SaaS[Google Workspace 編]
東横システム
医歯薬ネット
セキュリティ強化・コスト削減と
社内全体の円滑な情報共有を実現
高度なセキュリティ対策や運用コストのカットを目的に、オンプレミスからクラウドへ移行する企業が増えつつある。導入するクラウドサービスを選定する際、容易な情報共有や生成AIによる業務効率化を条件に挙げる顧客もいるだろう。今回はGoogle Workspaceの導入提案を行った東横システムと、実際にGoogle Workspaceを導入した医歯薬ネットに話を聞いた。Google Workspaceの導入メリットや活用方法を、販売店とエンドユーザーそれぞれの視点から語ってもらった。
DX支援に加えてセキュリティや
データ分析にも力を入れる
東横システムはWindows、Mac、Linuxのアプリケーションから各種機器の組み込みソフトまで、さまざまな分野のソフトウェア開発を行っている企業だ。さらにはOA機器の販売や、デジタルトランスフォーメーション(DX)のコンサルティング事業も展開している。
そうした事業を行う東横システムでは、顧客のDXを支援するソリューションとしてGoogle Workspaceを扱っている。東横システム 情報管理室 副室長 兼 IT営業部 グループリーダー 菅原 岬氏は、同社でGoogle Workspaceを拡販する理由を次のように話す。「オンプレミスからクラウドへの移行を目指す企業が増える中で、Google WorkspaceはDX推進に不可欠なツールだと考えているためです。顧客の多様なニーズに対応できる上、Gmail、Google Chat、Googleドライブ、Google Meetといった多数のアプリケーションが含まれている点が良いと感じています。顧客へさまざまな付加価値を提供できるサービスだと思い、拡販しています」
そのような特長を持つGoogle Workspaceを、東横システムは医歯薬ネットへ導入した。医歯薬ネットは、医院・病院・薬局の開業支援を行う企業だ。医者がクリニックを開く際に物件探しから携わり、医療機器の導入、スタッフの採用および教育、開業の際の保健所・厚生局への届け出といった、開業までに必要な業務を全て伴走支援するコンサルティングを行っている。
菅原氏は、医歯薬ネットにGoogle Workspaceを提案した背景をこう語る。「主な理由は、医歯薬ネットさまのシステム運用コストと保守体制の見直しです。見直しに当たって東横システムにお声がけいただき、当社が保守ネットワークも含めて新システムを提案する形になりました。それまで医歯薬ネットさまはオンプレミスでシステムを運用していましたが、BCP対策などを理由にクラウドへの移行を進めていきました」
続けて菅原氏は、提案した具体的な理由をこう話す。「そこでGoogle Workspaceを薦めた主な理由は、コスト管理です。欲しい機能が統合されているGoogle Workspaceは機能ごとに契約する必要がなく、一つの契約で費用を抑えられるため提案しました。加えてGoogleドライブやGoogle Chatで情報共有やコミュニケーションの円滑化が可能な点や、メールを含めた全体的なセキュリティ強化が行える点、場所や時間を問わない柔軟な働き方が実現可能な点も、Google Workspaceを提案した理由です」

情報管理室 副室長
兼 IT営業部
グループリーダー
菅原 岬 氏

本社関東営業部 コンサルタント
管理本部 情報システム部
間宮 佑 氏
セキュリティ強化とコスト削減を
両立しながらクラウド移行
医歯薬ネット 本社関東営業部 コンサルタント 管理本部 情報システム部 間宮 佑氏は、医歯薬ネットがGoogle Workspaceの導入を決めた理由をこう話す。「もともと当社は10年以上前のかなり古いサーバーにオンプレミス環境を構築しており、セキュリティ面に不安を抱えていました。加えてITに強みを持つ企業ではないので、自社のオンプレミス環境を使いこなせていませんでした。しかし使いこなすためにフルに機能を使おうとすると、コストがかさんでしまう悩みもありました。そこで当社でも使いこなせるサービスかつ、コスト削減もできるものでクラウドへの移行を進めたく、東横システムさまにGoogle Workspaceを紹介してもらいました。セキュリティ強化とコスト削減が実現できるほか、EnterpriseプランだとGoogleドライブの容量が5TBあったため、導入を決めました」
また、Google Workspaceを導入したことで生まれたメリットがあるという。「オンプレミス環境の頃は、社内の共有サーバーへ入るためにVPNを利用していました。しかし、セキュリティ上仕方ないものの、VPNの接続手続きが面倒くさいという声が営業から上がっていました。Google Workspaceに移行してからは、ログイン時の本人確認や2段階認証プロセスで簡単に共有のGoogleドライブへ入れるため、手間が大幅に削減できました」(間宮氏)
では、具体的にはどのように活用しているのだろうか。間宮氏は、自社でのGoogle Workspaceの活用方法を次のように語る。「当社では主にGoogleドライブを利用しています。クリニック開業の案件ごとにファイルを作り、その中に物件情報など各案件に必要な情報を入れています。そして、保存した情報を先生に提供する形でコンサルティング業務を進めています。案件の担当者1人で情報を抱え込むのではなく、社内全体で情報を共有しておきたいので、Googleドライブは社内で活躍していますね」また、生成AIサービス「Gemini」も業務に活用しているそうだ。「Geminiを使って議事録の作成や、メール文の作成をしています。こうした業務を生成AIに任せて、人件費の削減に取り組んでいます」(間宮氏)

Geminiにデータ管理を任せ
質の高い情報を提供していく
間宮氏は、今後のGoogle Workspaceの活用展望をこう語る。「今後はGeminiの活用に力を入れていきたいです。クリニックの開業ではさまざまな過程で先生に企業を紹介するのですが、比較検討を行うこともあり、一つの案件でおよそ30〜40社を紹介しています。そうした紹介する企業の情報や、紹介したもののNGになった企業の情報、NGだった理由などのデータ管理をGeminiに任せて、先生に提供する情報の質をアップしていきたいと考えています。ほかにもメール作成のような事務作業をGeminiに任せ、残業時間の削減、そして人件費削減による従業員1人当たりの賃金向上を目指していきます」
最後に菅原氏は、Google Workspaceをはじめとした東横システムの事業展望を次のように話した。「社内でIT担当を確立できていない企業がまだまだあると感じています。当社は単なる導入支援にとどまらず、お客さまの業務内容や課題に合わせたサービスの活用方法を提案し、定着までを支えていきたいです。例えばGoogle Workspaceであれば、連携可能なアプリケーションやアドオンなども紹介し、包括的にDX推進をサポートできればと考えています。さまざまなソリューションを提供することで、企業のDXパートナーとしての地位を確立していきたいです」
Company Profile
会社概要
東横システム株式会社

https://www.toyoko-sys.co.jp/
本社:東京都大田区池上5-7-12
設立:1982年8月
従業員数:150名(2025年4月時点)
主な事業内容:システムおよびソフトウェア受託開発、OA/IT機器販売およびDXコンサルティング
株式会社医歯薬ネット

https://www.ishiyaku-net.jp/
本社:東京都品川区西五反田8-3-6 TK五反田ビル5F
設立:2003年8月
従業員数:40名(2025年3月時点)
主な事業内容:医院・病院・薬局開業支援、医療機器販売