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Power Platformで内製して業務改善を推進 ~日進工具~

Power Platformで内製して業務改善を推進 ~日進工具~

2021年07月30日更新

電子化が進まなかった社内の事務作業を
Power Platformで内製して業務改善を推進

[Case-07] 日進工具

日進工具では基幹業務システムなどが稼働する物理サーバーのほぼ全てをクラウドへ移行するなど、積極的にIT投資を進めてきた。ところが社内の事務作業は電子化が進まず、いまだに紙の文書が飛び交っている。そこで同社は顧客ごとに異なる帳票の様式や処理の手順など、変則的な業務に対応するアプリケーションを作成するためにマイクロソフトのPower Platformを導入し、紙文書を扱う事務作業の電子化を推進している。

事務作業の電子化は
利用の定着が課題

日進工具
総務部総務課
服部真純 氏

 日進工具はエンドミルと呼ばれるドリルのような形状の切削工具を製造・販売するメーカーだ。同社は電子部品や精密部品の製造に欠かせない精密・微細加工技術を支える超硬小径エンドミルを得意としており、この分野では国内トップクラスのシェアを誇る。近年は半導体や自動車の自動運転、次世代移動通信システムの5Gなどの分野で同社製品の需要が拡大しているという。

 同社はITにも積極的に投資している。例えば事業継続に向けて物理サーバーのクラウドへの移行を推進しており、災害時のリスクの軽減に取り組む。すでに本社で管理していた物理サーバーのクラウドへの移行が完了しており、一部の工場に残る物理サーバーのクラウドへの移行を進めている最中だ。

 同社ではサーバーの構築やシステムおよびアプリケーションの開発、それらの運用・管理まで自社の情報システム担当部署が対応している。スキルの高い人材が在籍する同社だが、事務作業の電子化はなかなか進んでいなかった。取引先ごとに取引の手順や帳票の仕様が異なり、社内の業務を取引先に応じて対応しているため標準化しにくく、電子化が難しいという事情があったからだ。

 同社で情報システムを担当する日進工具 総務部総務課 服部真純氏は「何度か事務作業の電子化に取り組み、自社でアプリケーションを開発したりパッケージソフトを導入したりしましたが、ユーザーに定着しませんでした」と説明する。

 その理由について服部氏は「作業ごとに異なるアプリケーションを使い分けるのは操作が煩わしいといった原因が考えられました」と説明する。そこで同社は事務作業で使用するアプリケーションを統一して業務環境の標準化に取り組んだ。

Microsoft 365を導入して
業務環境の標準化を図る

ディーアイエスサービス&ソリューション
ソリューション本部
本部営業推進課 課長
岩原裕樹 氏

 業務環境の標準化に向けて同社はパートナーを通じて知り合ったディーアイエスサービス&ソリューションの担当者に相談した。日進工具とディーアイエスサービス&ソリューションの付き合いは長く、サーバーやネットワーク機器の製品や、LANの構築およびケーブルの配線工事などのサービスをパートナーを通じて提供してきた。そして業務環境の標準化についてはマイクロソフトの「Microsoft 365」を提案し、日進工具が導入した。

 服部氏は「Microsoft 365を導入した結果、業務環境の標準化を進める基盤が整いました。さらにMicrosoft 365を導入したおかげでテレワークも円滑に実施することができ、TeamsなどMicrosoft 365のツールが活発に利用されるようになりました」と導入効果を説明する。

 日進工具を担当するディーアイエスサービス&ソリューションのソリューション本部 本部営業推進課 課長 岩原裕樹氏は「Microsoft 365をより効果的に活用するためにPower Platformの利用を提案しました。Power AppsでMicrosoft 365と連携した業務アプリケーションが簡単に、わずかな時間で内製できることを説明しました」と話す。

 Power Platformの提案を受けた服部氏は「紙を使う事務作業の電子化を推進することが課題でしたので、とても興味深く話を伺いました。Power Platformはすでに活用しているMicrosoft 365と連携した業務アプリケーションが簡単かつスピーディーに内製でき、利用環境をMicrosoft 365に統一できるので作成したアプリケーションを定着させやすいと思いました」と印象を語る。

 岩原氏はPower Platformを詳しく紹介するためにディーアイエスサービス&ソリューションが開催している勉強会「TheStudy」と具体的な活用方法を紹介した「SI事例サイト」に掲載されているコラムを服部氏に案内した。そして服部氏や社内のほかの情報システム担当者がこれらを受講、閲覧し、Power Platformの導入を決めた。

ディーアイエスサービス&ソリューションが開催するPower Platformの勉強会「TheStudy」の会場風景(2020年1月撮影、現在はオンラインで開催している)。TheStudyではPower Platformの基礎が学べる。
ディーアイエスサービス&ソリューションの事例紹介サイト「SI事例サイト」にはTheStudyのレポートや、Power Platformの具体的な活用方法などを紹介するコラムが掲載されている。 ※画面はアプリのイメージ

Power Platformで紙文書を電子化
顧客の業務の電子化も促進

 Power Platformを導入した日進工具はこれまで紙でやりとりしていた稟議書の電子化に取り組んだ。服部氏は「Power Appsで作成したアプリケーションのプロトタイプをユーザーに共有して意見や要望を聞き、それらを反映して正式版をリリースするという手順で効率よくアプリケーションが作成できました。まず稟議システムを作成して4月に正式版をリリースしたところ、当社の社長が利便性を高く評価してくれました」と説明する。

 現在はPower Platformの活用が進み、電子化する事務作業の範囲も広げているところだが、当初はPower Platformの操作や開発の手順に戸惑ったという。服部氏は「この操作や手順で何を作ることができるという情報はあるのですが、作りたい機能や作りたい仕組みをどのような操作と手順で行えばいいのかという逆引き的な情報はインターネットで検索しても見当たらず戸惑いました。そこでディーアイエスサービス&ソリューションに問い合わせると、全ての質問に即座に答えてくれてアドバイスもいただきました。ディーアイエスサービス&ソリューションにPower Platformのノウハウも豊富に蓄積されていることに感心するとともに、当社の質問や要望にスピーディーに対応してくれることに感謝しています」と話す。

 さらにPower Platformを利用してユーザーからのシステム関連の依頼を受け付ける「情報システム連絡票」も電子化した。情報システム連絡票とは運用中のシステムやアプリケーションへの要望、業務を効率化したり利便性を向上させたりするツールの導入の依頼といった情報システム担当部署への要望を受け付ける仕組みだ。従来は紙の文書で受付、管理していた。

 服部氏は「テレワークが常態化したことでツールへの要望が増えています。Power Platformを導入したことによって、これまでシステム化できなかったような規模の小さな事務作業も簡単に、短期間で電子化できるようになりましたので、ユーザーの要望にできる限り応えて業務の効率化や生産性向上に貢献したいと考えています」と意欲を語る。

 今後はPower Platformを利用して電子化した情報システム連絡票で寄せられる社内のシステム化のニーズの中から、Power Platformの活用に適した案件の対応を進めて業務の現場の効率化に貢献していくという。

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