りに探し物をすることがありますよね。リコールや強化された検索機能を使えば、記憶に残る言葉を手掛かりに、目的の情報を見つけやすくなります。

田口さん●AI PCやCopilot+ PCのNPUについては理解していたのですが、これまでお客さまからAI PCの具体的な要望がまだ出てきていませんでした。日常業務では普段、探し物に時間を取られることが多いので、この機能は役立ちそうです。こうした情報をお客さまに積極的に届けていくことが重要ですね。

MOEKO●このほかにも、Copilot+ PC向けにはさまざまなAI機能が提供されています。Windows 11の更新を通じて機能が拡充されていく点も大きなメリットです。

AIを使う人にも使わない人にも
Copilot+ PCがもたらす堅牢な基盤

田口さん●当社がAIビジネスにどう関われるかをまさに検討中です。AI活用はこれからというお客さまや、AIはクラウドで利用しているというお客さまもCopilot+ PCを利用するメリットはありますか。

MOEKO●もちろんあります。Copilot+ PCを提案することが、AIビジネスの準備になり得ると言えるのではないでしょうか。大きなメリットの一つがセキュリティ機能です。Copilot+ PCでは、マイクロソフトのセキュリティプロセッサー「Microsoft Pluton」が標準で有効化されています。

 Microsoft PlutonはCPUに統合されているため、データの通り道であるバスを物理的に狙う攻撃への耐性を高めます。PC本体が盗難された場合にも、資格情報やID、個人データ、暗号化キーなどをハードウェアレベルで保護し、不正な窃取を困難にします。

 また、Copilot+ PCは全て「Secured-core PC」の要件を満たしています。ハードウェア、ファームウェア、ドライバー、OSに跨がる多層防御によって、OSが起動する前の段階を狙う高度な攻撃への防御を強化します。

 さらに、パスキーに対応したWindows Helloにより、顔認証や指紋認証など、パスワードに依存しない安全なサインインも実現します。

 このようにCopilot+ PCは、AIを活用するための性能だけでなく、これからの業務PCに求められるセキュリティをハードウェアとソフトウェアの両面から強化しています。AIをすぐに使わない場合でも、安全なPC環境への刷新という価値を提供できます。

松下さん●サイバー攻撃による情報漏えいが相次ぐ一方で、セキュリティ投資を後回しにしているお客さまは少なくありません。PCの刷新とセキュリティ強化を一体で進めるCopilot+ PCの提案は、お客さまにも価値を理解していただきやすく、効果も期待できそうです。まずは当社でCopilot+ PCを導入して効果を検証し、その成果をお客さまへの提案に生かしたいと思います。

MOEKO●ありがとうございます。企業で使われているWindows 11搭載PCの中には、Windows 10からOSだけをアップグレードして継続利用している端末もあります。導入から年数が経過したPCは、現在の業務に必要な性能やセキュリティ要件を満たしているか、改めて点検することが重要です。AI活用の基盤としてだけでなく、PC環境とセキュリティを同時に刷新する選択肢として、ぜひCopilot+ PCを提案してください。