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EOSを契機に身近なファイルサーバーの運用管理を見直そう

EOSを契機に身近なファイルサーバーの運用管理を見直そう

2022年12月20日更新

身近なファイルサーバーをAzureに刷新
一人情シスの管理負担を削減しよう

Windows Server 2012/R2のEOSは、Azure提案の新たな契機となる。EOS対策編をスタートした前号では、Azureの全体像を俯瞰した上で、中堅中小企業向けに想定される活用例などを紹介した。今号からは本格的に移行に向けたソリューション提案と、導入メリット・シナリオについて解説していく。手始めに、企業で一般的に活用されているファイルサーバーの移行について、ビジネスの可能性を探っていこう。

企業内のサーバー管理状況を見直し

日本マイクロソフト
パートナー事業本部
コーポレートソリューション営業統括本部
コーポレートソリューションパートナー営業本部
清水利幸 氏

 EOSを受けてサーバーをリプレースもしくは移行せよ、と言われても、企業側で社内のサーバーの運用状況が把握できていなければ本末転倒だ。しかし、業務に追われていてサーバーの運用状況を把握しておらず、社内システムがブラックボックス化しているユーザー企業も少なくない。まずはサーバーの管理状況から見直していこう。

 企業に見られるサーバー用途の傾向について、日本マイクロソフト パートナー事業本部 コーポレートソリューション営業統括本部 コーポレートソリューションパートナー営業本部 清水利幸氏はこう分析する。「日本の中堅中小企業のお客さまが持つサーバーは、主に3種類に大別できます(図1参照)。中でも一番多いのが、ファイルサーバーです。次に、Windowsで稼働するサーバーやクライアントなどのコンピューター、周辺機器のアクセス権限を管理できるActive Directoryサーバー、基幹業務のアプリケーションサーバーが続きます。サーバーを導入されているお客さまの構成を伺うと4〜6台くらいのサーバーを動かしている傾向が多いです。EOSをきっかけに、既存のサーバーの稼働状況の確認とOSのバージョンチェックを行い、Azure提案を進めていきましょう」

 これまでサーバーの管理が行き届いていなかったユーザー企業にとって、EOSは社内システムを刷新する好機と言える。まずは、ファイルサーバーを会社全体で統合する取り組みから提案してみてはいかがだろうか。

図1:ユーザー企業で使われる一般的なサーバーの種類
図2:オンプレミス使用時の課題とファイルサーバーの移行フロー

ファイル共有やバックアップを効率化

 古いファイルサーバーは、セキュリティのパッチ切れなどシステムの安全性の問題だけではなく、容量の追加に合わせたハードウェアコストや、OS更新の手間など煩雑な管理作業を今後も背負うことになる(図2参照)。これを踏まえ、管理作業やセキュリティを担保するファイルサーバー移行を検討していこう。提案シナリオの大きな枠組みとしては、以下の三つがある(図3参照)。

①ファイルサーバーをAzureのIaaS環境で構築

②ファイルサーバー+Azure File Sync

③Azure Filesでのフルマネージド型ファイルサーバー構築

 ある拠点のファイルサーバーを、Azureの仮想マシン上にリフトし、構築する方法が①だ。「停電時、出社しないとファイルサーバーが使えなくなるケースもあるかもしません。①ではそうした手間やコストの削減に貢献します。ディスク容量を意識する必要もありません。万が一ディスクが足りなくなれば、容量を増やせばいいというクラウドならではの恩恵を享受できます」(清水氏)

 実際の導入事例としては、クラウド・オンプレミス間のファイル同期が可能な「Azure File Sync」を使っているケースも少なくないという。Windows Server 2012/R2以上のバージョンを活用しているケースで継続して使いたい場合は、Azure File Syncと併用する②の例が有効だ。Azure File Syncでは、異なる拠点のファイルサーバーのデータに関しオンプレミスのファイルサーバーから移行できるファイル共有サービス「Azure Files」に同期させられる。既存のWindows ServerとAzure File Syncを連携させることで、複数拠点にファイルサーバーが混在する場合もスムーズに共有できる。Azure File SyncだけでなくAzure Files上にもファイルが保存されるため、万が一データを消失しても復元可能だ。Windows ServerとAzure Filesの機能を組み合わせたハイブリッドな構成だ。

 また、オンプレミスを基盤としているユーザー企業の方針として仮想マシンで動かしている分のコストも抑えたい可能性がある。その場合は、③がお薦めだ。動かすシステムをAzure Filesに絞ることでコストを抑えてファイルサーバーを運用できる。

 ファイルサーバーのバックアップの際には併せてバックアップソリューション「Azure Backup」を使ってほしいと清水氏はアピールする。オールクラウドでバックアップをカバーでき、中堅中小企業におけるサーバーの管理にかかる時間とコストを大幅に削減できる。「ITリテラシーの高い従業員が1人だけで情報システムを取り扱う“一人情シス”のお客さまにとって、ファイルサーバーの運用負担は軽くはありません。しかし、クラウドに移行することで運用負担が非常に軽減されるのです」

 ダイワボウ情報システム(DIS)が提供するAzureの構築メニュー「Microsoft Azure導入サービス」でのサポートも受けられる。ファイルサーバーを検討する段階で、パートナー各社での移行方法や構成に迷った場合は、DISの営業担当まで相談してみてほしい。EOSを契機とし、まずは身近なファイルサーバーをユーザー企業に見直してもらい、Azureビジネスへとつなげよう。

図3:移行パターンごとの構成イメージ

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