サポート延長プログラムで
CentOS Linuxの継続的な利用を支援

ニューロ「CentOSサポート延長プログラム」

「CentOS Linux」は、「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)と互換性を持つ無償版Linux OSだ。さまざまな業種で利用されていたが、最新バージョンの「CentOS Linux 8」を最後に開発計画の変更が行われ、2021年12月をもってサポートが終了してしまった。これにより、CentOS Linux 8を採用していた企業はOSの移行などの対応に追われる事態となっている。ニューロはそうした問題を解決し、CentOS Linux 8を継続して利用できるサポートプログラムの提供を開始した。

突如OSのサポートが終了
ユーザーは対応策を模索

代表取締役CEO
浦谷拓夢 氏

「CentOS Linux」は、「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)と高い互換性を有する無償版の非商用Linuxとして、クラウドサービスやホスティングサービス、業務の基幹システムとしてさまざまな業種で使用されている。その最新バージョンに当たる「CentOS Linux 8」は、2019年9月にリリースされ、2029年3月までOSのサポートが継続される予定だった。しかし、2021年12月、当初の予定よりも7年3カ月も早くOSのサポートが終了してしまった。2020年末に予告されていたものの、当初の予定よりもサポート終了が大きく前倒しになったことにより、CentOS Linux 8を利用していたユーザーは対応策を模索する事態となっている。

 CentOS Linuxのサポート終了について、ニューロ 代表取締役CEO 浦谷拓夢氏は「2022年1月以降、CentOS Linux 8はアップデートファイル(パッチ)の提供がなくなり、継続して利用し続ければセキュリティリスクは高まります。CentOS Linuxの開発陣は今後、無償ではあるものの、RHELのアップストリーム、すなわちβ版のような位置付けとなる『CentOS Stream』の開発に注力していくと述べています。一見すると大きな影響はなさそうに見えますが、RHELで実績があり安定性に優れたダウンストリームからアップストリームへの移行はそう簡単ではなく、全てのユーザーがスムーズに移行できるとは限りません。そのため、CentOS Linux 8のユーザーの多くは困惑しつつ、対応策を模索している状況にあるのです。私の知る限り、2020年末に予告されていたとはいえ、広く普及しているOSのサポートが、予定よりも7年以上早く終了してしまうのは初めてのケースで驚いています」と危機感を示す。

 CentOS Linux 8のユーザーは、以下のいずれかの対応策を取る必要に迫られている。まず考えられる対応策は、ほかの有償版のLinuxディストリビューションに切り替えることだ。しかし、前述したようにこれまでCentOS Linux 8を無償で利用していたことを考えると、新たなコストが発生する有償版Linuxへの切り替えはハードルが高い。もう一つの対応策は、ほかの非商用Linuxに切り替えるというもの。この場合、新たな費用は発生しないが、アプリケーションなどが正常に動作し対応しているかなどを検証する必要があり、根本から運用の手順を見直すことが必要になる可能性もある。さらに別の対応策としては、前バージョンであるCentOS Linux 7にダウングレードして使用を継続することだが、その点について浦谷氏は次のように話す。

「CentOS Linux 7は2024年6月末までサポートが継続されるため、CentOS Linux 8のユーザーがダウングレードするというのは、緊急避難的な対応策としては最も望ましいと言えるかもしれません。しかし、ダウングレードしたとしても、サポートが終了する2024年6月末までには、有償版かほかの非商用Linuxに移行するかを選択しなければなりません。CentOS Linux 7や8のユーザーは、何らかの対応策を検討しなければならず困惑している状況にあるのです」

ライセンス数に制限なく
24時間体制でサポートを提供

 こうした状況を解消するため、ニューロでは、サポートが終了してしまったCentOS Linuxをこれまで通り継続して利用できるOSのサポートプログラム「CentOSサポート延長プログラム」の提供を開始した。本プログラムは、ほかの同等クラスの有償サポートプログラムと比較しても低コストで導入可能だ。さらに、ドイツを拠点にLinux製品の開発・販売を行うSUSEが提供する有償版CentOSサポートプログラム「SUSE Expanded Support」をベースに製品化されており、高いレベルでOSのサポートが受けられる点が強みとなる。

 具体的なサービス内容について浦谷氏は「技術的な問題が発生した際に、24時間365日、ライセンス数やPCの台数に制限なくテクニカルサポートを受けられます。また、OSに脆弱性が見つかった場合のプログラムの修正や更新、セキュリティパッチの配布などのサービスを提供します。契約期間は1年または3年のいずれかを用意しており、ユーザーの業務計画に合わせて選択できる点もメリットです。さらに、本来は別途有償で契約しなければ利用できないSUSE Expanded Supportの一部の機能を無償で提供しているので、低コストかつ高いレベルでCentOS Linux 8を継続して利用できます。具体的な価格はダイワボウ情報システムさまおよびその販売店さま経由でお問い合わせいただければと思いますが、代表的な有償版Linuxの半額以下の価格での提供も可能です」

対応を迫られているユーザーに
選択肢を提示し製品をアピール

 CentOSサポート延長プログラムは、中央省庁や国公立の研究所、エンタープライズなどに多くの導入実績がある。例えば官公庁などは、数年単位でプロジェクトを立ち上げてCentOS Linux 8上でアプリケーションなどを開発している。突然OSのサポートが終了したからといって、ほかのOSに移行したとしても、アプリケーションが動かなくなる可能性が高く、簡単に移行することはできない。さらに言えば、多くの企業では、OSのバージョンアップどころか、昨年末にCentOS Linux 8のサポートが終了したことさえ、知らないユーザーは潜在的にかなり多いとニューロは見込んでいる。

「そうしたユーザーに対して、いくつかの対応策とその選択肢を提示していくことが必要だと考えています。CentOSの国内シェアはかなり高いものの、CentOS Linux 8のユーザーは、今すぐにでも対応策を取らなければならず、サポートが終了したOSの継続利用をどうするかが喫緊の課題です。ダイワボウ情報システムさまやSUSEさま、販売店さまと必要な情報を共有・連携して本プログラムを広めていきたいと考えています」と浦谷氏は展望を述べた。