近年、対面での会議や展示会が再開される中、会議室や展示空間などで「限られたスペースでも大画面を投映したい」「照明を落とさず鮮明な映像を表示したい」というニーズが高まっている。しかし、従来のプロジェクターでは設置条件やスクリーン形状に制約があり、柔軟な対応が難しかった。こうした課題を解決するのが、パナソニック コネクトが2026年度第1四半期に発売を予定している4K対応プロジェクター「PT-VMQ85J」と、WUXGA対応プロジェクター「PT-VMZ82J」だ。
明るい場所でも鮮やかに画面を投映
「PT-VMQ85J」は幅399×奥行き348×高さ115mm、重量約7.6kgというコンパクトかつ軽量な筐体でありながら、パナソニック独自の2軸画素シフト技術によって4K解像度を実現している。その高い解像度により、ミュージアムやゴルフシミュレーション、アート教材、CAD図面といった細部の再現性が求められる用途で真価を発揮する。
一方、「PT-VMZ82J」の解像度はWUXGAとPT-VMQ85Jに比べてやや低いものの、価格面で優位性があるのが魅力だ。WUXGAの解像度でも、後方席からグラフや文字を十分に視認できるため、会議や授業などの利用シーンに適している。
両モデルに共通する特長として、照明が明るいオフィス環境でもコントラストの効いた映像を投映できる点が挙げられる。高効率光学エンジンの採用により8,000lmの高輝度を実現し、明るい条件下でもクリアな視認性を確保している。加えて、パナソニック独自の「デイライトビューベーシック」機能では、内蔵センサーで周囲の照度を検知し、リアルタイムで画質を最適化することで、照明光に左右されない鮮明な映像を維持する。こうした機能により、会議や授業中に照明を落としたりブラインドを閉めたりする必要がない。参加者の表情を確認しながら円滑なコミュニケーションを実現できる。

設置作業にかかる負担を軽減
PT-VMQ85J/PT-VMZ82Jは、設置環境を選ばない柔軟性を実現する多彩な機能を備えている。「1.6倍ズーム」機能によりスクリーンサイズを30〜300インチの範囲で調整でき、投映距離を変えることなく環境に合わせた画面設定が可能だ。100インチスクリーンの場合は約2.35mという短距離で投映できるため、限られたスペースでも大画面を確保する。「レンズシフト」機能では上方向に最大44%、左右に最大20%のシフトが可能で、高天井からでも投映を実現している。加えて、光学ズーム範囲を拡張する「デジタルズーム拡張」機能により、スクリーン調整の幅を広げ、プロジェクターの位置がスクリーンから離れていても天つり金具を動かさずにリプレースできる。さらに、「デジタル画像シフト」機能を用いることでスクリーン位置の細かな調整が容易となる。上下左右10%ずつの調整幅を確保することで、画面の中央からセットを動かした投映や高天井への設置にも対応可能だ。これらの機能を組み合わせることで、設置条件に左右されない柔軟な運用を実現し、既存設備を生かした効率的な導入を後押しする。
PT-VMQ85J/PT-VMZ82Jは、設置の作業効率を高める調整支援機能も充実している。角度調整を効率化する「角度モニター」は、内部センサーが検知した角度を基に投映画面に前転・側転の傾きをシミュレーション表示する。従来はプロジェクターを設置する際、測定・指示役と調整役で2人必要であったが、角度モニターを活用することで、1人でも取り付け作業を行えるようになるのだ。プロジェクターの取り付けにかかる工数や人的コストを削減できる。「スクリーン調整」機能もGUI画面をより直感的にしたことで、リモコンだけで柔軟な補正が可能になった。外部機器を使わず、円柱や角柱など特殊なスクリーンにも対応し、設置の選択肢を広げている。
そのほかにも多数の補正機能を備えている。「グリッド補正」機能では、11×17のグリッドパターンを表示し、水平・垂直ラインを指定することでスクリーン内部のゆがみを細かく補正可能だ。「曲面スクリーン補正」機能は、水平・垂直4辺を独立して調整できるようになり、非対称な円柱や球面にも対応する。ゴルフシミュレーションやデジタルミュージアムといった特殊な演出にも利用可能だ。「コーナー補正」機能では斜め投映や角度をつけた投映で生じるゆがみを四隅で独立補正が行え、設定内容をデータとして保存することで再設定の手間を削減する。「6点補正」機能は角柱や二面が交わる場所への投映に最適で、通常のコーナー補正に中央上・中央下の2点を追加し、デッドスペースを有効活用できる。さらに、「アスペクト維持」機能により、アスペクト比を保持したまま補正できるほか、四隅いっぱいに投映したい場合はオフにするなど、用途に応じた柔軟な使い分けが可能だ。
さらに、高度なシステム構築を支援するインターフェースも充実している。LANケーブル1本で映像・音声・制御信号を長距離伝送できる「4Kデジタルリンク」に対応しており、施工の簡素化とコストダウンが可能だ。また複数台の設置時には、1台の設定内容をUSBやLAN経由でコピーできる「データクローニング」機能を活用することで、作業効率を高められる。
こうした多彩な機能を備えるPT-VMQ85J/PT-VMZ82Jは設置条件やスクリーン形状に左右されずに高品質な画面の投映を行えるのだ。設置工事にかかる負担を軽減するだけでなく、既存設備の活用によるコストの最適化も実現する。


環境負荷低減を重視したエコデザイン
PT-VMQ85J/PT-VMZ82Jは、環境に配慮した運用もサポートする。PT-VMQ85Jは光学設計の進化により、高輝度4Kモデルながら最大約19lm/Wという優れた電力効率を実現。明るい映像を少ない電力で投映できるため、運用コストを抑えつつ環境負荷低減に貢献する。またPT-VMZ82Jも、約20lm/Wの高い省エネ性能を確保している。
さらに、レーザー光源の明暗を直接制御する「ダイナミックコントラスト」により、輝度を損なうことなく500万:1の高コントラスト比を実現している。シーン連動モジュレーションを完全なデジタル制御で行うことで、明るいシーンと暗いシーンが頻繁に切り替わる場合でも精緻な明暗表現が可能だ。これにより、映像品質を維持しながら電力消費を抑え、経済的な運用にも貢献する。また、映像が一定時間更新されない場合に光源出力を自動で抑える「映像連動」機能を搭載し、高輝度化のニーズに応えながら省エネ運用を支える。
素材面でも環境配慮を徹底している。PT-VMQ85Jは本体プラスチック部品の約50%、PT-VMZ82Jは約59%に再生樹脂を採用。梱包材には発泡スチロールの代わりにリサイクルが容易なペーパートレイを使用し、廃棄時の環境負荷を軽減する。
また、高信頼なレーザー光源を採用することで、ノーマルおよび静音モードにおいて約2万時間、ECOモードでは最大約2万4,000時間、光源のメンテナンス不要で明るく鮮明な映像を維持できる。従来のランプ式プロジェクターで必要だった定期的なランプ交換が不要になるため、交換にかかる手間やコスト、さらには廃棄物の削減も実現するのだ。フィルターも防じん性に優れたキャビネット構造と、微小なほこりをイオン効果で引きつけるマイクロカットフィルターの組み合わせにより、約2万時間交換なしで使用できる。さらに水洗いによる繰り返し使用にも対応している。環境負荷を抑制するだけでなく、ランニングコストの削減も可能だ。
高画質と省エネ性能を両立したPT-VMQ85J/PT-VMZ82Jは、企業や教育現場における持続可能な運用を後押ししてくれるだろう。

