フォントの種類
フォントは、大きく「和文(日本語)」と「欧文(英語)」の2つに分けられます。和文は「明朝体」と「ゴシック体」、欧文は「セリフ体」と「サンセリフ体」がそれぞれ代表的な書体です。
明朝体とゴシック体
明朝体は、横線に対して縦線が太く、ウロコと呼ばれる三角の山がある書体です。縦書きで並べた際にも読みやすく、教科書や新聞などの長文に適しています。知的、上品、繊細など、落ち着いたイメージのデザインに向いています。
ゴシック体は、横線と縦線の太さが均一で、基本的にウロコのない書体です。可読性が高いフォントなので、WEBやポスターなどの視認性重視の媒体に適しています。明朝体と比べると文字が曲線的で、力強い印象が特徴です。
セリフ体とサンセリフ体
セリフ体は、日本語の明朝体のように横線と縦線の太さが異なり、セリフと呼ばれる装飾がある書体です。このセリフがあることで水平方向に視線を誘導しやすく、可読性が高いという特徴があり、本文などの長文に適しています。
サンセリフ体は日本語のゴシック体のように横線と縦線の太さが均一で、セリフがない書体です。「sans(サン)」とは、フランス語で「~のない」という意味があり、「サンセリフ(sans-serif)」は「セリフがない」ということになります。セリフがない分シンプルで、親しみやすくカジュアルな印象が特徴です。
フォントを選ぶときの注意点
フォントを選ぶときに大切なのが下記の3つです。
- 視認性
- 判読性
- 可読性
最近では、さまざまなフォントメーカーがこの3つの基準を満たしたユニバーサルデザイン(UD)フォントを提供しています。
視認性
視認性とは、「見やすさ」です。
たとえば、サイズが変わっても文字が潰れずに読みやすい、背景色や画像と重なっても見やすいなど、どんな状況でもしっかりと認識できるのが視認性の高いフォントといえます。
判読性
判読性とは、「伝わりやすさ」です。
たとえば、アルファベットのO(オー)と数字の0(ゼロ)、大文字I(アイ)と小文字のl(エル)、土と士、苦と若、科と料など、似たような文字が瞬時に判断できるかが重要です。可読性の低いフォントの場合、文字の識別ができないため情報が伝わりにくく、読み間違いや誤解の発生に繋がってしまいます。
可読性
可読性とは、「読み取りやすさ」です。
多くの人は読みにくい文字をわざわざがんばって読み取ろうとはしないので、見たものの中に読みにくいものがあればすぐに流されてしまいます。つまり、可読性が低いフォントの場合、情報がきちんと伝わるか以前に、読んでもらえるかが問題になってしまいます。
Adobe Fonts
冒頭で紹介した書体の他にも「筆書体」、「スクリプト体」、「デザイン書体」などたくさんの書体があります。フォントについて理解していく中で、さまざまなフォントを使ってみたいと思う方もいるかと思います。そこでぜひ利用してほしいのが「Adobe Fonts」です。
Adobe Fontsでは、無償プランでは約1,500のフォント、有料プランでは20,000以上のフォントが使用できます。有名なフォントメーカーやパートナーと提携しているため、洗練された美しいフォントなのもうれしいポイントです。またすべてのフォントが商用可能であり、Webフォントとして利用する場合のページビュー数による制限もありません。
まとめ
今回はフォントの基礎について解説しました。「かわいいから」や「かっこいいから」といった単純な理由からひとつ踏み込んだ、デザイナー的な視点からフォントを選べるようになったのではないでしょうか。Adobe Fontsは一部無料で使用できるので、ぜひたくさんのフォントに触れてみてください。