フィジカルAI
フィジカルAIとは、従来のAIが持つ判断能力に加えて物理的な身体機能を備えた技術の総称。AIが頭脳、センサーが感覚、アクチュエーター(駆動装置)が身体の役割を果たし、状況を判断し行動できる。見て、考えて、動くといった人間が備える機能と極めてよく似ている。
AIを搭載したロボットに「ロボティクスAI」がある。フィジカルAIとの違いは、あらかじめプログラムされた精密な動作を実行する点にある。フィジカルAIは外界から得たリアルタイムな情報に基づいて、自ら判断して動作する。フィジカルAIはロボティクスAIの進化系ともいえる。
フィジカルAIの技術は、介護や医療現場、工場、家庭内だけでなく、災害下の過酷な状況でも実用化が進んでいる。ChatGPTなどの生成AIの進化は知的業務を劇的に効率化した。その一方で、人間の判断を必要とする現場では、作業負担の増大や人手不足という課題が残る。この課題を解決する技術として、フィジカルAIへの期待が高まっている。
フィジカルAIには多くの期待と同時に、安全性と信頼性の確保、導入コストの高さなどの課題もある。これらを克服し、社会への導入が進めば、人間と共存可能なロボットが誕生する日も近いかもしれない。
(青木逸美)
